金沢会場での内容紹介
 1998/8/8〜1998/8/9

発達を援助する保育・教育の基礎講座
 だいたいの写真は、クリックすると拡大されます。

8月8日 8月9日
<施設見学> 泉の台幼稚舎
<公開保育> 泉の台幼稚舎
<実践報告> 新保 裕子
<実践事例と実技>
1乳児保育に生かすムーブメント   立石 寿子
2幼児保育に生かすムーブメント   吉田久美子
3障害児保育に生かすムーブメント  橋詰たまよ
<公開保育を受けて>
『環境からの問いかけを考える』      小林 芳文
<実践報告>
『統合保育に取り組んで』        今井 瑩徳
<講演>
『医療からムーブメント教育に期待するもの』  仁志田博司
<理論と実技>
 『ムーブメント教育を保育にどう生かすか』  小林 芳文
<実践報告>
『中・軽度養護学校での取り組み(実技を含む)』  近江ひと美
<実技> 受講生と共に
 『ミュージックムーブメントの使い方』  飯村 敦子
講師控え室で 仁志田先生(左)と小林先生(右)
石川県女性センター会場

地域福祉センター「たけのこの家」(福井県) 
(心身障害児のムーブメント教室を行っている)
を援助するボランティアさんの手作りの品物を販売

石川県女性センター
8月8日

地方紙にムーブメントセミナーの記事が載りました

会場:泉の台幼稚舎施設見学 (保育園です)

全景です 入り口 保育室

金沢駅から自動車で15分程度のところにありました。
入り口を入ると、ソファーもあり、お迎えのお母さんがゆっくりできそうです。

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《公開保育》

5歳児;絵本"11ぴきのねこ"から (スト−リームーブメント)
泉の台幼稚舎5歳児担任 山本佳代

 5歳児は、半年後に就学を控え、ムーブメント教育の達成課題である心理的諸機能が、著しく形成される重要時期でもあります。
 言語能力、創造的運動、連合能力、社会性能力等様々な機能や、思いやり等、高次な認知能力を子ども達の大好きなムーブメントプログラムで楽しみながら育てたいと思います。残り少なくなった共有時間を大切に、「やろう」という意欲や「やった」という達成感を充分に感じ、私も子ども達と一緒に、保母としての幸福感を味わいたいと思います。

11ぴきのねこ"からストーリームーブメント
ねらい  連合能力、創造性、高次の認知諸機能を高めながら心理的諸機能を養う

 @ストーリームーブメントを楽しむための雰囲気作りをする

 A川を渡る方法を考えながら
           創造性を高める
           身体意識能力を高める等

 B山の木の実を集める楽しさを味わいながら
               視知覚連合能力を高める
               身体意識能力を高める
               バランス感覚を高める

 C森のきのこを集める楽しさを味わいながら
               視知覚連合能力を高める
               身体意識能力を高める
               バランス感覚を高める

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《実践報告》
新時代の保育のあり方とムーブメント教育
−人間尊重の教育との出会い−
   

泉の台幼稚舎 遊戯室にて

泉の台幼稚舎園長・JAME専門指導員 新保裕子

 児童福祉法が改正され、保育のニーズも多様化する中、保育園は今日本の子育て支援の核として、熱い期待が寄せられています。泉の台幼稚舎では、その期待に添うべく科学性と理論に基づいたムーブメント教育の導入により、新時代にふさわしい保育園作りの確かな第一歩を踏み出しています。
 毎日の保育に様々な形で、ムーブメント教育が取り入れられていますが、乳児保育、統合保育、子育て相談等の特別保育事業にも、発達の道すじをしっかり押さえた、暖かくきめ細やかな対応は、大変喜ばれています。
 何より「人間尊重」を重視したムーブメント教育こそ、子どもの健全な心身の発達は勿論、職員の専門性と人間性をも育み、その結果、保護者の信頼もさらに深まって、「心の育ち」が問われる現代に最も求められる教育として実証されつつあります。
 ムーブメント教育に出会え、職員一同心を一つにして楽しい保育園作りを展開する事ができ、究極は幸福感の達成という実感が少しずつ沸き上がって来ています。

