速報!平成14年度専技試験問題


 全ての専門項目の問題を掲載しました。ご協力ありがとうございました。


課題 ア、イ

1 土地利用型作物(稲、麦及び大豆)
2 野菜
3 果樹
4 特産作物(工芸作物、雑穀(加工のいも類を含み、大豆を除く。)及び養蚕)
5 花き
6 乳牛及び肉用牛並びに飼料作物
7 豚及び鶏
8 土壌及び肥料
9 病害虫
10農業労働及び農業機械
11農業経営及び生活経営
12農産物流通及び食品加工

13農村振興
14男女共同参画
15農業を担うべき者の育成
16普及指導活動

共通課題 ウ


土地利用型作物

課題(ア)
1.わが国における土地利用型作物の生産では、現在、実需者及び消費者のニーズに積極的に対応していくことが重要となっています。稲作、麦作、大豆作の中から1つを選び、最近の消費・流通の動向を踏まえて、実需者及び消費者のニーズに対応した生産技術の要点とその問題点、今後開発すべき技術的課題について全国的立場から述べなさい。

2.次の事項の中から5つを選び、それぞれについて解説しなさい。
1)不耕起栽培
2)葯(花粉)培養法
3)葉面積指数
4)半矮性
5)収穫指数
6)葉色診断
7)水田の公益的機能
8)国産大豆の用途と産地品種銘柄
9)小麦の低アミロース品種

課題(イ)
 稲作、麦作、大豆作の中から1つを選び、あなたの県(都道府)における生産技術の特徴と普及状況を概説しなさい。 
 また、県(都道府)として最も重要な生産技術上の問題点を3つ挙げ、それらを克服するために今後とるべき技術の改善方向について論じなさい。

(提供:破戒王さん)

野菜

課題(ア)
1.我が国で野菜として扱われているいも類4種類について、それぞれ植物学的及び栽培上の特徴並びにわが国における最近の生産動向について記しなさい。

2.野菜栽培における次の要素欠乏症について、発生しやすい環境と作物、その症状について記しなさい。

  P(リン)、Ca(カルシウム)、B(ホウ素)、Mo(モリブデン)

3.次の二つの作型に適する生態特性の違いを要点のみ記しなさい。

 (1)キャベツの秋播き栽培と夏播き栽培
 (2)イチゴの露地またはトンネル栽培と長期促成栽培

4.次の事項を簡潔に説明しなさい。
 (1)シュウ酸
 (2)Bx(ブリックス)
 (3)フィトクローム(ファイトクローム)
 (4)クローニング
 (5)キセニア

課題(イ)
 あなたの県(都道府)で高齢化が問題になっている地域の、野菜栽培における新技術導入の可能性について論じなさい。

(問題提供:上田さん)

果樹

課題(ア)
1.農家が開園し果樹を新植する際に、留意すべき事項をあげ、それぞれについて問題点とその解決策を述べなさい。
2.次の果樹に関する用語のうち、5題を選び、それぞれを説明しなさい。
(1)わい性台木
(2)雌雄異株
(3)単為結果
(4)低温要求量
(5)シートマルチ栽培
(6)ウイロイド
(7)IPM
(8)種苗登録

課題(イ)
 果実の品質が、他の地域に比べ、非常に低い地域があるとする。この地域の果実品質を上げるようにするには、どうしたらよいか。対策を立て、それを段階的に述べなさい。ただし、果樹の種類は任意とする。

(問題提供:谷さん)

特産作物

課 題(ア)

 次の用語の内、T群の5語およびU群のうち5語を選択し、その意味及び意義を説明しなさい。

T群
  @ 抗酸化作用
  A 他感作用
  B 遺伝子組換え作物 
  C 日長反応
  D チッ素の吸収固定と循環


U群
  @ 茶のうま味成分
  A 茶園改植と早期盛園化
  B てんさいそう根病
  C ヒマワリの土壌改良効果
  D イグサ栽培法
  E ハトムギの栄養価
  F 早期高糖性サトウキビ品種
  G トウモロコシの品種分類
  H ジャガイモの主な品種と特性
  I 干害対策
  J 高品質化
  K 繭価格補償
  L 繭質評価
  M 内部汚染繭
  N 地域資源の活用

課 題(イ)

 あなたの県(担当地域)における農業の現状と問題点、およびそこでの農業の展開方向と工芸作物、または養蚕の位置付けと期待される役割並びにその技術的課題について述べなさい。

