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8月6日
テヘラン

一番右は割り込むのが普通らしい

朝食

ちょっと眠かったけど、 8:00くらいに起きて朝食を食べた。 疲れていて寝ていたい人は食べなくてもよい予定になっていて、 食べる時間も7:00-10:00の間で、各自の自由だった。
朝食はビュッフェスタイルで、この後の全ての朝食はこのスタイル。 食事に関しては朝食が一番幸せかも知れない。。。
「メルスィー」程度のペルシャ語を使ってみるが、反応は会釈程度。 こんなもんなのかなぁ。

部屋から外の景色を撮影してみるが、 視線入力が意外とこちらの意志と連動しない。 ピントを合わせるときには、とりあえず半押しして、 カメラがピントを合わせるのを待ちながら、 画面の構図を確認するために、 知らぬ間に結構隅っこを見ているらしい。 すると、今までと違って視線入力を使っていると、 カメラは「ああこっちの方にピントを合わせたいんですね」 なーんて勝手なことを思ってそこにピントを合わせようとする。

慣れればよいのだろうけど、 撮影者の変更もちょっと面倒なので、 結局これ以降視線入力を使うことはなかった。 3点測距の状態でEOS10と全く同じなので、やはり使いやすい。


どこの滑り台にも乗り物が乗っている

ラーレ公園

ホテル周辺の散策開始

13:00の昼食時間までは自由時間なので、さっそく周囲の散策開始!

ホテルの前で走る車や町並みの写真を撮る。 車に乗っている人達がみんなこちらの見ている。 「もしかしたら勝手に人々を撮影すると怒られるのだろうか」 などと、今から思うとまったく余計な心配をしてしまった。

歩道を歩いていくと、すれ違った人がこちらをじっと見て、 なぜか敬礼のような仕草をする。 その後これがイランの人の挨拶ジェスチャーであることを知るが、 「軍隊関係者でもないのに、なんか変な人かな」と思って無視してしまった。 多くのイラン人と同じ、 普通のいい人だったのに悪いことをしたものだ。

おじさんと子供達

偶然ラーレ公園に到着

ちょっと歩くと公園があった。 自分たちのホテルの周囲の状況もろくに確認せずに散策を始めたので、 公園の名前を知るわけもなかったが、後で調べてラーレ公園であることが分かった。 全く適当に歩き始めたのに、 こんないいところにたどり着けたのだから本当にラッキー。 「アフリカの様に公園が危険なところかも知れない」 などとちょっと構えたりしたけど、全然大丈夫。 それどころか、 イラン人にとって公園がどれほど憩いの場であるかをこんなに早く知れて、 本当によかった。

右の写真のように、おじさん達が子供と遊んでいる姿をときどき見かける。 別に日本でもそれほど珍しい光景でない気もするけど、 やっぱりちょっと違和感が、、、

おじさんはみんな仲良し / 新聞紙を敷くきれい好き
 

水を愛するイラン人

親しげなイラン人

フェンスで囲まれたエリアでサッカーをしている少年達がいる。 周りを見渡すとフェンスがあろうとなかろうと、 そこらじゅうでミニサッカー (小さいゴールにを使って、それほど強く蹴らずにやるゲーム) をやっている。噂通りサッカーが一番盛んなスポーツみたい。

ミニサッカーのそばを歩いていると、 あちこちから「Welcome to Iran!」 という叫び声が飛んでくる。 その中の一人がこちらに寄ってきて、 「(英)写真撮ってほしかったら言ってね」。 さすがに一眼レフを渡すほど信用はできなかったので頼まなかったけど、 みんななんかいい人みたい。

声をかけてきた彼に 「(英)今日は金曜日だけど、イランでは金曜日は働かないんだよね?」 と聞いてみた。 質問の主語を「You」にしたので、 「僕は働いていないよ。学生だから」 という答えが返ってきた。 やっぱり英語圏の人ではないのかも。

「イランでは金曜日は休日だよね?」 ともう一度「You」ではなくて「People」を使って聞き直すと、 「そうだよ」とのこと。 「日食を見にイランに来たんだけど、 テヘラン、シラーズ、イスファハンに行く予定だよ」 などという話をした。 なんてことはない会話だけど、 ミニサッカーをやっていた他のメンバーまでも、 サッカーをやめて私たちのやりとりをにこにこして見ている。

お互い仲良しのイラン人

小川に足をつけて語らう男の人達がたくさんいる。 いい年のむさ苦しい感じのおじさんが体をよせあって井戸端会議のように話をしている姿には、 不思議な感じがした。 日本ではまったく見かけない光景だ。家族連れも小川に足をつけている。 こちらでは、水が大切なものなのだろう。 どこの施設に行っても「たっぷりの水が溢れる」 というタイプの池が用意されていることを見ても、 どれほどイラン人が水を愛しているかは想像にかたくない。

