ギリシア文字
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大文字小文字ギリシア読み英語読みラテン文字
Ααアルプアルファ(alpha)A
Ββベータビータ(beta)B
Γγガンマガンマ(gamma)C,G
Δδデルタデルタ(delta)D
Εεエ・プシーロンエプサイラン(epsilon)E
大文字小文字ギリシア読み英語読みラテン文字
Ζζゼータジータ(zata)Z
Ηηエータイータ(eta)H
Θθテータシータ(theta)-
Ιιイオータアイオタ(iota)I
Κκカッパカッパ(kappa)K
大文字小文字ギリシア読み英語読みラテン文字
Λλラムダラムダ(lambda)L
Μμミューミュー(mu)M
Ννニューニュー(nu)N
Ξξクシークサイ・ザイ(xi)-
Οοオ・ミークロンオマイクロン(omicron)O
大文字小文字ギリシア読み英語読みラテン文字
Ππピーパイ(pi)P,Q
Ρρローロー(rho)R
Σσシーグマシグマ(sigma)S
Ττタウタウ(tau)T
Υυユ・プシーロンユープサイラン(upsilon)V,Y
大文字小文字ギリシア読み英語読みラテン文字
Φφプヒーファイ(phi)-
Χχキーカイ(chi)X
Ψψプシープサイ(psi)-
Ωωオー・メガオミガ(omega)-
●アルファベットの歴史
 アルファベットの起源をたどりますと、一番、むかしむかしのご先祖様の文字は 「フェニキア文字」に行き着きます。 フェニキア文字は「海洋民族フェニキア人」が発明し文字で、子音だけを表す表音文字でありました。 必ず母音を伴う言語であったので、わざわざ母音を書く必要がなかったのです。

 ギリシアでは、このフェニキア文字を少し改良して「線A文字」を作りましたが、 どうも上手くいかないので「線B文字」というものに更に改良しました。 小さな子供の落書きみたいな字です(^^;)

 それでも使いにくくて、またまた改良します。そのときにギリシアでは必要がなかった「A,E,H,I,O,Y」を母音として使うようになり、 その他の文字も改良したり、作り出したりして出来上がったのが、上記のギリシア文字です。
 アファベットという言葉の語源は最初の二文字「αβ(アルファ・ベータ)」です。

●ラテン文字
 ローマ帝国を作ったラテン人は初めは文字を持っていませんでした。そして、このギリシア文字を改良して作ったのが、 現在使われているアルファベット(ラテン語ではエレメンタと言います)です。英語で使うアルファベットにはまだ不足している 文字があります(例えばルーン文字から作られたものなどが後に加わります)。また、最初は大文字だけで、 小文字は中世になって作られましたとさ。めでたし、めでたし。
●星の番号
 星の名前は概ね明るい星から「α星」「β星」・・・と名前がつけられています。 中には明るさの順ではなくて、並んでいる順番に従っているものもあります。 バイエルという人がそうしたので「バイエル名」と言います。

 それでは星の数にとても足りないので、フラムスチードという人が 星座ごとに、赤経順に星に1から番号を振ったフラムスチード番号もあります。 現在では「バイエル名」が付されていない星だけフラムスチード番号が使われます。

Lyr

 日本語での星の表記は「こと座α星」とします。国際的な星の表記は星座の略号を使い 「α Lyr」と 表記されます。また、フラムスチード番号は3番です。正式に記載する場合には星座名はラテン語(こと座は[Lyra])なので、 「こと座」という所属を表す「属格」と呼ばれる もので表記されます「α Lyrae

 それとは別に、昔から名前の付いた星もあります。それを「固有名」と言います。 これはギリシア語だったり、アラビア語だったり、 色々な起源があります。「αLyr」は「ベガ星」といます。織り姫さんの星ですね。


参考文献

  1. 天文年鑑編集委員会編『天文年鑑1999版』誠文堂新社、1998。
  2. 逸身喜一郎『ラテン語のはなし : 通読できるラテン語文法 』大修館書店、2000。
  3. 大西英文『はじめてのラテン語』講談社現代新書、1997。
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