花き

課題(ア) 
1.花き園芸とヒトとの関わりについて、最近の園芸動向にも配慮して記述しな
さい。

2.次の事項について説明しなさい。
(1)夏秋菊
(2)ロゼット
(3)バケツ(バケット)輸送
(4)冷房育苗
(5)雄性不稔
(6)ベントネックとその対策
(7)花壇苗の鮮度保持

課題(イ)
 近年外国からの花の輸入が増大するとともに、国内生産を圧迫している状況が
ある。そこで、次の2点について記述しなさい。

 1)花の輸入の現状と国内生産全般に対する影響
 2)このことに関するあなたの地域での問題点とその対策

(問題提供toru makinoさん)

乳牛及び肉用牛並びに飼料作物

課題(ア)

1.次の2課題から1課題を選んで答えなさい。
(1)我が国でのBSE(牛海綿状脳症)の発生経過及びそれに対して
講じられている技術的対策の概要を述べなさい。

(2)稲発酵粗飼料(稲ホールクロップサイレージ)の生産・給与についての
基本技術とその留意点を述べなさい。


2.次の8つの用語の中から5つを選び簡単に(200字程度)説明しなさい。

(1)フェストロリウム
(2)TMR調製
(3)温室効果ガス
(4)硝酸態窒素中毒
(5)インターブル
(6)肉牛の遺伝性疾患
(7)有機畜産物についてのコーデックスガイドライン
(8)ヨーネ病

課題(イ)
次の3課題から1課題を選んで答えなさい。
(1)食の安全・安心が強く求められていますが、この消費者のニーズに応えるためのあなたの地域での畜産物の生産活動の状況、あなたの指導事例及び今後の課題と指導方向について述べなさい。

(2)牛の暑熱対策は経営上非常に重要ですが、暑熱対策の概略、あなたの地域での実態、あなたの指導を通じて成功している事例の特徴及び今後の課題と指導方向について述べなさい。

(3)いわゆる畜産環境3法の施行に伴って、家畜ふん尿の処理利用について法的規制が進められつつあります。あなたの地域における家畜糞尿処理利用の最近の実態、あなたの地域での処理利用事例、あなたの指導を通して得られた成果及び今後の課題と指導方向について述べなさい。

(問題提供:tokitaさん、中さん)

豚及び鶏

課 題(ア)

 次の事項について4問を選び、簡潔に説明しなさい。
 1)豚繁殖・呼吸器症候群(PRRS)
 2)家禽ペストとその対策
 3)豚肉の関税緊急措置
 4)採卵鶏の光線管理の原理と方法
 5)豚の肢蹄の強健性の改善方法
 6)鶏卵の品質表示
 7)五大栄養素とその機能

課 題(イ)

 国産豚肉、鶏肉及び鶏卵のいずれかを選び、その需要拡大のために取るべき方策について、あなたが従事した技術指導、農業教育または試験研究の経験に基づき、主として技術的観点から論じなさい。

土壌肥料

課題(ア)
1.土壌の物理的性質の作物生産上における役割を解説し、あわせて改良手段について述べなさい。

2.次の用語について、土壌・肥料専門家の立場から具体的に説明しなさい。

 1)毛管水
 2)土壌腐植
 3)陽イオン交換容量
 4)グライ層
 5)特殊肥料
 6)窒素の有機化
 7)天然供給量
 8)土壌侵食
 9)クリーニングクロップ
10)特定有害物質(土壌汚染の)

課題(イ)

 あなたの県(都道府)において、土壌・肥料の技術に関して、今後どのような観点のもとに重点的な展開を図っていく必要があると考えますか。あなたがこれまでにあげた研究あるいは普及における成果とできるだけ関連させて、その理由等を述べなさい。

(問題提供:匿名希望さん)

病害虫

課題(ア)

 植物防疫、農薬に関する次の用語について、簡潔に説明しなさい。

1.病原菌の交差耐性
2.経口毒性と経皮毒性
3.微生物農薬
4.農薬の半減期
5.クロロニコチル系殺虫剤
6.性フェロモンによる害虫防除法
7.ADI
8.農産物・食品の残留農薬基準
9.マルチライン
10.土壌線虫の検診法
11.経済的被害許容水準
12.イネのカメムシ類
13.絶対(活物)寄生菌
14.残留農薬のマーケットバスケット法
15.侵入害虫
16.指定有害動植物(植物防疫法上)
17.ウイルスの虫媒伝染
18.いもち病の発生予察法
19.農薬のリスク評価とリスク管理
20.土壌伝染性病害