彼らはきれい好きでもあるようで、 小川沿いに座るにしてもベンチに座るにしても、 上の写真のようにきちんと新聞紙を敷いて座っている人が多い。

それにしてもどこを歩いてもじろじろ見られる。 外国人が公園に来ることが珍しいのだろうか。 (その後どこに言っても日本人は注目の的であることを思い知るが、 この時点では知る由もなかった。。。)

体操をしている人もいる。今考えてもズールハーネのものとは違う感じ。
サッカー少年にペルシャ語で話しかけられて、さっぱり分からないが、 「中田」と言ったらしかったことだけは分かった。

おじさんお薦め撮影ポイント
公園の整備をしているらしいおじさんが、 ペルシャ語で話しかけながらジェスチャーをしている。 どうやら 「ここから撮影したら、いい写真が撮れる」ということらしかった。 もしかしたらイラン人って親切かも。

公園周辺の散策

公園を出て道沿いに歩いていくとなんか博物館がある。 どうやら絨毯博物館の入口らしかった。 通りがかりの車のフロントガラス清掃アルバイトをしている子供が、 「写真を撮るよ」というような仕草 (言葉はペルシャ語なので不明)をしている。 遠慮すると彼は博物館入口の噴水に顔を浸けはじめた。 いつもこうやって遊んでいるようだ。

交差点のそばに果物屋さんを見つけた。 ペルシャの数字はまだよく読めないけど、 とてもUS$1に達しないのは間違いなさそうなので、 ホテルで両替しないことには始まらなそう。

松下の看板 / 街角の果物屋(スイカたくさん)
 

お店での安い買い物ができなさそうなので、 ホテルでUS$10換金。79,800Rls(リアル)になった。 一般的にUS$1=8,000Rlsらしい。 「歩き方」に書いてあるよりもだいぶ高い。 噂通りインフレ、じゃなくてデフレだなこれは、うーむ。
「歩き方」に書いてあるようなUS$1,000以上イランに持ち込むと換金レートが変わる、 というようなことは今はないようだ。 入国時にも特にUS$1,000以上にこだわるような対応は見られなかった。


昼食

朝食の時に何人かのメンバーには会ったけど、 13:00に久しぶりに全員集合。 ビュッフェスタイルだけど、飲み物が無料で飲める。 ノンアルコールビールかコーラが選べるけれど、 多くの人たちはビールにしていた。
日本ではときどき怪訝な顔をされる 「食事中のコーラ」(これも考えてみれば理不尽な話だ) もこの国では当たり前のことなのでとてもよい。

ビュッフェの中にアイスクリームがあって、 食べてみたけど適度な甘さ。 欧米の歯が溶けるような甘さはない。 そもそもあの感覚が変なのだ。

現地ガイドに町中での服装を確認すると、男の人はTシャツはいいけど、 短パンは一般的に不可とのこと。 「歩き方」では不可と書かれていた「靴下は履かないでサンダルを履く」 のは別に構わないそうだ。 実際イラン人の服装を見ているとこのルールに従っている。


公園横のソフトクリーム屋

ラーレ公園再び

市内観光までの時間は各自休むなりして、自由とういことになったので、 再び散策へ出発!

テヘラン大学ナマーズ中

同じ公園に行くのもなんなので、 今度は「歩き方」の地図を参照して、テヘラン大学に向かった。 大学のそばの道路にはなぜかロープが適当に張られていたが、 中ではロープをくぐって入った女の人が、 神社の入口にあるお清めの場所のようなところで、 柄杓のような物で水をすくっている。 大学構内に一般人が入れるものと疑っていなかったので、 周囲の気配を感じながらもロープをくぐってみた。

そうすると、何人かが突然我々の方にきて大学に入るのを阻止しようとした。 どうも意味がよくわからない。両耳の横で手のひらを広げて 「ナマーズ、ナマーズ」というので、 真似をして両手を耳に当て「ナマーズ?」 といったら、「うん、うん」とうなずき「ナマーズ」。 こちらは全然意味がわかっていなかったのだが、 通じたと思ったようだ。

あまりにも話が通じないので 「(英)英語は話せるのか?」と一人が聞いてきた。 「話せるから説明してよ」 と言うと誰かを呼んできた。 質問した彼は「英語は話せるのか?」 程度しか英語が話せないらしいのに、 わざわざ英語が話せる人を呼んできてくれたらしい。

後で知ったことだけど、 毎週金曜日はテヘラン大学の構内とその周辺の道路でお祈りがささげられる。 そのためにムスリムでない人間はその道路にさえ立ち入ってはいけない。 しかし、そんなことはその時点では想像もしていなかったので、 英語の話せる彼の説明もいまいちよく分からない。

