横浜会場 1998/7/24〜25


デジタルカメラで撮影していないため、スキャナー取り込みとなり、
あまり、時間がないので、実施が大幅におくれています。
何とか秋までには、やりたいが・・・
ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る


7/24のプログラム

《実技》守る会連盟の子ども達と
     動きを通して子ども達に喜びを

横浜国立大学非常勤講師
JAME専門指導員 飯村敦子ほか

「動きの起こりうるような環境」をどのように提供するか?
 ムーブメント教育における指導者の役割は、伝統的な意味で教えるのでも、単に自由な遊びを監督するのでもなく、動きの起こりうるような環境を提供するということにあります。そして、楽しいムーブメントの中で、子どもがその環境をどのように使うのかを援助します。これにより、子どもは環境を克服し、適応しながら発達の新しい流れを作っていくのです。

〜今日のムーブメントのねらい〜
◎子ども達が思い思いに好きな遊具を使用して、身体活動を十分に楽しむ。
◎感覚運動ムーブメントを通して、粗大運動・微細運動に関わる基本的な動きを育てる。
◎知覚運動ムーブメントを通して、初歩的な視覚-運動、聴覚-運動連合能力を育てる。
◎集団での活動を通して、社会性を拡げる。

〜ムーブメントのプラン〜
フリームーブメント:子どもは、自分の好きな遊具を使用し、自由に活動する中で、身体活動を十分に楽しみ、雰囲気に慣れる。
内容:多様なムーブメント遊具を使用して、動きの動機づけを図る。
ユランコ・スクーターボード・トランポリン・フープ・ ハットフリスビー・手足型ピッタンコ・ムーブメントリボンなど

配慮点:子どもの自発的な動きや活動を大切にしながら、新しい動きを引き出すように援助する。

課題ムーブメント:当日参加した子どもの人数や実態を考慮しながら、集団で活動できる課題を設定する。

内容:
@集まりと呼名…課題ムーブメントへの導入
A感覚運動・知覚運動ムーブメント
  (ロープやフープ、楽器などを用いたムーブメントを予定しています)
Bパラシュートムーブメント

配慮点:集団での活動の中で、一人ひとりの子どもを大切にしながら、子どもの実態に応じて、柔軟な活動の流れを作る。

*受講者の皆様もフリームーブメントを中心に、可能な範囲で子ども達にかかわって頂きますようお願いいたします。また、当日参加する子ども達の人数や状態により、使用する遊具や活動の流れに変更があるかもしれません。

ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る


ムーブメント教育・療育の理論
−なぜ必要か。いかに教育(支援)するか−

横浜国立大学教授・JAME顧問 小林芳文 

 発達教育や療育を必要としている子どもや大人にとって、ムーブメント教育や療育は、楽しみながら環境への適応を実際的な活動で行っていくと言う意味で、これまでの訓練型や指導者(教師)や療育者中心の方法とa@近年、ムーブメント法の考えが障害児(者)の教育や療育に浸透して、遊びに発達的・療育的解釈が出来るようになった。つまり、ムーブメント教育の考えを使うことで、遊びの範囲では考えられなかった環境設定や療育の方法が生まれた。また、ムーブメント教育で何が出来るのかが解ったことで、学習や援助の枠組みに幅を広げられるようになった。

1.今、教育に必要とされているキーワード
  ・人間尊重
  ・教育尊重
  ・発達考慮

2.ムーブメント教育は障害児教育に利益を与えた
  ・一人ひとりを大切にする
  ・活動を通した教育
  ・喜びや自発性を育てる

3.ムーブメント教育の役割(なぜこの教育を使うのか)
 (1)障害の重度・重複化の中の教育として
  ・重度重複教育の中に感覚運動教育の構造化が求められている。
   MEPA-Uによる感覚運動プログラム、ムーブメント療法
  ・伝統的な訓練に対して、見直しがされてきている。
 ・特に、QOLのために

 (2)交流教育・統合保育の推進の手段として
  ・通常の場での教育(保育)のあり方
  ・具体的な交流(統合)の手段としてムーブメント教育が使える。

 (3)学習障害児、情緒障害児、遅れのある子どもの通級指導の教育として
  ・LDの特徴である中枢神経系の機能障害の対応や知覚障害を乗り越えていくために全身でのムーブメントでの優しい感覚運動が役立つ。
  ・情緒障害は、自分にチャンスが与えられ、楽しい活動で情緒が安定するムーブメント活動が必要である。
  ・遅れは言葉の発達に現れる。言葉の教室では、ムーブメント教育でその土台作りのために生きた言葉を支える。

