●ゲーム機の種類3 携帯できるゲーム機

皆さんはインベーダーゲームが流行った時代をご存知ですか?
画面上部から徐々に迫ってくるインベーダーを
撃って撃って撃ちまくるシューティングゲームです。
本当は『スペースインベーダー』という名前なんですが、
今から20年くらい前、ものすごくはやって
ゲームセンターやゲームができる喫茶店で
小銭片手に順番待ちをする人があとを絶ちませんでした。
うまい人は少ないお金で何ステージも楽しめるし、
周りをギャラリーが取り囲んで気持ちが良かったことでしょう。

しかし! 
あんまりうまくない人だって
あんまり小銭を持っていない人だって存分にゲームを楽しみたい。
いや!
うまい人だって、
たまには家でゆっくりとゲームを楽しみたいに違いない。
という声があがったかわかりませんが、
とにかく、ゲームセンターのゲームがめちゃくちゃ盛り上がった頃に
家にあるテレビを使って遊ぶテレビゲームが発売されました。
その筆頭に上がるマシンは
年に発売された『ファミコン』=『ファミリーコンピュータ』です。
ソフトはゲームセンターにあったゲームやパソコンゲームの移植、
そしてオリジナルといろいろでしたが、とにかくこのマシンは売れました。
テレビゲーム機はここからスーパーファミコン、PCエンジン、メガドライブ…と
より高性能なマシンが複数の会社から発売されることになります。
こうなると家でコンピュータゲームをするのは、
ちっともめずらしいものではなくなってゆきます。

一方、家でいつでも遊べるようになると
今度は外でもゲームで遊びたいという気持ちも芽生えます。
テレビを使わない小さなゲーム機はいろいろありましたが、
ファミコンのようにカートリッジの交換でたくさんのソフトが遊べる
『ゲームボーイ』が89年に発売されました。
テレビを使わない代わりに本体にあるディスプレイはとても小さくて、
モノクロで、ちらついて見にくかったのですが、
『テトリス』をきっかけにしてソフトもハードも爆発的ヒットとなりました。
上から落ちてくるブロックを操作して、できるだけきれいに積み込んでゆく
とてもシンプルなルールのパズルゲームが、
自分の部屋でも、台所でも、学校でも、会社でも、駅でも
好きなだけ遊べるんです。
ひたすら撃ちまくったインベーダーゲームのように、
落ちてくるブロックの整理をいつまでも、いつまでも
続けていた記憶のある人、多いんじゃないでしょうか?
また、最近のゲームボーイ用ソフトといえば、超ロングランヒットを続けている
『ポケモン』=『ポケットモンスター』があります。
仕事や勉強や遊びで忙しい現代人にとっては
家のテレビを使うゲーム機よりも、ちょっと空いた時間に楽しめる
携帯できるゲーム機の方がライフスタイルに密着しているかもしれません。

こうして家庭用ゲーム機は、
主にテレビを使って遊ぶ室内用のゲーム機と、
携帯できる野外用のゲーム機に分かれ
別々に発展してゆきました。
けれど、最近は家を出ることのなかったテレビゲーム機が
少しずつ外に飛び出し始めています。

まずはプレイステーションやドリームキャストの
ポケットステーション、ヴィジュアルメモリ。
本体からゲームのデータやセーブデータを読み込んで
携帯して遊ぶことができる周辺機器が追って発売されました。
携帯機で遊んだ結果を本体で確認したり、利用したり、
逆に本体の本編とは別のおまけ的なミニゲームを
携帯機で遊んだりすることができます。
ヒットしたゲームといえば、
年に発売されたポケットステーション対応の
『どこでもいっしょ』というソフトが浮かびます。
タイトルはご存知ないかもしれませんが、
CMにも登場しているので、
おそらくキャラを見ると「!」となる人が多いと思います。
またNINTENDO64の場合は、ゲームボーイ用のソフトと連動した
ソフトが発売されています。
例えば64の『ポケットスタジアム』は
ゲームボーイの『ポケットモンスター』のゲームデータを利用します。

携帯機を利用して
野外を出歩くことも始めたテレビゲーム機ですが、
今度はマシン本体も
必要に応じてテレビから解放されるタイプが現われました。

『PSone』に触れたことはありますか?
プレイステーション用ソフトが遊べるマシンで、
プレステと同じようにコントローラを接続して
コンセントから電源をとって遊びますが、
本体がプレステの3分の1程度とコンパクトで
ディスプレイがついていることで、
「持ち運ぶこと」を強く意識したつくりになっています。
来年発売予定の『ニンテンドーゲームキューブ』も
形が小さく本体に取っ手がついています。
本体にディスプレイがつくわけではないようですが、
テレビに接続しなくとも、遊べる機能を秘めています。

どちらも本体は小さめではありますが、
本体にすべての機能を凝縮した「携帯ゲーム機」ではありません。
けれど高性能な代わりに持ち運びが困難だったテレビゲーム機が、
携帯できる代わりに能力がやや劣る携帯機と手を組みつつ
自身が「携帯もできるゲーム機」に生まれ変わろうとしています。
                 (2000。8.28)

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