1.乳児保育とムーブメント教育
 0歳児時代の感覚運動が脳を育てます
 暖かい人間の手や心でさわったり、触れたりが暖かい人柄を育てます

2.幼児保育とムーブメント教育
 知覚運動や精神運動が、頭(考えること)、体(動くこと)、心(信じること)を育て、創造性や社会性、高次な認知能力を高めます
3.縦割りムーブメント教育
 現代社会で失われつつある異年齢児とのかかわりで、心身の発達に刺激を与え、人間関係を育てます

4.行事保育とムーブメント教育
 週一回の基本ムーブメントから、個人の発達を把握し様々な体験を通して、意欲や達成感を育てます

5.生活習慣とムーブメント教育
 食事、排泄、着脱等日常生活の自立にもムーブメント教育の理論を踏まえれば楽しく効果が上がります

6.統合保育とムーブメント教育
 人間尊重の教育は、すべての子ども達のあるがままの個性を丸ごと受け入れ、それぞれの心身発達に応じた楽しい保育園生活を展開します

7.子育てセンター「ぴ〜ちゃんのおうち」
   地域の子育て相談事業、子育て支援に、家庭で育つ子ども達のためのムーブメント教育を啓蒙しています

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《公開保育を受けて》環境からの問いかけを考える
−ムーブメント教育を通して−

横浜国立大学教授・JAME顧問 小林芳文 

 ムーブメント教育は、今教育や保育の世界で新しい発達教育として注目されている。それは、遊びの要素を持った動的環境を取り込んだ活動で、子どもの自発性と
創造性が尊重される教育の特徴から来ている。
 ここでは、「動きのある教育」としてのムーブメント教育での環境づくりについて考えてみよう。

1.今、保育と教育に必要とされているキーワード
  @人間尊重
   子どもの個性と幸福を支援する
  A教育環境
   動的環境、魅力ある環境を取り込む
  B発達考慮
   発達の広がりと流れを考慮する

2.障害を持つ子どもに教えられて
  @たとえ脳に障害があろうとも
   子ども達は成長・発達する
  A保育や教育の力で
   生き生きとした目の輝きが支えられる
  B訓練という言葉を見直したい
   きつい訓練でなくても子どもは変わる

3.ムーブメント活動の動的環境の持つ教育力・治療力
  @師としての環境
   環境は、子どもの自然の師匠である
  A環境との対話
   ひとは積極的な行動により環境と調和することを学ぶ
  B優れた学習法則
   楽しく、かつ気持ちをほぐす学習は成果が最大である
  C実験的遊び
   子どもはいろいろな遊びの中で学習していく

4.優れた環境を用意し、それを上手に使うために
 @ムーブメント環境について
   (発達の力は環境自体の中にある)
   ・快い揺れの環境−前庭感覚
   ・手を出したくなる環境−触覚、環境へのタッチ
   ・関わりたくなる環境−人と人
 A環境を上手に使うために(ムーブメント教育の課題を軸に)
   ○動きづくり ○発達作り
     移動機能     身体意識
     姿勢機能     知覚機能
      操作性機能     情緒・社会性
5.我々はいつも創造的な環境づくりの名人でありたい
  ・遊びに発達教育の理論が結び付けられるように
  ・子どもの活動が生き生きとあるように
  ・決まりきった答えでなく柔軟な問いかけで
  ・保育の環境設定を魅力的に変化を持って

 参考文献;小林他;いきいきムーブメント教育 福村出版 1995年_

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《講演》やさしさの根源−新生児医療とムーブメント教育−

東京女子医科大学教授       
母子総合医療センター新生児部門長 仁志田博司 

 私達の職場である新生児室は、最も弱い赤ちやんがその一生をスタートする場である。新生児医療の基本の一つに挙げられている「Loving tender care」は脆弱な赤ちやんを扱う事に関する技術的な事だけではなく、一生の心の優しさを赤ちゃんに植えつけるためにも大切なKey wordなのである。