 (4)早期教育(早期療育)と家庭療育の活動として
  ・障害発見の早い時期に、訓練だけでなく発達教育としてのムーブメント教育を取り入れる。
  ・ホームベースドプログラム、療育を家庭に根付かせる。

 (5)後期中等教育の充実のために
  ・従来の障害児教育で欠けていた余暇教育の道が開ける。

 (6)体育をもっと面白く、そして好きにするために
  ・決まりきった運動の限界をムーブメント教育で発展的に
  ・硬い運動器具から優しいムーブメント遊具の組み合わせで体育を面白くする。

 (7)高齢者の軽運動に、そしてリフレッシュプログラムに活用する。
  ・歯を食いしばってやることは嫌い。楽しく健康を作る。

ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る


ムーブメント教育の進め方
−MEPAの活用を中心に−

横浜国立大学非常勤講師 飯村敦子 

 より適切なムーブメント教育プログラムを展開するために、子ども発達のレベルを的確に把握することが必要です。子どもの発達をトータルに捉えるために開発された教育的診断法に、MEPA(Movement Education Program Assessment)があります。MEPAを用いて、運動発達を軸に、言語や社会性を含む、心理的な諸機能を評価することにより、楽しいムーブメント教育プログラムの展開が可能となります。

(1)MEPAの目的
一人ひとりを大切にするために発達の育ちをアセスメントする。すなわち、子どもの全面的な発達についての実態把握、および、指導指針を得ることがMEPAの目的である。

(2)MEPAの特色
運動発達を知るための単なる発達診断ではなく、アセスメントの結果を手がかりにして、ムーブメント教育を展開するための指導プログラムの構成を意図したものである。子どもの「からだ・あたま・こころ」について、その全面的な発達を評価することができる。

(3) MEPAの構成と内容
 MEPAは、運動・感覚、言語、社会性(情緒を含む)の3分野で構成されている。さらに、運動・感覚分野は、姿勢・移動・技巧領域、言語分野は、受容言語・表出言語領域に分けられているので、その全体的な構成は、3分野6領域である。

MEPAの構成と内容

│ 分  野 │ 領 域   │ 内    容                   │
│感覚・   │ 姿 勢   │ 反射を含む主に静的なもの          │
│ 運動   │ 移 動   │ 物を媒介としない主に動的なもの       │
│       │ 技 巧   │ 物を媒介とする主に動的なもの        │
│言 語   │ 受容言語 │ 語彙、関係用語、比較用語、指示の理解等│
│      │ 表出言語 │ 語彙、関係用語、比較用語の表出等    │
│社会性  │ 対人関係 │ 主に対人的な反応や対人関係       │

(4) MEPAにおけるステージ
 MEPAにおけるステージは、子どもの暦年齢の生後0カ月〜72カ月の範囲で、運動発達を軸に系列化した7ステージより成っている。

 第1ステージ( 0カ月〜 6カ月):原始反射支配ステージ
 第2ステージ( 7カ月〜12カ月):前歩行ステージ
 第3ステージ(13カ月〜18カ月):歩行確立ステージ
 第4ステージ(19カ月〜36カ月):粗大運動確立ステージ
 第5ステージ(37カ月〜48カ月):調整運動ステージ
 第6ステージ(49カ月〜60カ月):知覚−運動ステージ
 第7ステージ(61カ月〜72カ月):複合応用運動ステージ

(5) MEPAのつけ方
 チェックの方法:反応があれば(+)、なければ(−)を記入する。
対象児の生活年齢、(障害を持つ子どもの場合は、可能であると思われる項目の多いステージ)からチェックを始め、次のステージへ進む。できない項目が多ければ、その下のステージを評価する。目安としては、重点的に評価するステージとその上下3ステージを評価する。

−MEPAの評定結果の整理と活用−
(1) プロフィール表の作成
 MEPAの各項目について評定表に記入したものをプロフィール表に転記し、対象児の全体的な発達の様相をとらえる。評定の結果を容易に把握し、各分野や領域の総合的な発達を検討し、指導の手がかりや問題点を発見するためにプロフィール表を活用する。

(2) クロスインデックス表への記載
クロスインデックス表の@〜C(身体意識T、身体意識U、筋・持久力、調整力)の項目をチェックすることで、各々の到達度を知ることができる。

