2001年5月


「メキシコから来たペット」アメリカの都市伝説コレクション
- The Mexican Pet - More "New" Urban Legends and Some Old Favorites
Jan Harold Brunvand
ジャン・ハロルド・ブルンヴァン 新宿書房

 ブルンヴァンをはじめ、都市伝説モノは片っ端から昔、読でいる。映画「ルール」を観てから、また都市伝説モノの本をEasySeekで集めはじめた。これはブルンファンの三作目。目新しさは無いが、久しぶりに読むと面白い。


「ワンダー・ボーイズ」
- Wonder Boys - Michael Chabon
マイケル・シェイボン 菊地よしみ訳 早川書房

 映画「ワンダー・ボーイズ」が面白いので読んでみたかった。ちょうど同じように小説家を描いていて、映画にもなった「小説家を見つけたら」が面白かった事もある。
 設定は映画とほぼ同じ。でも、映画のマイケル・ダグラス、トビー・マグワイアの印象とは微妙に違った。文章も、なんか乗れなかった。時々、素晴らしい文章もあるんだけど(特に最後の章は気に入っている)。ちょっと残念。

→ 映画「ワンダー・ボーイズ」感想


「小説家を見つけたら」☆
- Finding Forrester - James W.Ellison
ジェームズ.W.エリソン 石川順子 ソニー・マガジンズ文庫

 映画「小説家を見つけたら」の原作。ストーリ的にも、テーマも映画と同じ。映画の追体験ではあったが、面白く読めた。ラストは、映画よりもずっと書き込みが深くて感動的。「人はその望みを同じ願いを持つ人間に託して人生を終える事が出来る。それこそが希望なのだ」という言葉はテーマ全体を象徴していて素晴らしい。

映画「小説家を見つけたら」感想


「あの金で何が買えたか バブルファンタジー」
村上龍 はまのゆか画 小学館

 一時話題になって読んで読んでみたかった。
 北海道拓殖銀行不良債権額2兆3433億円、富士銀行公的資金投入1兆円、住友銀行公的資金投入5010億円など。想像もつかない不良債権の莫大な金額が、一体どの位のものかという比較。バブルの清算をこういう形で切ってみるのは面白い企画。
 単純に比較出来ないと判っているけど面白い。所々、「タイタニック」制作費25本分6000億円という感じに笑わせてくれる。


「口コミ伝染病」
神田昌典 フォレスト出版

 「バイラル・マーケティング」を読んでみて、偶然見かけたこの本を読みたくなった。「バイラル・マーケティング」よりは判りやすいし、実行に移しやすいという意味では実践的。中小企業、商店向き。逆に実例は少ないし、読み物としての魅力は少ないかも。

「バイラル・マーケティング」- 何しろこのサイトで全文ダウンロード出来てしまう(^^)
「口コミ伝染病」- フォレスト出版内の紹介


「悪徳の都」上 ☆
- Hot Springs - Stephen Hunter
スティーヴン・ハンター 公手成幸訳 扶桑社ミステリー

 「極大射程」「ブラック・ライト」「狩りのとき」のボブ・リー・スワガーの父親、元海兵隊先任曹長アール・スワガーが主人公。硫黄島の戦功で名誉勲章を受けながら酒浸りの日。そこに野心家のガーランド郡検察官フレッド・ベッカー、元FBIの英雄D.A.パーカーが訪れ、ギャングが仕切るホットスプリング浄化のためのチームを編成をアールに頼む…。
 期待をはるかに上回る面白さ。時代背景の書き込みの上手さ、人物像の描き方、戦闘シーンの迫力、どれを取っても素晴らしい。今回はアールの父(つまりボブの祖父)の影の部分や、死の秘密の絡み方も巧み。面白かった。
 映画「バグジー」の主人公にもなったベン・"バグジー"・シーゲルと愛人のヴァージニア・ヒルが重要な役所だが、この二人以外はほぼ想像の人物らしい。

「国際姉妹都市ホットスプリングス」 - 花巻市のサイト


「悪徳の都」上
- Hot Springs - Stephen Hunter
スティーヴン・ハンター 公手成幸訳 扶桑社ミステリー


「アナザヘヴン」下
飯田譲二/梓河人 角川ホラー文庫

 上巻を二月前に読んでいたが、詰まらないので下巻は保留していた。読むものが無くなってとりあえず読むが、印象は同じ。中盤でちょっと映画と違う部分があった(多分)。


「シェルパ斉藤の いきあたりばった旅」
斉藤政喜 小学館文庫

 ビーパル連載の「いきあたりばった旅」の文庫本化の一冊目。今は5巻ぐらいまで出ているしい。
 バックパッキングの達人であるシェルパ斉藤が、それぞれテーマをもって実行した旅の記録。東京→雲仙ヒッチハイク行き(「十五才学校IV 」みたい)、モロッコMTBツーリング、九州無装備1万円放浪、奥滋賀林道スキー・ツーリングなどなど。面白いモノはあるんだけど、基本的に人の善意を前提とした旅は軟弱で気に入らない。旅行企画モノとしては、「12万円で世界を歩く」みたいなストイックさが欲しい所。

→ いまどこ?シェルパ - ビーパル内、シェルパ斉藤の最新情報


「旅の理不尽 アジア悶絶編」
斉藤珠己 小学館文庫

 一介のサラリーマンの著者の旅の記録。と言っても、「旅行人」蔵前仁一の目に止まるだけのモノは持っている。旅自体は辺境でも無くトルコ、香港、ベトナムと結構普通。アジアの旅で出会う、不可解で、トホホではあるが、真実の出来事を淡々と描いていて笑わせてくれる。そこには旅行に役に立つ情報や、旅の感動、鋭い視点はまるで無いけど、共感出来る部分が多分にある。文章は稚拙だが妙な魅力がある。


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