やらなくてもいいこと

僕はここ数年、割と熱心に文章を書き続けているわけだが、僕にとって文章を書くことというのは「やらなくても全然構わないこと」である。やらなくてもいいことを熱心にやっている場合、それをやる理由は「やりたいから」ということ以外にない。そして、何かをやりたいのは、それが面白いことだからである。

何においても「面白さ」はとても大切だと思う。僕はかなりグータラ(死語?)な人間だが、面白いことなら手間も暇も体力も惜しくない。というか、何かに熱中すると、いつの間にか時間や労力を費やしてしまっている。そして、面白くて熱中するようなことは常に「やらなくてもいいこと」なのである。

「やらなくていい」というからには、「やるべきこと」があるはずだ。「やるべきこと」というのは予め決められたことだから、そこには自分に関する発見がない。自分に関する発見がないことは面白くない。だから、「やるべきこと」は面白くないのであり、面白いのは「やらなくていいこと」なのだ。

「やらなくていいこと」をやるのは自分の意志である。自分の意志でやるから面白いのだとも言える。では自分の意志とは何かというと、自分に関して何かを発見しようとする態度である。なぜそんなことをするというと、面白そうだからだ。