(3) プロフィール表の活用と指導プログラムの作成
 プロフィール表のタイプとプログラムづくりのポイント
  ◎Aタイプ:全体的に第3ステージ(18ヶ月)以下
*感覚運動プログラム *身体意識(身体像プログラム)
  ◎Bタイプ:ほぼ第4ステージ(36ヶ月)に位置
    *知覚運動(視・聴・触)プログラム *身体意識(身体図式)プログラム
  ◎Cタイプ:感覚運動領域が低く、社会性領域が高い
    *グループによる粗大運動プログラム *動きの動機づけを図る
  ◎Dタイプ:感覚運動領域が高く、社会性領域が低い
    *知覚運動レベルを軸にコミュニケーションスキルを高めるプログラム
  ◎Eタイプ:全体的に第7ステージ(61ヶ月)に位置
    *創造的運動プログラム

(4)まとめ
 MEPAのねらいは、子どもの諸機能の発達特性の把握と、適切なムーブメント教育の指導の手がかりを得ることにある。プログラムづくりの基本は、その子どもの得意な分野(領域)や側面を伸ばし、それを生かしながら、弱い面や未発達な部分を援助することである。すなわち、子どもの表情にあらわされる快適さや笑顔、そしてそれらを引き出す活動を足がかりに具体的な援助の内容を考えていくことが大切である。
ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る


即興的な動きを育てる
−音楽ムーブメント−

鳴門教育大学助教授 柳沼麻木 

 音楽ムーブメントは、体育の接近領域でありながら、諸外国で発展してきた創造的方法論であるため、指導者自身が体験し、その面白さを知る機会は少ないと思います。子ども達の求めているものを読み取る感性を磨き、指導者自身が対象や状況に合わせた即興性や創造性を身につけることは、常に求められていると思います。実際、日々の授業やセッションの中で、指導目標や授業案通りに進むことの方が少なく、いかにその日の指導体制や子ども達に合わせて、臨機応変に展開させるかが、貴重な時間の質を左右することになると思われます。
 音楽ムープメントは、子どもの発達の評価を基本に、音楽で動きを引き出してゆくことを目標としています。(1)音楽 (2)遊具は、動きをひろげるために、即興的に合わせて、使用しています。

(1)音楽は、動きと非常に密接な関係にありますが、一方からのアプローチになることが多いと思います。音楽教育の分野から、運動発達や動きの分析をすることは一般的ではありませんでしたが、近年では音楽療法、リトミックなど近接領域を応用し、障害児と関わる指導者が増えてきました。リズムは運動と強く結びついており、動きを抑制したり促進したりすることが出来ます。メロディーは感情表出をより促進し、自己表現、自己発見の手段としての動きを導いてゆきます。

(2)遊具は、自然の素材・楽器・スカーフ・布・ロープ・リボン・ボール・紙・風船など身近なものを使い展開させています。色彩、質感、動きの特性が異なる遊具は、障害が重い子どもであっても動きを広げ、動機づけを促すために効果があります。親、援助者、指導者にとっても繰り返しと忍耐の時間が長いほど、時には芸術的要素を取り入れ、リラクゼーションや自己表現をする時間として大切にされてほしいと思います。

◎身体運動と音楽

◎音楽と動きのコミュニケーション

◎クリエイティブムープメントと即興


7/25のプログラム

《実技》養護学校の中学部・高等部の生徒と共に
養護学校における余暇活動の実際

横浜国立大学附属養護学校教諭 
JAME専門指導員 是枝喜代治ほか

 本校では、課外活動の一環として中学部・高等部の生徒を対象に部活動を実施している。本年度は部活動としてバレーボール部、ジョギング部、太鼓部、つくる部、パソコン部、ムーブメント部の6つの部活動と季節的な部活動として冬季のみの駅伝部の計7つの部活動を開設し、主として水曜日と土曜日の放課後に実施してきた。生徒のほとんどは一つないし二つの部に所属し、それぞれの顧問の教師、父兄も交えながら活動に参加している。ここでは部活動の一つであるムーブメント部の活動を紹介していきたい。

