茅ヶ崎交響楽団第44回定期演奏会

指揮 山上 純司

2005年9月11日(日)
13:30開場、14:00開演
茅ヶ崎市民文化会館大ホール
主催:茅ヶ崎交響楽団、(財)茅ヶ崎市文化振興財団
入場料1000円、全自由席、母子室あり、当日券あり

イベール 「モーツァルトへのオマージュ」
モーツァルト 交響曲第31番「パリ」
チャイコフスキー 交響曲第5番
(アンコール)ヘンデル リナルド組曲より「サラバンド」

 久しぶりにモーツァルトの作品を演奏しました。また、チャイコフスキーの交響曲第5番は1990年の第11回定期演奏会以来15年ぶりの再演です。
 イベールの「モーツァルトへのオマージュ」は、モーツァルト生誕200年を記念して作曲された愉しくおしゃれな曲で、モーツァルト・ファンなら思わずにんまりとしてしまいます。モーツァルトの「パリ」は、モーツァルトがパリを訪れたときに大編成(当時)のオーケストラと(ドイツやオーストリアの田舎に比べて先進国で、すでに芸術や文化の世界的な中心地となっていた)パリの華やかさに触発されて作曲したと言われる作品で、クラリネットを用いた明るく楽しい曲です。

プログラムより

イベール 「モーツァルトへのオマージュ」 (約5分)

モーツァルト 交響曲第31番「パリ」(合計約17分)

第1楽章 Allegro assai   (約7分)
第2楽章 Andante   (約6分)
第3楽章 Allegro  (約4分)

  〜〜 休憩 〜〜

チャイコフスキー 交響曲第5番   (合計約45分)

第1楽章 Andante-Allegro con anima     (約15分)
第2楽章 Andante cantabile, con alcuna licenza (約13分)
第3楽章 Valse:Allegro moderato (約 5分)
第4楽章 Finale:Andante maestoso-Allegro vivace(約12分)

<指揮>山上 純司  junji YAMAGAMI

 1960年水戸市生まれ。東京芸術大学音楽学部指揮科卒業、同大学院音楽研究科指揮専攻前期修士課程修了。指揮を汐澤安彦、遠藤雅古、渡邉曉雄、ビクター・フェルドブリル各氏のもとで学ぶ。大学院2年次より作陽音楽大学に勤務、オーケストラ、吹奏楽および指揮法を担当。1994年3月まで専任講師、助教授を務めた。  1990年より2年間北西ドイツ音楽アカデミー・デトモルト音楽大学に留学。カール・ハインツ・ブレメケ教授、ペーター・ヤコビー教授らのクラスで、主にオペラの指揮を学ぶ。また、モーシェ・アツモン、ガリー・ベルティーニ、ミヒャエル・ギーレン、ミクローシュ・エルディリー各氏からも指導を受ける。留学中よりルーマニア国立オラディアフィルハーモニー交響楽団、チェコの西ボヘミア交響楽団、ポーランドのフィルハーモニア・ズデッカなどの定期演奏会に出演。また、ドイツではオッフェンバックのオペレッタ「CROQUEFER」の公演を指揮した。日本ではこれまでに群馬交響楽団を始め、ニューフィル千葉、神奈川フィル、名古屋フィル、大阪フィル、オーケストラアンサンブル金沢、岡山フィル、広島交響楽団、札幌交響楽団などを指揮している。オペラの分野では、「ラ・ボエーム」、「蝶々夫人」、「椿姫」、「カルメン」、「こうもり」、「フィガロの結婚」、「コシ・ファン・テゥッテ」等を指揮している。2003年1月、ハイドンの「無人島」で新国立劇場初登場。  茅ヶ崎交響楽団では、1985年の第3回定期演奏会より永年にわたり、ご指導いただいている。

演奏曲目について

イベール(1890-1962)「モーツァルトへのオマージュ」

 この作品は1956年のモーツァルト生誕200年に際し、フランス放送音楽振興局より委嘱されて作られた。知的なユーモアがあふれ、リズミカルで溌剌とした楽しい曲。冒頭は軽やか、しばらくしてフルートの爽やかなメロディ、このあとオーボエ、ファゴットなどもチャーミング。ホルンも柔らかい響きで金管アンサンブルは派手ではないけど煌いている。抑揚を持たせた楽しい曲想が続くのはやはりモーツァルトだ。

