11年度の「ウ」を参考にした攻略法その2


私が極秘に入手した「ウ」攻略メモです。(^_^;)
平成11年度課題(ウ)の問題

1 今後普及事業の対象者及び課題の重点化が一層進展するものと思われます。このような状況のもとで普及活動は地域農業にどのように関わるべきか、あなたの考えを述べなさい。
1 食料、農業及び農村に係る基本的な政策に関しては、食料・農業・農村基本問題調査会答申とこれを踏まえて決定された農政改革大綱において、新たな基本法の制定を含む農政全般の改革について、基本的な考え方と具体的な施策の方向が示されたところである。 その中で、国民の必要とする食料を安定的に供給するとともに、不測の事態における食料安全保障を確保するため、国内農業生産を基本に位置付け、食料自給率の目標を策定しつつ、可能な限りその維持・拡大を図る方向と、その方策として、多様な担い手の確保・育成と農業技術水準の向上等が重要であることが示されている。特に、これまで我が国農業の中核を担ってきた「昭和一桁世代」がリタイアする時期が近づきつつあることから、これを契機に、自立の精神と優れた経営感覚を持った農業者が地域農業の中心を担う農業構造を実現すべく、対象となる農業者を明確にし、集中的に施策を行うとともに、これら施策の一層の充実を図る必要性が強調されている。 また、農村地域の混住化、過疎化、高齢化等が進み、農村社会が変貌してきている中で、生産性向上に制約のある中山間地域には特別な配慮を行いつつ、都市と農村の交流や地域資源を活用した高付加価値型農業の実現などの取組を通じた地域農業の振興、農村社会の活性化を図り、これにより農業・農村の持つ公益的、多面的機能を発揮していくことが求められている。この場合、農業生産活動は自然環境を保全する一方で、環境に負荷を加えている面もあることから、農業の持つ自然循環機能を高めることにより持続的な農村社会が形成されるような取組を強化していくことが求められる。 こうした農業構造の変革や地域農業の振興、農村社会の活性化を図っていく上で、効率的かつ安定的な農業経営の育成を基本としつつ、一方で、農村はもちろん都市で育った青少年を含め、次代の農業を担う若い世代についての農業・農村への参入や、農業生産のみならず農村社会の活性化に大きな役割を果たしている農村女性の役割の明確化と地位の向上を通じて、女性が意欲と能力を一層発揮し得る男女共同参画社会の形成を図っていくことが重要である。その際、少子化問題や農村の配偶者問題への対応も視野に入れつつ、次代を担う子供たちを生み、育てることができる環境づくりや、都市住民の農村に対するイメージの改善などの視点についても重視していく必要がある。 また、豊富な知識・経験や熟達した技術と意欲を有する高齢者については、生涯現役として、生きがいを持って地域農業や農村社会に貢献する活動等を支援する視点も重要となっている。 さらに、農業、農村への理解を醸成するとともに、将来的に農業の担い手を確保していく観点からは、子供世代を中心に、農業体験学習への取組の推進等、多様な農業に関する教育の機会を提供することも必要となっている。

 つまり「農政改革」については
  (1)自立の精神と優れた経営感覚を持った農業者が地域農業の中心を担う構造を実現すべく、対象となる農業者を明確にし、集中的に施策を実施する
  (2)中山間地域に配慮しつつ、地域資源を活用した高付加価値型農業の実現などの取り組みを通じ、農業・農村の持つ公益的、多面的機能を発揮させる
  (3)農業の持つ自然循環機能を高めることにより、持続的な社会が形成されるような取り組みを強化する

 「普及事業」については
  (1)農政課題が多様化、複雑化する中で、活動の領域・内容が拡大してきているために、具体的な成果が見えづらくなってきている
  (2)技術水準が高度化し、経営内容も多様化する中で、地域全体の農業者を対象とした画一的な技術の指導では、農業者の要請に十分応えられていない

「財政改革・地方分権」の視点からは
  (1)一層効率的、効果的な活動体制活動方向への転換を図っていく必要がある。

 これらの理由から今後普及は

を進める。

 具体的には指導の対象を効率的かつ安定的な農業経営体を構成する主要な担い手としての人材

 となる。そして、これら担い手となる農業者を中核として、その周辺の農業者との融和を保ちつつ、地域農業の振興や農村社会の活性化を進めていくには、地域全体の合意形成がきわめて重要となる。そのため上の3つに

を加えて指導の対象としている。

さらに、課題の重点化については

認定農業者等 生産者から経営者へ誘導するため、農業者が経営展開にあたって判断するするために必要な素材の提供
  • 経営の分析及び診断とそれに基づく経営改善計画策定
  • 革新技術と持続性の高い農業生産方式等の組み立て
新規就農者等 多様な就農形態に適切に対応するため関係機関との密接な連携のもと、多様な情報の提供
  • 技術、経営管理、資金等に関するきめ細かな情報提供
  • 研修教育プログラムの作成と研修の実施
経営参画志向の
女性農業者
役割の明確化を図り、意欲と能力を一層発揮できる条件整備
  • 男女共同参画社会形成のための意識啓発
  • 農産物加工販売等の企業活動支援
地域農業の
まとめ役
地域課題の解決に向けた計画策定、合意形成等への支援
  • 他地域への取り組み事例などの情報提供
  • 合意形成手法や組織づくりについての指導等

などがあげられている。


○この問題(ウ−1)の解答にあたっては、これらの状況を踏まえたうえで、普及活動は地域農業にどう関わるべきか、自分の考えをまとめる。

解答の作成にあたっては、この一連の思考過程を踏まえてまとめる必要があるのではないでしょうか。


参考

「普及事業の高度化及び効率化を進めていくための体制・方法の見直し」

○対象者等の重点化に対応して活動方法や体制についても改善する必要がある。
 活動方法
(1)農業者の要請に対応した高度な技術の迅速な移転
 ア 都道府県の試験研究機関における実用化研究の一層の推進と国での研究成果の体系化による的確な情報提供
 イ 普及組織自らの実証試験への取り組み
 ウ 普及、試験研究双方の目標共有化のための計画策定段階からの連携強化
(2)個別支援型の経営指導の総合的な展開
 ア 経営の発展段階に応じた個別経営支援型の普及活動の推進
 イ 経営改善支援センター等関係機関との連携による経営指導における総合的な取り組み
(3)普及活動の重点化、高度化のための民間等との役割分担と活動支援
 ア 農協営農指導事業との役割分担と指導員への援助
 イ 民間専門家の活用と活動の支援(専門家への農業・農政関係情報の提供等)
(4)効率的・効果的な普及活動体制の整備
 ア 高度な分野に対応するための普及職員の資質の向上
 イ 効率的・効果的な活動体制の整備と普及センターの情報提供・相談機能の強化
(5)農業研修教育の充実強化のための体制の整備
 ア 新規就農者を専門に担当する改良普及員の配置
 イ 指導農業士等による実践的な研修の充実
(6)農業・農村への理解の醸成と将来の担い手確保のための農業教育への取り組み
 ア 農業高校生に対する実践的な研修機械の提供等
 イ 児童・生徒等を対象とした農作業体験学習への支援


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