1.フリームーブメント(省略)
・自分で遊具、活動を選択する
・活動のためのウォーミングアップ
・準備運動として

2.基本の動きを育てる
・バランスに関する活動
・筋力、敏捷性に関する活動

3.操作する力を育てる(遊具の利用)
・フープを使った運動
・風船を使った運動

4.ルール性のあるゲームの展開
・余暇活動につなげるための活動

5.パラシュートの運動
・身体をリラックスさせる

ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る


《講演》
Sudden Infant Death Syndrome;SIDS
(乳幼児突然死症候群)について

東京女子医科大学教授
母子総合医療センター新生児部門長 仁志田博司 

1.乳幼児突然死症候群とは
 厚生省班会議の定義によれば、「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予想出来ず、しかも死亡状況および剖検によってもその原因が不詳である乳幼児に、突然の死をもたらした症候群」とされている。それまでの健康状態および既往歴とは、家族のみならず医療専門家からの判断でも、その児が急に死亡するような疾患を有している、あるいは状態ではないということである。解剖によってもその原因が不詳というのは、全く原因がわからない疾患という意味ではなく、突然の死亡を説明するような頭蓋内出血、広範な肺炎・心筋梗塞などの所見が見つからないということである。
 典型的なSIDSは、元気であった赤ちゃんが睡眠時に呼吸が止まり、そのまま眠り続けるがごと<死に至り、母親が側にいても気付かないことがありうる。睡眠時に起こる無呼吸(これは、どの赤ちゃんにもある程度起こる)から、回復する防御機構である覚醒反応が何らかの理由(未熟児、感染、気道の狭窄など)で遅延すると、ますます低酸素となり、ますます呼吸が抑制され、悪循環に陥り死亡すると考えられている。
 また、SIDSとされた事例の中には、事故や代謝性疾患などとの鑑別診断が極めて困難な疾患が含まれている可能性があるところに、本症が正しく理解されない理由がある。しかし、突然死を引き起こすと考えられる疾患が一つ一つ解明され、ようやく、この疾患の姿が明らかとなりつつある。
 近年、医学の進歩および衝生環境の向上に伴い、下痢や肺炎などで乳幼児が死亡することがほとんどなくなり、SIDSは新生時期を除いた乳児の死亡原因の第1位となりつつある。また、保育所などにおける乳幼児の突然死の事例が増加した事から、SIDSに関する社会の関心が高まってきた。
2.SIDSの疫学
 SIDSの大半は出生後6ヶ月までに発生し、4ヶ月がそのピークである。本邦においては2歳までの乳幼児の突然死をSIDSとしており、その発生頻度が国や人種によって異なるのは、人種そのものよりも生活様式を中心とした育児環境の差が大きな形響を及ぼしていることが知られるようになった。
 最近、諸外国ではうつ伏せ寝を止めるキャンペーンによって、SIDSの発生頻度が減少した事が報告されている。しかし、うつ伏せ寝が窒息と繋がり、窒息がSIDSであるとするのは間違いである。うつ伏せ寝の児になぜSIDSが多いのかは未だ不明であるが、よ<眠る、顔が見えない、気道の狭窄が起こりやすいなどが挙げられているが、近年、うつ伏せ寝は覚醒反応がより遅くなる可能性が示された。
 1997年より日本SIDS家族の会は、一人でも赤ちゃんの命が救われるようにとの願いを込めて、@仰向け寝で育てよう A妊娠中および赤ちゃんの周囲でタバコをやめようB母乳で育てよう C暖めすぎに気を付けよう D長い間、赤ちゃんを一人にしない、の5項目のSIDSを減らす為のキャンペーンを開始している。諸外国同様の効果が期待されている。

3.SIDSが起こった場合の反応
 @出来る限り解剖による原因の究明を行う:解剖によってその死因を説明出来る疾患があるかないかを証明することは極めて重要であり、特に裁判になりうる事例においては不可避である。
 A発生の現場の状況を詳しく観察し記載する:SIDSは乳児虐待などの犯罪や事故との鑑別が重要であり、児がどのような環境におかれていたかは極めて重要な情報となる。
 B家族にSIDSは事故ではなく疾患であることを理解させる。
 C家族、特に母親に罪の意識を持たせないように対応する。
 D次の子供に対する不安を解消:SIDSそのものは遺伝性のものではなく、育児環境さえ適切であれば、次の子供と同じようなSIDSが発生する頻度は極めて稀である。また、無呼吸をモニタする機器が手に入るようになり、ホームモニタリングによる予防の可能がある。
 特にBCは重要である.SIDSは、今まで元気であった乳幼児が家庭内で突然死亡するという、家族にとっては極めて精神的なストレスの多い経験である。特に母親は単なる悲しみに加え、罪の意識を持ったり、周囲からいわれのない非難の目を浴びる。それゆえSIDSは事故や過失ではなく疾患であることを、当事者のみならず、周囲にも理解させることが大切である。

4.SIDS家族の会について
 「SIDS家族の会」は1993年2月に発足した、赤ちゃんを亡くした両親を精神的な面から援助する為のボランティア・グループであり、現在、約300の家族が参加している。また、医師や研究者にアドバイザーとして協力を仰いでいる。
 SIDS家族の会は、SIDSで子供を亡くした親自身によって運営されており、以下の事を目標として活動を行っている。
 ●赤ちゃんを亡くした家族への精神的援助
 ●SIDSに関する知識の普及
 ●SIDSに関する研究活動への協力
 会の活動は寄付金で賄われており、会員のボランティア精神によって支えられている。
多くの方々のサポートが望まれている。