モーツァルト(1756-91) 交響曲第31番「パリ」K.297

 パリの大きなオーケストラでの演奏のために、初めてクラリネットを含む完全な2管編成の大規模な曲になった。当時のパリは、マンハイムやウイーン、ザルツブルグなどの町とは較べものにならない大都市だ。すでに芸術や文化の世界的な中心となっていたパリの華やかさに触発されて作曲したと言われる。
 第1楽章はユニゾンで主和音を4回繰り返したあと音階を駆け上がる輝かしいテーマで始まる。就職活動中だったというモーツァルトは、パリの聴衆の受けを狙ったところで、期待通り喝采を受けたと言ったそうだが、それがどこかは分かっていない。
 第2楽章は、依頼人の要望で書き換えたバージョンがあるが、今回は現在ポピュラーになっている初演バージョンで演奏する。
 第3楽章の冒頭ではヴァイオリンの演奏で8小節テーマを奏でたあと、突然フォルテになる。パリでの1778年の初演の時にはここで拍手が湧き起こったという。

チャイコフスキー(1840-93) 交響曲第5番ホ短調op.64

 1888年にロシアのペテルブルグで作曲者自身による指揮で初演。チャイコフスキーには不本意な部分があったようだが、聴衆からは高い評価を受ける。以降、ロシア音楽だけでなくクラシック音楽を代表する名曲として世界中で愛されている。その理由は、美しいメロディーとドラマチックな展開、全てがめでたく終わるような結末の分かりやすさにあるのではないだろうか。本日は奇しくも2001年にアメリカで同時多発テロがあった「9.11」。まだ世界の混乱や不安、苦悩は解決しそうにない。私たちに何ができるか分からないが、運命に翻弄されるような第1楽章から圧倒的な生命力を誇示する第4楽章までのこの曲を聴いて、少しでも勇気を貰いたい。  
第1楽章:2本のクラリネットによる葛藤と苦悩に覆われたような重いメロディで始まる。このメロディは「運命のテーマ」と呼ばれ、第4楽章までの各楽章で「運命」が変遷するかのようにる。ドラマを見るように曲が進み、強大な運命の波は、聴く者を翻弄するかのように、たたみ込むようなアッチェルランドで怒涛のように押し寄せる。
 第2楽章:癒し系の楽章。低弦による憂愁をおびているが底力のある和音に乗って、晴れ間のようにホルンで奏でられるメロディには憧れと懐かしさを感じる。そのメロディはチェロ等によって何度か明るく繰り返され、それに乗った希望の光のようなオーボエの対旋律がまた美しい。「運命のテーマ」が2度、夢幻の世界を打ち破るように激しく金管楽器によって登場する。最後は夢から覚めるのが惜しいかのように静かに消えて終わる。
 第3楽章:チャイコフスキーがバレエ音楽で生み出した多くのワルツのように優雅で艶やかな楽章。ワルツの美しい旋律がヴァイオリンから木管楽器に受け継がれていく。軽快な中間部が現われ、一段落してまたワルツが再現される。最後の部分でクラリネットとファゴットにより現実に引きもどすかのように「運命のテーマ」が入り込もうとするが、それを振り払うように終わる。
 第4楽章:「運命のテーマ」が控えめだが荘厳に演奏され、感動的に始まる。しかし、まだ葛藤が残っているような雰囲気のなかで、コントラバスとティンパニの大きなクレッシェンドとともに強烈なメロディが表れ、曲は激しく荒れ狂う。そして、運命の脅威に打ち勝ったかのようなティンパニの大音響のトレモロのあとにフェルマータ(小休止)が表れる。そこからは、生命力に満ちた力強いマーチのように明るく前向きな音楽になる。不安も後悔もしりぞけ、勝利を表すように「運命のテーマ」が力強く演奏される。そして金管楽器の歓喜に導かれ大団円のうちに終わる。
 ご満足いただければ「ブラボー」で応えて下さい。


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