テヘラン大学と言えば、ごく最近に暴動が起こった場所。 その時には海外渡航危険情報でもイランが登場したほどの出来事だったから、 「きっとこれは暴動の影響が残っているのかも」 などと滅茶苦茶な想像をして、 「危険なの?」と質問してみた。 彼の答えは「危険ではない(当然だ)けど、ラーレ公園の方がベター。 このそばを歩きたいなら同行してあげるから大丈夫」。
分からないながらもそこまで大学に執着があるわけではなかったので、 「じゃぁ公園に行くから大丈夫だよ」と言って別れた。 今から思うとやっぱり親切な連中だ。

ラーレ公園

ラーレ公園に再び入って、ベンチに腰掛けてみた。 こうしてると次々とイラン人に声をかけられる。 まず日本で働いていたイラン人。 日本で働いたことのあるイラン人は当然たくさんいるので、 今働いている本人(一時帰国)、働いていた本人、 家族が働いていた、知人が働いていた、 など日本を身近に感じない人は少ないくらい。

彼は多くの日本で働いたことのあるイラン人と同じように、 日本語ペラペラだけど、英語はほとんど話せない。
彼のの日本語はとても数年しかいなかったとは思えないほどうまくて、 こちらが理解するのに困ることはない。 ただこちらの日本語が全部分かるわけではないので、 英語で言い直してみるともっと分からなそうな顔をする。 結局やさしい日本語をこちらが考えることになる。

テヘラン以外にもシラーズとイスファハンに行くという話をすると、 「この季節はそっちの方は暑い。北の方の水辺がすごくいい」 とのこと。 これと同様のことをいろんなイラン人に言われた。 「どんなイラン人と話をしても『イスファハンに是非行きなさい』 と言われる」という話だったのに、ちょっと違う。
彼の奥さんも一緒に散歩していて 「サラーム」と挨拶してみたが、 ニコッと笑うだけだった。

別のイラン人が英語で話しかけてくる。 アメリカに行っていたことがあるらしい。 なんてことはない会話をするが、 知らぬ間にイラン人10人くらいに取り囲まれてしまった。 彼らは特にお互いが知り合いというわけではないようだ。
一人は日本で働いていた兄弟にもらった日本円硬貨を見せてくれた。 もらったのは分かるけど、なんでいつも持ち歩いてるんだろう。 彼の宝物になっているようだった。

別の一人はアメリカに行っていた彼に通訳を頼んで、 「日本人はもうイラン人が日本に働きに来なくてもいい、 と思ってるんじゃないか」 とかなり答えに詰まる質問をしてきた。 イラン人の親切さが徐々に分かってきていたので、 現在の日本でのイラン人に対する感情を伝えるのは気がひけてしまい、 無難な返答をしてしまった。

集合時間も近づいてきたので歩き始めると、 パキスタンに留学していたイラン人に英語で話しかけられた。 「英語を完璧に話せるか?」と聞いてくるので 「ちょっとだけなら話せるよ」と聞くと、 「私は完璧に話せる」とのこと。
技術の話などにもなったので、 珍しく自分の仕事の話などもしてしまった。

イランの数字

イランでの数字はペルシャ語(アラビア語)の数字が使われている。 アラビア語の数字が欧米や日本のアラビア数字でないのだからややこしい。 基本的にここでの数字がヨーロッパに渡った際に、 間違いやすい物を変形したそうで、 それが日本に伝わったらしい。
「歩き方」などにも載っているので、覚えればすぐに分かるようになる。 こちらの書く数字も理解できるようだが、 せっかくだからペルシャ語数字を使ってみましょう。

ナンバープレートはペルシャ語数字

最初から足だけの像

サアダーバード宮殿

建物の中に入ったのは「緑の宮殿」だけ。 軍事博物館に入るようなことが申し込み時のパンフレットの予定表には書かれていて、ちょっと期待してたけど、 次のチャーイハーネの予定が悪くないと思っていたので問題なし。
ただ申し込み時のパンフレットの予定表ではなくて、 出発直前に配られた全部の行き先が書いてない予定表が行動のベースになっているのは、 ちょっと不安。

緑の宮殿

緑の宮殿の内部は写真撮影禁止。 しかし、この撮影禁止が残念なくらいに内部はすごくコテコテで素晴らしい。 装飾を施されたガラスを部屋の内側全面に張り付けたり、 正直ちょっとひいてしまうようなものもあるが、 「贅沢の極み」を目指した人々が目に浮かぶ。

メンバーの一人が現地の女の人の撮影をしている。 彼も言っているように「嫌がっている風だが、本音は写真を撮ってほしい」 という雰囲気に見える。 握手をしようとしたら断られたらしいけど、 やはり女性は握手をしないのだろう。
ただし「歩き方」とかにも書いてあるように、 年輩のイラン人女性は撮られるのを嫌がる人が多いようだ。