SIDSへの不安、予防方法、ホームモニタについての問い合わせ先
(財)母子衛生研究会 TEL:03−3499−3111

ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る


《実践報告》
重度重複障害児のコミュニケーション指導(実技を含む)

富山県立高志養護学校教諭 阿部美穂子 

1.事例紹介(VTRによる)

2.重度重複障害児に対するコミュニケーション指導の必要性

3.コミュニケーションの要素
 (1)文脈 ・・・ どんな場面で、どんな状況で、誰に対して
 (2)機能 ・・・ 何のために、どんな目的で(応答、要求、選択、等)
 (3)方法 ・・・ どんなやり方で
               (発声、視線、表情、身ぶり、カード、ことば、等)
 (4)内容 ・・・ 例「おなかがすいた。」

4.ムーブメント教育による、重度重複障害児のコミュニケーション指導
                     (特に、自発的な要求を育てるために)
 (1)ムーブメント教育の有効性
    A:重度重複障害児に分かりやすく、楽しめる、感覚運動刺激を主体とした活動を展開できる。
    B:「人」が必然的にかかわる状況を作ることができる。
                → 人に対する要求に結びつきやすい。

 (2)活動を組み立てるに当たって
   Aについて
    ・感覚運動刺激(ゆれ)を中心におく。
       子供が、好む(喜ぶ、楽しめる)刺激の種類、強さ
       子供がコミュニケーションを取りやすい姿勢
   Bについて
    ・「人」が関わる必然性を組み込む。   
       関わり→感覚運動刺激→関わり→感覚運動刺激の短いサイクルを作って繰り返す。
                ↓ 
       感覚運動刺激が人によってもたらされていることがはっきり分かる。
            活動に見通しを持てる。
                ↓
             要求状況が生まれる。

   そして…
    ・子供がサインを出せる文脈を作る。
     どのタイミングでサインを出せば、相手を動かすことができるのか、子供自身がつかみやすい状況を作る。
     活動の流れの中に、子供の行動を組み込んで、展開していく。
     例: 揺らす → 止める → 手をあげる(子供)→ 手を取り、揺らす
ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る


《実技》受講者と共に

楽しい動きづくりのヒント

神奈川県立第二教育センター研修指導主事 安藤正紀 

1.今日のプログラムのヒント
(1)見て、聴いて、感じて
   (視覚、聴覚、触覚に視点をあてた少し難しいプログラム)

(2)グループでの問題解決的プログラム

2.走行ムーブメントの活動と達成課題

生演奏に合わせて体育館を周回走しながら、いろいろな動作、姿勢維持、変換、簡単な遊具操作を行う。

(1)基本的な動きや運動機能を育てる

@基本的な動き 走る、歩く、まわる、揺れる・立つ、座る等の動き
A粗大な動き
  繊細な動き
つまさき歩き、かかと歩き等の微細な調整を必要とする動き
B姿勢・動作の変化
(敏捷性)
(バランス)
基本的な姿勢、動きをいろいろに組み合わせ、すばやくそして複雑に変化させる
C簡単な操作 簡単な遊具を使って動(フープ、棒、風船、ボール、ビーンズバック、ハットフリスビー、クニャクニャスティックなど)

(2)身体意識を育てる

@身体部位の意識 、肩、お腹、膝、足首、つま先、かかと等の意識
A身体図式
(身体両側性機能)
(ラテラリティ)
(方向性)
(正中線交叉能力)
人にぶつからないで動く、くぐったり、転がったり、回ったり、両上下肢の複合運動、上下・左右・前後に動く、正中線交叉運動など

(3)時間や空間の意識、知覚機能を育てる

@空間の概念 広い・狭い空間、高い・低い空間の意識
A時間の概念 速い、遅い、静止の動き
B模倣力 いろいろな姿勢・動作の模倣
C視覚と聴覚と動きの連合 合図、ことば、音楽、デモンストレーション等により自分の動きを変化させる

(4)言葉を育てる、社会性を育てる、創造性を育てる。

@感情を豊かにする 動きの言葉、ようすの言葉を理解する
Aイメージする
B記憶する
C考える
D判断する
E行動の切り換え 変化のある繰り返し
F社会性 ペアー、グループでの動き
G創造する 個人パフォーマンス


ページトップ セミナー案内
HPトップに戻る