1はホプキンスが3ランホームランを打った場面と優勝した瞬間の実況放送を収録したもの。しかし、迂闊にもカープが初優勝した日が10月15日ということを知らなかった。カープ・ファンとして恥ずかしい。胴揚げ投手(この頃投手も胴揚げされていたのだろうか?)は金城。今考えるとアンダー・スローの抑え投手というのは珍しい。

 2での古葉監督のコメントは相変わらずで、感情を表に出さず、喜びを噛み締めている感じがでてます。この日、先発だった外木場(そとこば)投手は「何もいうことはない、、」。ジーンときます。この日の勝利で20勝に届いたそうです。山本浩二は泣きながら「もうねー、みんなでやったゆうだけ」。真面目な人柄が顕われています。

 3そんなカープ選手に対しスタンドのファンは「勝ってカープの緒を締める」と脱力感100%の声。しかし、地元、流川のおばちゃんは「神社で今日の優勝を祈願して、1000円さい銭箱に入れました」とのこと。こんなドラマもこの日にはあったのだ。

 4の応援歌は「それ行けカープ(若き鯉たち)」が有名なので陰に隠れがちだが、晴れた日のデー・ゲームの球場で聴くと、とくに応援する気力が湧いてくる、高揚感溢れる名曲。個人的にはこの応援歌が一番好き。「ぼくのわたしのひろしまカープ」と歌う箇所が有るが、実際にカープは市民球団であるから、真実であり歯の浮いたような言葉に聞こえないのがウレシイ。

 5では球団創設から優勝の前年までを中国新聞の津田一男氏がRCCアナウンサー 上野隆紘氏と対談形式で振り返っている(ハイライトの箇所では実況放送も収録)。昭和28年の後援会の募金によって金山次郎(引退した後の地元RCCでの彼の野球解説は何処までもカープ寄りだった)、小鶴誠などの選手を獲得した、という下りは全く驚き。平成10年に球団存続をスポンサーに訴えた横浜フリューゲルスのファンもようやるわと思ったが、40年以上前にファンが募金で選手を獲得していたとは。昭和32年にはナイター設備が整ったらしいが、ナイター開きの日の試合では、1対15で大敗(先発長谷川良平)。外木場投手は3回のノー・ヒット・ノー・ランを達成しているが1回目(昭和40年)はプロ入り初勝利の時(対阪神、その瞬間の実況放送も入っている)。2回目(昭和43年)は完全試合でこの時のインタビューも収録されている。「(今年はとれそうなタイトルの)最低防御率を狙っていって、その結果が完全試合につながった、、、自分がタイトルとれなくても安仁屋に、、、」、あくまで実直な言葉が並ぶ。などなど。初優勝までの道のりを飽きさせることなく聞かせる。

 6はカープ応援歌では最も有名と思われる曲。初優勝した頃は幼稚園児だった私も歌っていた。



SIDE B

1 ルーツ監督になっての初めてのシーズンであるが、始めのキャンプのときと思われるSEが、いかにも栄光への始まりの雰囲気を醸し出している。しかし、ノックの音とかを収録したレコードなんて他にもあるのだろうか? 次に開幕戦の実況が収録されているが、この開幕戦では外木場投手が先発し、通算100勝目をあげたそうだ。

2 で、いきなり15試合目のルーツ退団劇となるわけですけど、そのきっかけとなった退場させられた実況が収録されている。因に退場を宣告したのはタケモト塁審。そして、古葉監督の就任会見が収録されていて「迷ったけど、誰かがやらなければならない、、、ルーツ監督の積極的な姿勢を受け継いで、、、」などと語っている。初采配の試合の勝利の瞬間の実況も収録されている。

3 ここでは山本浩二、衣笠両選手の2打席連続ホームランの瞬間の実況が収録。しかし、これはカープファンにとってはたまらない試合だっただろう。残念ながらリアルタイムでは体験していません。

4 しばらく広島を離れていると、子供達の広島弁丸出しは、チトませて聞こえる。

5 この曲は広島のローカルテレビ局のカープ応援番組のオープニングに使われていた(今でも使われているか否かは未確認)、ごきげんな(死語?)ロックン・ロール・ナンバー。

6 当時の応援の様子している。応援の鳴りものは笛、太鼓、鐘で、リズムは三三七拍子に乗せて、「ホプキンス」とか「浩二」などと皆で大声を出し選手を応援している。しまいには「わっしょい、わっしょい」。しかし、二またに割れたメガホンなどはともかく、トランペットなどホーンも無いのは再発見でした。その後、一世を風靡したコンバット・マーチはこの時にはまだ生まれていないようです。

7 レギュラー・メンバーの解説と活躍した時の実況中継が収録されている。大下、三村、ホプキンス、山本浩二、衣笠、シェーン、山本一、園田、久保、外木場、池谷、佐伯、宮本、渡辺、金城など。ホプキンスが13号満塁ホームランを打った試合でのヒーロー・インタビューでは彼の肉声も聴くことができる。シェーンがスイッチ・ヒッターであることを初めて知ったが、確かにこの人がバッター・ボックスに立った姿を思い出すと右、左どちらにもいたような気がする。笑えるのが外木場の対巨人戦の完封試合の実況で最後のバッター、高田を迎えた時に、スタンドからの野次で「高田歩かせて、王さんと勝負しろ」。それに呼応してかアナウンサーも「巨人ファンの興味は王に繋げることに移ってきました」などと言っている。

8 そして、このレコード最大の聞き物と言える選手自ら歌う「カープ数え唄」。しかし、クレジットに有る「コーラス 広島東洋カープ私設応援団有志」とは一体何者なのか。作曲不詳というのも、、、。音頭ものといえるのでしょうが、この辺の音楽には疎いので正式なジャンルは分かりません。「○つとせーー」と○の中に打順の数字を入れてその打順の人が歌い始め、自らをほめ讃える様な内容の歌詞をうった後でコーラスの人達と共に「それはごうかいだねえ」みたいな言葉で締めくくる、という内容の唄ががクレジットされている人数分、途中楽器のソロ演奏等も無く延々と続く内容。あっ、クレジットされているコーチたちの唄は収録されていない。カットされたのか? ホプキンスは英語の歌詞で歌っているが、シェーンは日本語の歌詞を歌っている。衣笠は意外と声が細く、外木場はこういった曲にはまっている。一番うまいと思ったのは金城投手。で、最後に古葉監督ですが声のキーの低さを再認識させられる歌声です。

9 最後に甲子園で聴かれる高校野球の校歌みたいな、グリー・クラブが歌いそうなマーチの曲で締めくくられる。

 今聴くといろいろな発見や忘れていたことを思い出させてくれてとても面白い。優勝したら、このようなアルバムを毎回出してほしいものです。

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