男性も多くは写真に撮られることを喜んでいる。 カメラを向けるとなぜか動きを止めてくれて、 どうやらこちらの撮影に協力してくれているらしい。
ただ写真に慣れていないのか、 誰でも写真に撮られる表情はすごく硬い。 「ベーハーン」(笑う)を多用していい表情を撮りましょう。

イランの山

イランの山並みが見える。 テヘランの町中には水がたくさんある (だから栄えたのだろう) けど、山は殺風景そのもの。 イランに標高5670mもの山(デマバンド)があることは全く知らなかった。 テヘランの水はこの山々から流れているらしい。
安く簡単に登れる5000m峰として、アルパインツアーやアトラストレックでツアーが企画されていることも、 イランから帰ってずいぶん経ってから知った。

イラン中で食卓に並んでいるミネラルウォーターは、 この山並みの中にあるイラン最高峰の山の名前がついており、 この山の標高2,000mくらいで取っている。

緑の宮殿
サアダーバード宮殿

「パーレビ国王」 / イランの山
 

 


なぜかポーズをとるおじさん

お店のお面

チャーイハーネ

ハイキング用のリフト乗り場の近くでバスを降りて、 しばらく坂を登った。 なんてことはない散歩だけど、 メンバーの中にはしんどく感じている人もいたりして、 チャーイハーネについたときには 「お疲れさまでした」と添乗員が声をかけていた。 体力自慢の人達ぞろいだったアフリカ旅行の時とはえらい違いだ。

チャーイが配られ、のんびり飲み始めると、 ツアーメンバーの自己紹介が始まった。 正直ツアーに参加して一番面倒なことかもしれない。
日食のツアーに初めて参加する人はとても少ない。 その後のスカイウォッチャーを見ると、 初めての人や家族で参加する人はヨーロッパ方面に多かったらしく、 イラン方面は気合いの入った単身者が多かったようだ。

水たばこが配られる。 煙草は吸わないけど試しに吸ってみると、 ほとんど味がしない。 誰が吸っても味がしないのでよくよく見てみると、 炭の火が消えていた。 もう一度ちゃんとついているので吸ってみたら、 確かに味がした。 でもむせるほどのことはなく、香りがきついだけで煙草という感じはない。
炭の火が消えないようにと、 各自が持ってきた扇子で扇いだりしてみたが、 灰が散乱してとんでもないことになってしまった。。。

現地ガイド、ハッサニとの会話

チャーイハーネからバスに歩いて戻る間に、 現地日本語ガイドのハッサニと話をした。
テヘラン大学での「ナマーズ」 はお祈りのことだった。 つまり危険でもなんでもなくて、 毎週金曜日はお祈りの時間だからムスリムでないと大学構内 (構内に入りきれないらしく、その付近の通りも) には入ってはいけないらしい。

山のことも聞いたら、 彼は日本人の登山ツアーの通訳をやったことがあるらしい。 イランで一番高い5600m以上の山で山小屋もないらしい。 「普段登山してないんだったら高山病もでるし、 つらかったんじゃないの?」 と聞いたら、 「一回目は途中でギブアップしたけど、二回目はなんとか登った。 夏に登れば頂上付近は雪があるけど、 夏山の装備(アイゼンなどは不要)で登れる」とのこと。 「またイランに来れるか全く分からないけど、 今度イランに来たら登ってみたいから案内してよ」 と言っておいた。

山肌には植物は全く生えていなくて、 岩がむき出しになっている。 ハッサニにロッククライミングのことを聞いてみたが、 そのようなスポーツの存在は知らない、とのこと。 登ったら楽しそうな岩の壁なんだけどなぁ。。。

通りがかりの女の子 / 近くの山 / 水タバコ
  


生演奏レストラン

夕食はイラン音楽の生演奏があるレストラン。 いよいよシシカバブの始まり。 これと同じ食事が延々と続いていくとはこの時点では想像もしなかった。 アイスクリームはちょっと強い花の香り。 これが、バラ水入りアイスなのだろうか。

店の中央に小さな舞台があるが、 この舞台の周りにもちゃんと池が設置されている。 ほんとに水は贅沢の象徴、と言った感じだ。

2階にあがる階段の途中から店内を撮影していると、 下の方で子供達がこっちを見て笑っている。 そっちにカメラを向けたら大喜び。 ストロボに気づいた周りの大人達も笑って許してくれる。

その後もその子供達がそばを通るたびに手を振ってくれて、 写真も照れながらも喜んで撮らせてくれた。 最後に帰るときも大きく手を振ってくれて、 なんかほんとにうれしい。

夕食は20:15-23:00。 この国ではこれくらいの時間に活動することは珍しくない。

 

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