課題(イ)

 食料・農業・農村基本計画が決定され、食料自給率の目標や総合的かつ計画的に講ずべき施策などが定められています。施策の一環として、「農業の自然循環機能の維持増進」が謳われていますが、一方では、食料自給率の低下が懸念され、その向上を目指して、「国際競争力の強化」が求められています。
 このような状況を背景として、あなたがそれぞれの地域で病害虫防除に取り組む場合、どのように指導し、実施して行くのか、具体的な防除手段とその経済的評価などを含め、課題解決のための方策を述べてください。

(問題提供:佐藤さん)

農業労働及び農業機械

課 題(ア)

1.次の5課題から3課題を選んで簡潔に記述しなさい。
(1)騒音により生ずる生理的影響について、その原因、予防法等について説明してください。
(2)接触型皮膚炎(栽培植物や作業環境に起因する)について、その原因、発症メカニズムと予防法について、具体的な例を挙げて説明してください。
(3)農業労働災害の他産業と異なる特徴を列挙し、労働災害を予防・軽減するための対策を簡潔に述べてください。
(4)汎用コンバインと自脱コンバインの機能上の特徴及び水稲、小麦、大豆に対する適応性・利用性等の相違について簡潔に述べてください。
(5)わが国における農業機械利用組織の形態とその特徴(長所、短所)について簡潔に述べてください。

2.次の8課題から4課題を選んで簡潔に記述してください。
(1)温熱指数
(2)自覚症状調査
(3)CFSI調査(蓄積的疲労徴候インデックス)
(4)稲発酵粗飼料
(5)搾乳ロボット
(6)農業機械の安全鑑定試験
(7)農業車両の低速車マーク
(8)精密農業(プレシジョンファーミング)

課 題(イ)

 次の4課題から2課題を選び、地域における展望も踏まえ、具体的に記述してください。

1.平成12年度から、21世紀における国民健康作り運動が制定され、国レベルから都道府県、市町村レベルで具体的に取り組みが進められてきています。そこで、この運動で重視されている項目を農業地域でどのように展開していけばよいか、具体的に考えられる行動をあげて論述してください。

2.農業機械の普及に伴い、農作業事故が増加しています。また、野菜・花き、果樹、畜産など特化した集約部門でも労働災害が多くなっています。こうした実態を踏まえ、安全に農作業を行うための基本事項について、具体的な例も挙げながら記述してください。

3.水田における土地利用型作物(水稲、麦、大豆等)と野菜・果樹等の集約的作物の複合経営(地域の代表的な経営類型、または、あなたが従事した具体的な事例のうち、いずれでも可)において、作業の快適性と効率化を両立させる観点から、労働力の調達、農業機械の選定・利用方式のあり方について、日頃考えていることを述べなさい。

4.あなたの地域において、水田作、畑作(野菜作を含む)、草地・飼料作のうち、いずれか1つを取り上げて、環境負荷を抑制しつつ、かつ、生産効率を増大させる機械化栽培技術の現状と問題点、および今後の技術開発の方向について、あなたの考えを簡潔に述べてください。

農業経営および生活経営

専門項目(11):農業経営及び生活経営

課 題(ア)

1.次の8つの用語の中から4つを選んで簡潔に説明しなさい。
(1)スローフード
(2)トレーサビリティ
(3)グランドワーク
(4)パートナーシップ
(5)資本取引
(6)陳腐化
(7)スクレイピー
(8)リスクコミュニケーション

2.農家経営と企業経営とを比較し、その目的の違いを述べ、それぞれの特徴的な評価指標をあげて、説明しなさい。

課 題(イ)

 農業・農村の有する多面的機能の役割が重視されていますが、このことと農業経営または生活経営の改善との関連について、あなたの対象地域の事例をふまえて見解を述べなさい。

農産物流通及び食品加工

専門項目(12):農産物流通及び食品加工

課 題(ア)