1.やさしさとはなんであろうか
 テレビのコマーシャルに、「強くなければ生きていけないが、優しくなければ生きていく価値がない。」という台詞があるが、実は「やさしさ」がなければ人は生きていけないのである。中世ドイツでのおぞましい実験であるが、孤児の一群を保母が優しさをもって養育し、他方の群の孤児は機械的に食事を与えて養育したところ、後者の児はなんと全員死亡すると言う結果になったのである。それは、人間はDNAに書き込まれた本能という情報だけでは生きて行けない生き物であり、他から与えられる愛情や優しさと言う情報が生きていく上に不可欠な事の証明である。「人」という字はふたりが寄り添い支え合っている象形であり、また「人間」とは漢音で「じんかん」と読み、人は他者との共生関係なしには生きられない存在である事を意味する。その、人と人の間「じんかん」を取り持つグルーのようなものが「優しさ」であり、それは人が生きていくための環境である、人の輪としての社会を型造る根元的なものなのである。

2.人はいかにして優しさを学ぶか.
 インドで狼に育てられた双子の兄弟が発見され、その後人間に育てられたが社会垂クに育てられた子供は、母親のみならず他人との交流が出来ず感情のない能面のような表情になる事が知られている(愛情遮断症候群)。これらの事から、社会で生きる上に最も大切な優しさは幼児期に学ぶものであり、しかもその時期は感受性が高い特別な時期(感応期)であり、一生の優しさの形成の土台となる事が知られるようになった。
 人は育まれ優しさを学ぶ。育むとは「羽含む」を語源とし、鳥がひたすら卵を抱き自分の体温で暖める姿である。人類は知性を獲得した代償として未熟性を持って出生するところから、6ヶ月以上の長きに渡って母親の胸に抱かれ、その乳を吸わなければ生きられない哺乳動物である。それは鳥が卵を抱く姿となんら変わらない。そこには子供に対する投資的な打算はなく、只ひたすら体温または母乳と言う愛情(agape)を注ぐのみである。その事によって、子供はこの世の中に絶対的に自分を愛してくれる人がいる事を心の中に焼きつける。それが優しさの根源となる。

3.優しさがなぜ社会を型づくるグルーとなるか。
 この世界はすべて連続である。時間も空間もさらにクオークのレベルまで考えれば物質までも連続である。同様に人間と他の動物のみならずアメーバに至るまで共通の分子生物学的約束事がある。さらにはDNAのレベル間で考えれば生命と物質さえも連続なのである。今話題の脳死は言うに及ばず、臓器死、組織死さらに細胞死まで考えれば、生と死の狭間さえ連続と捕らえる事が出来る。しかし人は、それらを生きる知恵として不運続に捉えている(連続と不連続の考え)。
 人は一人一人全て異なっている。それは遺伝情報であるDNAが異なっている以上にその遺伝情報を賦活する環境が異なっているからである。しかしすべての人は基本的な生命体としての情報は99%以上同じものを有しており、知的障害においても身体的障害においても、どこから正常でどこから異常かを明確に分ける事は出来ない。さらに人の一生を考えれば、弱い赤ちやんとして生まれ、必ず弱い老人になり、またいつ紙一重で障害者になるかもしれない事を考えれば、人は各々異なっているが、自分と他人の連続性を感じざるを得ない。しかし社会の機能を保つためには、ある人は命令し指導する人で、ある人はそれに従う人として、またある人は社会生活をし得ない障害者として、のように人も不連続に捉えなければならない。その時に、我と汝(マルチン ブーバーの言う between man and
man)は人間(じんかん)である事を考えれば、その連続性に気付き、ただ切り捨てるのではなく痛みを感じ、涙して一線を画するであろう。人と人の連続性を知る事が思いやりであり、優しさを生み出す源泉となる。この、ともすれば摩擦が起こり得る人と人の擦れ合いを、クッションのように和らげそして結び付けるグルーが優しさである。

4.道具社会における「やさしさ」とは
 人が道具を使う人間にやさしくあらねばならぬという考えは、機能すればよいというレベルからの進歩ではある。その「やさしさ」は、使いやすい(簡便)の段階を経て、使い手の安全性さらには車の乗り心地のように快適を考慮するようになった。はたして、それが道具や機械を作り出す工学における本当の「やさしさ」であろうか。そういった人間性を考える工学の分野が人間工学であり、今その重要性が認識されるようになってきた。
 「やさしさ」は「優しさ」のレベルに昇華されなければならない。優しさとは単なる心地よさとは異なり、また当然の事ながら便利さとも異なる。実は人類は心地よさと簡便さを追い求める結果、環境汚染を含めた袋小路に入り込んでしまっているのである。また、心地よさを求める人間の欲望が、人類の歴史の争いの大半の源となっている事実も忘れてはいけない。人と物の関係も単に心地よさを求め与える関係から、より広いより長期的視点に立った「優しさ」が肝要となる。文明の名の基にテクノロジーがそれを造り出す人間の予想を起える速度で進歩して行く今、この「優しさ」の持つ意味をもう一度謙虚に考え直す必要があるのではないだろうか。

