三台星に客星が
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第五次北伐
●諸葛亮最後の戦い
 自分の年を考えると、あとそうは長くない時間しか残されていない事を感じる諸葛亮。 対する相手は強大な魏。蜀の桟道(さんどう)を盾に防御を固めればしばらくは時を稼げるが、 後漢初めの公孫述のように、結局は滅ぼされてしまう。

 そこで常に半分以下の兵力で攻勢にでていたが今回が最後になるかも知れない。

 呉との連携を図り第五次北伐に向かうが、呉の間者が魏に捕まり作戦がすべてバレてしまい、 呉軍は戦わず撤退してしまう。

それを伝え聞いた諸葛亮は血を吐き倒れ、自分の寿命もあと僅かしかないことを悟る。

●三台星
 その夜、孔明は病を推して幕外に出、天文を案じていたがただならぬ気色で幕中に入ると 姜維に向かい。
「わしの命ももはや旦夕に迫っておる」
「なにゆえそのようなことを」
「三台星の中に客星が現れて、光がいちじるしく、主星の光は殆ど見えぬほどであるうえ、 これを輔ける星星もみな光を失っておるゆえに、わしは自分の命を覚ったのじゃ」

・・・・中略・・・・

 ここに(魏の)司馬懿は陣にあってひたすら守りを固めていたが、ある夜、 天文を観ていたく喜び、夏侯覇に言った。
「将星が位を失った。孔明が病み、まもなく死ぬのは必定じゃ。 そなたは一千騎をひきいて五丈原に物見に出でよ。もし蜀の者どもが立ち騒いで 迎え撃とうとせねば、孔明が病んでいるに違いない。 さらば、われらは勢いに乗って攻めかかろうぞ」(注1)

●危うし蜀軍
 危うし蜀軍。さて続きは次回に。

 終わってどうする(^^;)


三台星
●客星
 星は決まった運行をしますが、中には運行に従わない星があります。太陽・月・五惑星。 これらのほかに出現時期が一定ではないものがあります。それを客星と呼んでおりました。 今でいえば星が爆発する超新星や、大気の発光現象などが含まれるようです。
●三台星
 三台星は「三能(さんだい)」又は「天柱」と呼ばれることもあり。 地上の三公を表しているといわれておりました。

 三公とは常設の役職としては一番位の高いもので前漢では「丞相(大司徒)・ 太尉(大司馬・陸軍大臣)・御士大夫(大司空・丞相の輔佐)」で、 後漢では「司徒・司馬・司空」の3つの役職の総称です。 諸葛亮は丞相ですので三公の筆頭となります。

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三台は左図の通り、北斗七星のあるおおぐま座の足を結んだものです。

晋書天文史によれば 上台は司令であり寿命を管轄し、中台は司中であり宗廟を管轄し、 下台は司録であり軍隊を管轄するとあります。

 また三台は陰陽を調和させ万物を秩序付ける。 君臣の間が安らかな時には、これらの星は掟に従う。 異変があるときは、その人にあたる星により占う。と書かれています。
三台  三台の距星(主星)は上台(ιUMa)・中台(λUMa)・下台(νUMa)で、  三台は天の階段でもあり、 「上の上は天子、今1つが女王」「中の上は三公や諸侯、今1つが卿や大夫」 「下の上は士で、今1つが庶民」となっておりますので、恐らくは中台(λUMa)の近くに 客星が現れたのでしょう。

でもこの辺りに目立つ超新星の残骸らしきものは無いんですよね。一応16等星まで 見ましたけど銀河ばっか(^^;)



北斗に祈る
●ぎ・ぎ・魏延
丁度その頃

●姜維君「諸葛先生。では、延命の儀式をすれば良いのではないですか」
■諸葛君「その法は知っておったが、わが身に施すとは思いよらなかった。」
●姜維君「早速はじめましょう」
■諸葛君「それでは七七で四十九本のロウソクを用意せよ。北斗に延命を請う儀式を始める。 七日間の祈祷の後、主灯が消える事が無かったならば、わが寿命は7年延びるであろう。 姜維、誰も近づけるではないぞ」
●姜維君「はは、おまかせください」

◆兵士君「ワ〜〜ワ〜〜。魏の軍勢が夜襲をかけてきました」
▲魏延君「うむ。こんな時に・・・今、丞相殿の指図をあおいでくる、しばし防いでおれ」

▲魏延君「ドタドタっ。丞相殿、敵が攻めてまいり・・・
・・・・お〜、お〜、お〜、おっとっとドテ!。あ!消えちゃった(^^;)」

■諸葛君「・・・・(--;)」


注1)三国志演義 下・立間洋介訳・平凡社より引用

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