1. 下記の事項を簡潔に説明しなさい。
(1)青果物の低温障害
(2)遺伝子組換え食品
(3)マイコトキシン
(4)スローフードとファストフード
(5)BSE

2.次の(1)、(2)、(3)、(4)の中から2問を選び、選んだ2問についてのみ、それぞれの@〜Bについて答えなさい。
(1)高品質な農産物を市場に送り出すための手段として実施される以下の事項について、事例を挙げて方法と原理を簡潔に説明しなさい。
   @近赤外非破壊計測
   Aエチレンによる追熟処理
   B予冷処理と低温輸送
(2)以下に取りあげた食品の熱処理について、対象とする食品の実例を挙げそれぞれの処理法の特徴を簡潔に述べなさい。
   @通電加熱
   A過熱水蒸気加熱
   Bマイクロウェーブ加熱
(3)野菜の塩蔵について次の事柄を説明しなさい。
   @食塩が用いられる理由
   Aどのようなときに乳酸発酵が起こるか
   B立て塩法と振り塩法
(4)以下のゲル化剤についてそれぞれの原料、ゲル化条件などの特徴を述べなさい。
   @寒天
   Aゼラチン
   Bペクチン

課 題(イ)

 農業生産から消費者側に軸足を移した農林水産行政を意図して、「食」と「農」の再生プランがうちだされています。その中で、地域の食文化や地産地消の特色を鮮明に伝える食品として「ブランド日本」の提供が掲げられています。
 あなたの地域で「ブランド日本」にしたい産物について以下の事柄を記述してください。

 (1)その産物を「ブランド日本」にしたい理由
 (2)現在までの生産、利用および加工状況
 (3)これからの生産見通しと「ブランド日本」化を進める方策

農村振興

課 題(ア)

1.あなたがこれまでに取り組んできた環境整備に係わる活動を1事例取り上げ、活動の内容を簡潔に説明した上で、住民の役割、行政の役割、普及の役割、研究者や民間企業の役割について論じなさい。

2.全国でグリーン・ツーリズムが広がっていますが、農家民宿やファーム・インの開業希望者にとって、旅館業法や食品衛生法など関連する法制度への基本的知識が不十分であることが課題となっています。あなたが農家から民宿開業の相談を受けたときに、どのような指導と情報提供をすることができるか、について述べなさい。

3.次の用語の中から5つを選択し、簡潔に説明しなさい。
(1)里山
(2)用途地域
(3)宅老所
(4)地域通貨(エコマネー)
(5)スローフード運動
(6)散居集落
(7)動物介在療法

課 題(イ)

 旧村の中心集落内にある空き地を利用して、集落住民の憩いの場と朝市会場を兼ねた広場を計画することになった。駐車場と公衆便所は既に図のように配置することが決まっている。憩いと朝市を兼ねる施設は、屋根だけをかけた木造の平屋(以下、小屋と略)であるが、この配置を含めて魅力的な広場を、次の条件により提案しなさい。

@ 小屋の規模は4m×8mで、切妻の勾配屋根(仕上げ材は自由)をかけるものとする。必要であれば壁をつけてもよいが、部屋は設けないこと。調度類(テーブル、椅子など)も自由に考えてよい。
A 駐車場の車通路は図の破線位置までとし、破線の西側に小屋が出ないようにすること。
B 小屋の向きは自由に想定してよいが、前面道路及び駐車場との関係に配慮すること。
C 小屋と公衆便所との通路に屋根・パーゴラ・藤棚など適宜計画すること。
D 敷地全体に、植栽・植樹を施すとともに、地面を覆う素材にも配慮して、憩いと交流にふさわしい広場とするように努めること。

 提案内容は以下のとおりとする。
@ 既存の施設配置を含む広場の配置計画を平面図で描きなさい。縮尺は100分の1とする。
A 計画した小屋と公衆便所の位置関係がわかるような見取り図をスケッチで描きなさい。視点は自由に想定してよい。図面で表現がむずかしい部分については、簡単な説明文をつけること。
B 図面は全てフリーハンドでよい。

男女共同参画

課 題(ア)

1.男女共同参画を進めるにあたっては、実態把握が必要となるが、そのための手法を説明しなさい。

2.次の用語を200〜300字で説明しなさい。

(1)ジェンダー統計
(2)男女共同参画影響調査
(3)配偶者控除
(4)リプロダクティヴ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)
(5)ILO156号条約(家族的責任をもつ男女労働者の権利に関する条約)

課 題(イ)

1.「農作業でも家庭生活でも四六時中、親と一緒でやりきれない」という農家の若妻の声をよく聞きます。男女共同参画を進める立場から、このことを解決していくための方策を述べなさい。