5.優しさをキーワードとしたムーブメントと新生児医療の接点
 人の優しさは母親から植え付けられ、自分と他のつながりを感じる事によって育まれる。母は愛情というバックボーンで子供を躾ける。この躾けの語源は、和裁の「仕付け」に由来すると言われている。すなわち社会の基本的な約束事を教える事が、着物に折り目を付ける事に通じ、共に身を美しくするのである。躾のプロセスは心地よさとは異なる、ある厳しさを伴う。しかしその厳しさは愛情に裏打ちされたものである。ムーブメントも単に訓練ではなく、それを行う人の優しさがなければその効果を上げる事は出来ない。勿論、ムーブメント教育・療青には、学問的、科学的な裏付けがあるが、上手くいくかどうかのキーとなっている。それは母が子を思うように、ムーブメントを指導する者が、それを受ける人を思う事であろう。

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《実践報告》 養護学校での取り組み
T.K児の実践報告

富山県立となみ養護学校砺波学園分校教諭 近江ひと美 

1.養護学校の現状
  @子ども達の実態
  A教師のかかわり(環境の設定)
  Bムーブメント教育の導入
  C学校の取り組み体制
_
2.事例報告
 @対象児について
 AMEPAの評定
 BMEPAから見た問題点
 Cねらい
 D手だて 〜空間認知の育成を中心に〜
      (トランポリン、フレキサースイング、自転車、
       段差のある通路の行歩、机上での学習など)
 Eまとめと今後の課題

3.ムーブメント遊具をつかって

ひもをつかって電車あそび トンネルに入るのでかがみます。
このあとで、小さな座布団状のものを肩や頭に載せて落とさないようにしたりしました。
空間認知として
 シートの線に合わせて、小さな座布団状のものを進ませます。

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《実践事例と実技》乳児保育に生かすムーブメント
−感覚運動を中心に−

鹿苑第二保育園長  JAME上級指導員 立石寿子 


 乳児期は、成長発達が著しく、人間の諸機能の基礎を作る大切な時期である。子どもの発達に応じたムーブメント環境作りを工夫し、楽しく感覚運動が経験できるよういろいろな遊具を活用しながら、ベビームーブメントを行っている。

ムーブメントの環境として
◎優しい環境
 毎日、長い時間、子ども達とかかわっている私たちの表情・言葉・行動が、子どもへの環境になる。
心からの笑顔と、やさしい言葉掛けは大切であるが、言葉の掛け方・タイミングも考慮しなくてはならない。
そのためにも、子ども一人一人の発達段階を十分に把握すると共に、子どもの反応を大切にしながら、こころとからだ、両面からのゆさぶりを考えられる環境を考えていく。

◎動きたくなる環境
 子どもは本来、動くことが大好きである。積極的に活動するなかで、身体を動かすだけでなく、見たり、聞いたり、感じたり、表現したりすることを学んでいくのであるから、年齢や発達に応じた援助を行っていくことが大切である。
また、いろいろな遊具を活用することで、動きのバリエーションも広がり、楽しい活動により、いっそう脳も活性化される。
  手作り遊具をつかって遊んでいるところを、OHPにて一部紹介する。

《実 技》
 パラシュート・スクリーンパラシュートに、他の遊具を加え、0歳・1歳・2歳へのムーブメントを体験してもらう。

   0歳児のねらい
     触感覚・視覚・聴覚など、感覚運動機能を育てる。

   1歳児のねらい
     前庭感覚・バランス感覚・筋感覚などを育てる。

   2歳児のねらい
     動きの基本を育てる。

パラシュートに寝ている状態の子供の上でシートをひらひらさせます。
シートは透けて見えます。この上にボールや風船をのせます。寝ている人は思わず触れたくなり、手を出します。 パラシュートを使って、このように端から引き上げ、頃がしてあげます。


