専技試験の採点基準を推定する




  1. 採点方法についての考察
     専技試験の採点基準自体は公開されていないのでよくわからない。ただし、過去の実績から推定することは可能である。
     まず、第一のポイントは、合格率は毎年どの科目もだいたい20%前後であること。つまり、特定の科目だけ特に合格率が高かったり、低かったりすることは少ない(ただし、ごく少数しか受験しなかった科目は合格率の振れが大きいこともある)。年度によって出題傾向が大きく変わってもこの数字はほぼ一定である。つまり専技試験は上位20%に入らないと合格しない選抜試験的な要素が強い資格試験なのである。
     さらに、一次(ア、イ)での部分合格があることから見て、一次(ア、イ)での合格が全体の40%、(ウ)でそこから半分程度に選抜されるものと予想される。
     設問は改良普及員が本来業務を行いながら、無理なく合格できるような範疇のものが多い。高度に行政的な判断を求めるものや、厳密な法律解釈を求めるものは少ない。
  2. 採点の基準を推定する
     とはいえ、まったく基準なしに採点することは考えにくい。とある資格試験の小論文での採点基準を目安に予想してみる。
    評価項目 よい 悪い
    1 問題点をとらえ、正しく答えているか ×
    2 序論の内容は適切か ×
    3 柱の表現はよいか ×
    4 本論の内容は適切か ×
    5 理論・実例・方策の叙述はよいか ×
    6 結論の述べ方はよいか ×
    7 論文全体の構成はよいか ×
    8 一貫性のある論文であるか ×
    9 管理者としての見識は出ているか ×
    10 総合的に見て適切な論文であるか ×
    合計
    (1)各項目ごとに、「よい」「悪い」のいずれかを判定する。
    (2)1〜10までの、○、×の数を合計欄に記入する。
    1〜10の各項目に10点ずつ配点すると100点になる。80点以上は合格、60〜79点までが合格圏、59点以下は不合格という評価になる。
  3. 字数の問題
     専技試験では、ア、イ、ウ、のそれぞれが800字詰め原稿用紙4枚程度で解答するのがひとつの目安である。過去の事例を見ると、字数の多少が採点に直接影響することは少ない。それよりむしろ字数不足により十分な記述ができないために、内容的に不足して減点される場合が多い。
     原稿用紙の追加は認められているが、7枚、8枚といったむやみな字数オーバーは採点者に良い印象を与えない。従来は5枚書ければ合格範囲内という噂もあったが、骨組みがあやふやなままで字数を書き連ねるのがよいかどうかはわからない。
     目標としては、1つの部門で4枚半(約3500字)前後であろう。ていねいな文字で原稿用紙を埋めていくのに800字で30分程度必要である。鉛筆で字を書く習慣のない人には、文字を書く疲労もばかにならない。二日目の試験に体力的・精神的な余裕を持たせるように、過不足のない字数配分が重要だと思われる。

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