2.農村において、ジェンダーフリーな子育てを進めるために、現在の問題点を整理し、解決のための方策を述べなさい。

農業を担うべき者の育成

課 題(ア)

1.農業者として育成の対象となる青年たちが現在おかれている社会的状況について考察し、さらに彼/彼女たちの青年農業者としての育成を支援する上での教育課題について述べなさい。論述に際し以下の用語をキーワードとして利用する場合、使用した部分に下線を引きなさい。なお、そのほかにもキーワードとして利用した用語があれば、それらにも下線を引きなさい。
 (地域社会の変容、家族の変化、グローバリゼーション、高等教育のユニバーサル段階、青年集団、青年の進路選択、アイデンティティの形成、モラトリアム、自分探し)

2.本年度から学校で「総合的な学習の時間」が本格的に取り組まれることになった。今後地域学習、食農教育など地域社会と学校を結ぶ教育が学校の側から積極的に進められることになろう。すでにたとえば学校ボランティアのようなかたちで、地域の人々の力が教育力として学校に再編され始めている。また、生涯学習論の観点からの新しい地域教育計画も各地で取り組まれるようになっている。地域ぐるみで教育体制を作り上げようとする傾向が強まっているといえよう。
  このような状況のもとで、「農業を担うべき者の育成」にあたる者には、将来の農業の中核的な担い手を育成する視点を主軸に据えつつ、総合的な視点に立って地域社会の農業教育の全体的な構想を立ちあげていく能力が、これまで以上に必要とされるようになってきている。同時に今後の社会では、人間らしい生き方の追求や生きがい、充実感などといった心の問題に対するケアーがこれまで以上に教育計画の中で重要な課題となってくるであろう。
  以上のような点をふまえ、「育成の視点から『地域社会と農業者の人間形成』を考える」という趣旨の論題をたて、あなたの育成論を論述しなさい。なお、論題については、本問の趣旨に沿っている限りで多少の変更することや、副題をつけることを認めます。

課 題(イ)

1.農業生産にあっては大規模経営といえども、完全な自己完結型経営は成立しがたい。地域が何らかの形でこれを補完する機能を果たしている。地域農業のこうした機能に関わって、あなたが指導活動をしたことのある地域を取り上げ、具体的な地域農業の機能と、それに関係する組織・農家の「とりまとめ役」が誰かについて述べなさい。その場合に、農業改良普及センターなどの指導機関の役割についても言及しなさい。

2.今日の社会において、青少年の就農意欲を高め、若い農業者や女性農業者の営農意欲を高めるには、家庭や地域社会における生活環境が大きな影響を及ぼす。その中でも家族関係の改善、つまり、就農に際しての条件のとり決めや、営農にあたっての条件のとり決めは極めて重要である。そして、これの一方法として、家族経営協定(親子契約)が再び注目を集め、その普及が図られている。しかし、一方では、書面上の協定・とり決めのみに終わり、実効のあがらないケースも少なくない。
  そこで、あなたが指導活動で体験した家族経営協定またはこれに類似する事例を分析して、@協定・とり決め事項と、その事項をとり決めた理由(当該農家の経営状況との関連性など)を述べ、A協定・とり決めが、就農前の青少年なり農業者の意識に変化をもたらし、就農意欲の高揚、または営農意欲の高揚と農業への定着がみられた要因、あるいは、こうした変化がみられなかった要因を考察しなさい。

普及指導活動

課題(ア)
1.改良普及員の望ましい研修体系のあり方について述べなさい。
2.集団の構造について説明しなさい。
3.次の事項について、その内容、意義などを簡単に説明しなさい。
(1)レディネス
(2)アファーマティヴアクション
(3)e−コマース
(4)トレーサビリティー
(5)絶対評価

課題(イ)
1.地域(集団)の合意形成をはかるうえで、重要と考えられる普及活動上の留意点を述べなさい。
2.地域振興または産地育成にあたって個別経営体、女性、高齢者の担う役割について、あなたの考え方を述べなさい。

(問題提供:旦那は病害虫専技さん)


共通課題 ウ

1 あなたの地域(都道府県)における農業,農村生活の現状を踏まえ,重要と思われる今日的課題を一つとりあげ,課題解決のため,どのような普及活動が望ましいかを述べなさい。

2 農業・農村の多面的機能を生かす普及課題の推進における専門技術員の役割について述べなさい。

(問題提供:リンゴさん他)


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