パラシュートに工夫がしてあります。
端が持ちやすい用になっています
一斉に手を離して、パラシュートをとばします。
うまくいくと、きれいにあがるのですが。。。

《実践事例と実技》幼児保育に生かすムーブメント
−知覚運動・精神運動を中心に−

清水台保育園主任保母
JAME上級指導員 吉田久美子

 幼児期における"遊び"は後の人間関係に大きく影響するものであり、子どもにかかわる私たち保育者は、個々の発達をふまえながら援助していかなければならない。
 幼児は、運動的活動(遊び)を必要とし、そこで得た喜びや満足感、心のゆさぶりが「からだ」「あたま」「こころ」の行動全体を支え、発達の引き金となるのである。
 乳児期でのいろいろな感覚を通しての遊びから、幼児期では、知覚運動(視知覚、聴知覚)、精神運動(創造性、表現)へとつなげて行きたい。

《実 技》
 保育の中で子ども達が楽しんでいるムーブメントプログラムに御一緒に参加してみませんか?

  ・打楽器を使っての動きの基本
    ☆ 音の参加による動きの拡大

  ・フープ、ビーンズバッグを使ってのムーブメント
    ☆ 視知覚、聴知覚能力を育てる。
      色 + 形
      色 + 形 + 音

 遊びの環境が揃ったら、子ども達自らの動きや発見を認めてあげることが大切である。問い掛けをすることによって、子どもの感覚を思考能力により判断していけるようきっかけをつくることが、発達を促すことにつながる。

フープを上に放り投げるて フープを使って輪になる フープを転がして、中央の人にあてる。初めは片方から、次は両方から。
そのとき、赤の輪の人は投げるなど、色の認識などの問いかけを!


フープを使い、輪になって座る。
何人かが外でまっている。
鬼がでてきて、輪の中に逃げます。
そのとき、「赤」となったら、赤のフープを通っていったり
これも、色の認知のひとつ
フープを床において
ジャンプして、輪の中を跳んで
いきます。色のの認知、空間の把握なども覚えていきます

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《実践事例と実技》
障害児保育に生かすムーブメント
−重度重複障害児のためのムーブメントの実際−

総合福祉施設あけぼの園主任指導員        
JAME上級指導員 橋詰たまよ 

 重度重複障害児の多くは、生活年齢に関わりなく寝たきりで、這うことや座ること、立つこと、歩くことができないことが多い。
 このような子ども達は、自分の力で空間を移動したり、物にさわったり外界をみる経験が不足するために二次的な発達障害をきたす。このような現象を可能な限り克服させるために、多様な感覚刺激を与えながら意識を深めることである。


                         ┌ 水平性の運動  
                         │ (キャスター)
              ┌ 前庭覚(平衡感覚)─┼─回転性の運動
              |              │  (ローリングカー・ハンモック)
┌─┐          │               └ 垂直性の運動
│身│ ┌感覚刺激─┤                 (バルーン・トランポリン)
|体│ │       | 触覚刺激(皮膚感覚)──ブラッシング・シャワー・感触豆
│意│ │        │
│織├┬┤       └ 固有感覚(運動感覚)──リズム遊び・バランス遊び
│の│││
│形│││          ┌ 心理的満足(情緒感覚)
│成││└ 遊びの指導 ┼ 粗大運動(安定姿勢)
└─┘│    (運 動)  └ 遊びへの意欲(自発性の促進)
    │
    │--> 刺激や遊びの内容は子どもの発達のレベルに合わせて選択し与える

《実 技》

1.ゆらんこを使ってのムーブメント
 ゆらんこを使って、横(左右)、前後、上下などの揺れを体験させることにより、前庭感覚を高めるとともに、身体像を育てる。

「ゆらんこ」に子どもを乗せて。
子どもの表情を注意深く見て下さい。
気持ちよい揺れが大切です。
(子どもによっても、状態によっても
 違ってきます)
子どもをイスに座らせて
ゆらんこ で揺らすのも
良い方法です。
(寝ている感覚とかなり
違ってきます)


2.ロープを使ってのムーブメント
 ロープをつかんだり、ひっぱり合うことにより、腕や手首の力や体幹のバランス
能力を養う。_
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《実践報告》統合保育に取り組んで

