てんびん座
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天秤座星図
学名Libla
略号Lib
20時の南中月日7月上旬
星座設定者プトレマイオス


ギリシア神話
●アストライアー
 てんびん座の天秤は正義の女神アストライアーの持っている天秤です。 アストライアーはおとめ座であるとも言われ、「右手に持つ羽のペン」と 「人間の心臓」とをこの秤にかけて、善人・悪人の判決を下したともいわれます。

 アストライアーのアストロ(astr)は星の意味でアストロノミイ(天文学)などと 言葉の関連がありまして。(ラ)イアー(ea)女性語尾で乙女を意味しますので、 星乙女と訳せます。


ギリシア神話
●黄金の時代
 カオス(混沌)から宇宙が生じて、神々が生まれました。その後人間が発生しました。

 黄金の時代と呼ばれる頃は、神々と人間と区別はあまりありませんでした。 しかし人間は不死ではありませんでした。 人間は病気や苦しみを知らずとても幸福に暮らし、 大地の限りない恵みで食べ物は自由に手に入り、長い間若い姿のまま神々と同じように 暮らしておりましたが、長い長い時が経(た)って、年をとってみんな死に絶えてしまいました。

●銀の時代
 次に銀の時代が訪れ人間が発生しましたが、神々を敬(うやま)う事をせず、 尊大(そんだい)でありましたので、人間は汗を流して働いて、自分で作物を作らなければ ならなくなりました。

 神々は嫌気が差し一人、また一人と地上を去り天上界へ行ってしまいましたが、 アストライアーは地上に残り、人間に正義を教えておりました。

●青銅の時代
 やがて青銅の時代になり、人間は生まれつき狂暴で戦争ばかりして暮らしておりました。 このような人間でもまだ神々と人間とのハッキリとした区分はなかったのです。

 神として最後まで地上に踏みとどまっていたアストライアーですが、 人間がどんどん堕落していくのに嫌気が差して、 ついに妹のアイドス(慈悲の女神)と伴に、人間を見限り天上界へ行ってしまいました。

 そこでゼウスは神々と人間とをハッキリと区別させようと考えたのです。

●鉄の時代
 ゼウスは人間からなんでも何時でも食べられるほどの大地の恵みを無くして、 人間が苦労して耕さなければ何も実らないようにし、人間から「火」を取り上げてしまいました。

 ゼウスの意思に逆らい人間に再び火を与えたプロメテウスのお話に続くのではありますが、 てんびん座のお話とはずれてしまいますので、 わし座のお話しに譲る事と致します。


昔はさそり座
●はさみ
 てんびん座は昔々は「さそり座」の一部で、はさみの部分でありました。 その後、「はさみ」になったり「てんびん」になったりしましたが、結局は「てんびん」で 落ち着いたようです。

 確かにじ〜と見るとでっかいはさみですね(^^;

●秋分点
 なぜさそり座から独立したかは、紀元前ではてんびん座に赤道と黄道が交わる秋分点があり、 昼と夜の長さが同じになったので、 季節を計る目安として「てんびん」が独立して置かれたのではないかと言われております。


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