私の愛機

Shin Anamitsu


2007年2月2日

2004年に販売された、ニコンのフラッグシップ機6代目です。
開発コンセプトは、 『 切れ味の良い、最上質感 』

F5の開発テーマが『 8コマ連写 』。
それもダイナミックAFで、ちょっとヌケてもそのまま追従するような、『 インテリジェンスのある高速対応 』。
従ってF5は、高速駆動に対 応したバッテリーをボディに内蔵した、ものすごい馬力を持ったスーパーマシーンを作ったのに対し、
デジタルが急激に進んで、報道など高速連写が必要なユーザーが、デジタルに移っていったこともあり、
一枚一枚じっくり写真を撮る、ネイチャー系とか、そういうユーザーを対象に、本当に実用的なカメラを作ろうということになったそうです。
また、開発には、カタログスペックでは表せない、『 作動音・質感・キレ味 』を、徹底的に追及したそうです。

上部下部カバー及び前部ボディにマグネシューム合金を、
厳密な平滑性が求められるフィルムガードレールを有する後部ボディーは、アルミニューム合金を採用。
求められる資質に応じて吟味された適材適所のメタルボディーが、高次元の軽さと強さを両立。

デザインは、ジュージアローが担当し、F6の、最大の特徴でもある、バッテリーパックを別体とし、コンパクトなボディーを実現。
液晶画面とコマンドダイヤルという操作方法は、F5から引き継がれましたが、各所にF5で不便であった部分が、改善されています。
その他、11点のフォーカスエリアを持つ、最新最速AFシステム。
1005分割RGBセンサーを使った、最新の3D−RGBマルチパターン測光。
耐久力に優れた精密シャッターユニット。
シャッターを切る毎に自己診断し、狂いが発生した場合自動補正を行う、シャッターモニター機構。
シャッターレリーズ時の振動を抑制し、静寂性の向上を実現させた、ミラーバランサーの搭載。
更にミラーの作動スピードを高め、消像時間を極力短縮させ、8コマ/秒の高速連続撮影時のAF制御に貢献。
各部の防滴性を、徹底配慮した設計。などが上げられます。

尚、連射速度は、バッテリーパックを取り外した、6V仕様で、5.5コマ/秒。
バッテリーパックを取付けた12V仕様の状態で、8コマ/秒となります。
勿論、全ての絞りに対応していますので、最大絞りでもこの速度です。

また、F一桁機種としては初めて、ファインダーが固定式となりました。

Nikon F5 が主力(メイン・サブ)であった私にとって、Nikon F6 の導入はかなり遅れましたが、
コンタックス645システムを手放した際、ようやく手に入れる事が出来ました。

このカメラを一言で言いますと、『 軽やかで静か 』です。
操作方法は、F5とほとんど変わりませんが、さすがに進化した6番目のフラッグシップ機は、随所で改善され、非常に使いやすいです。
Nikon F5 でも書きましたが、素晴らしい=気持ち良いです。
ボディーを持った時の心地良い重さと、ホールド感。
ファインダーを覗き、シャッターボタンを半押しにして、AFがピントを合わせ、シャッターボタンを押してシャッターを切ると、瞬時にフィルムが巻き上げられる。
この一連の動作が、バッテリーパックを装着した時には、Nikon F5 と同じくらい気持ち良く、しかも、Nikon F5 よりかなり静かです。
使っていますと、さすがにAFも早く、AFポイントも増え、縦位置でもフォーカス選択ボタンによりフォーカスポイントの変更が出来、非常に便利です。
また、ファインダーが改善されました。
メインの Nikon F5 には、Uファインダーを、装着して使っています。
純正BファインダーからUファインダーに交換したら、劇的にファインダー像が変化する、Nikon F5 ですが、
Nikon F6 の場合は、Uファインダーを入れても、純正ファインダーと、その違いがはっきりと判らないほどです。

バッテリーパックを外し、コンパクト仕様にした場合、少し非力な感じがしますので、私の場合、基本はバッテリーパックを装着した状態で使っています。
しかし、気分を変えたい場合などは、バッテリーパックを外してコンパクト仕様で持ち出すことが出来るのは、良い事だと思います。
しかし、一体型ではない為、バッテリーパックを装着すると、F5よりかなり背が高くなるのが、唯一の不満点です。
この辺を考えますと、非常に Nikon F5 は優れたデザインのカメラである事が、改めて感じられます。
最前線のプロを対象とした、最後のフラッグシップ機、言葉では表せないですが、現在でも、このカメラには『 機能美 』を感じます。
以前、F5をエアガンに例え、シューティング競技でチャンピオンを狙う為に、チューナップしたハンドガンのようなカメラと表現しましたが、
このF6は、更に各部をチューナップした、究極のシューティング競技用ハンドガンのようなカメラですねぇ。