鹿苑第一保育園長       
JAME専門指導員 今井螢徳 

◎地域の子育ての場としての保育園
◎ムーブメント教育に出会って
◎おわりに
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《理論と実技》ムーブメント教育を保育にどう生かすか

今回は、今までの実践事例の解説と質疑応答を中心に、行いました。

横浜国立大学教授・JAME顧問 小林芳文 

 ムーブメント教育の中心的なねらいは、「健康と幸福を支える」ことにある。このねらいはもとよりその達成課題は、幼児の動きの発達や豊かな情緒を育てる保育に、実によくマッチした課題である。
 今、障害を持った子どもたちは、健常児と一緒に保育を受けることができる新しい時代になった。統合保育(インテグレーション)が、充実するためにも、更に前進して自然な形でどの子どもも分け隔てなく遊びや生活が出来る「インクルージョン」の流れを作るためにも、その実際的・具体的方法の一つとしてムーブメント教育を活用することが出来るように思う。

◎どの子どもの保育(発達段階)にもムーブメント教育を使う。
(どの段階にもムーブメントは関わりうる)
    感覚レベル・・・感覚運動
    知覚レベル・・・知覚運動
    高次認知レベル・・・精神運動

1.ムーブメント教育の達成課題(M.フロスティッグ)
 (課題に合わせて保育の流れを考える)
 @感覚運動機能
 A身体意識
 B時間・空間意識とその因果関係
 C心理的諸機能

2.ベビームーブメント
 @3歳未満児保育のために
   ・動きたくなる保育環境
   ・手を出したくなる保育環境

 Aおとなの身体を遊具として使う環境
   ・身体の遊具は、優しい遊具である
   ・身体の遊具は、揺れを作ってくれる遊具である

 B幼児のムーブメント
   ・身体意識を高めるムーブメント
   ・知覚運動教育としてのムーブメント
   ・精神運動教育としてのムーブメント


3.動きづくり保育の考え方
 ムーブメント教育による動きづくりは、期待される動きの能力を育てるために子どもに対して、「問い、導き、発見させ、奨励し、助けの手」をさしのべることにある。
   (フリームーブメントと課題ムーブメントを上手に組み合わせて)

    そこでのアセスメントが重要になる
    そこから「動きの起こりうるような保育環境」を作っていく(提供していく)

4.「こころの教育」の保育に生かす
 軽運動での優しいムーブメントは、人を集め、人と人をつなぎ、人を大好きにさせる。
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《実技》受講生と共に ムーブメント教育における音楽の用い方
−ミュージックムーブメントの展開−

横浜国立大学非常勤講師
JAME専門指導員 飯村敦子 

 「子どもは、音楽が大好き」、これは、誰もが異論のないことだと思います。保育や療育において、音楽は様々な形で取り入れられています。それは、音楽を用いることにより、子ども達の目が輝き、生き生きとした動きが引き出されるからです。しかし、音楽や音を用いることには慎重でなければなりません。「何のために音楽を使うのか」「なぜ、音楽が必要なのか」このことを深く考え、「いかに、音楽や音を用いるか」ということを明確にします。動くことを学ぶ、動きを通して学ぶ=ムーブメント教育において、「音楽」は、子どもの心にダイレクトに訴えかける手段として、また、動きを引き出す手段として用いることができます。すなわち、音楽が様々な環境からの問いかけの一つの手段として用いられたとき、ミュージックムーブメントが有効に機能します。

◎ミュージックムーブメントの展開にあたって
  発達の流れとミュージックムーブメント
  音楽の構造と動きの関係
  ムーブメントとリズム

《実 技》
◎からだの気づきとリラクゼーション
◎動きをつくる
   −遊具、音楽、人との相互作用−
◎動きを拡げる
   −聴覚的な図と地の関係−
◎音と動きの結びつき
   −音を作りだすこと、そして、コミュニケーション−

ひもを使って形を作る 全員でひもを使って形をつくる 曲に合わせてひもの間を歩く

ひもを引っ張るのにも、ただ引っ張るのと、ミュージックがあるのとでは大違い
ここでは、ミュージックの様子がでないのが残念です(作成者)
一応デジタルビデオでも収録しているので、装置がそろえば、そのうちに。。。

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