アメリカ戦略空軍

朝日新聞記事データベース/G−Search

◆000023 (T910920M07--05)

米戦略空軍、消滅へ ソ連激変で機構見直し

91.09.20 朝刊 7頁 1外 写図無 (全505字)

【ワシントン19日=定森大治】ソ連との全面核戦争に備えてきた米戦略空軍(SA

C)が、米ソ関係の変質に合わせて消滅し、より広範な任務を帯びた機構として出直

すことが19日までに明らかになった。24時間態勢で空を飛んできた同空軍司令部

の「機上指揮所」は、すでに地上に移されているが、米軍にもソ連激変の影響が直接

出始めたようだ。

 この機構改革は、ライス米空軍長官やマックピーク米空軍参謀総長が空軍関係者の

会合で明らかにした。それによると、米本土に各司令部を置く戦略、戦術、輸送空軍

は、あらたに「戦闘空軍」「可動空軍」の2つに整理統合される。米戦力見直しの中

で、戦略、戦術を区別しにくくなったこと、国防費削減に沿った空軍戦力のより効率

的な運用、などがその理由とされている。

 ライス長官は、空軍の任務が抑止力や緊急展開能力、宇宙を含めた情報網の確立に

とどまらず、人道的な輸送作戦など非戦闘面にも広がっていることを強調。そして再

編計画を「空軍のルネサンス(再生)」と名付けた。戦略空軍司令部はネブラスカ州

オマハにあり、戦略爆撃機と大陸間弾道ミサイル(ICBM)を指揮している。機構

改革の具体的な日程は今後、検討するという。

◆000024 (T910925M05--10)

米戦略空軍(ことば)

91.09.25 朝刊 5頁 解説 写図無 (全331字)

SAC(Strategic・Air・Command)。米国の核戦力を支える柱。

1946年3月に創設されたが、このほど米ソ関係の変質に合わせて消滅し、新機構

に再編されることになった。最高司令部は米ネブラスカ州オマハ近郊のオファット空

軍基地にあり、米本土に36、それ以外に15の基地を持つ。兵員は約12万人。

 空軍2個、航空師団8個から成り、戦時には敵の基地、工業中心地を撃破、陸・海

上の戦場司令部を支援する。

 現有戦力は戦略爆撃機約370機、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が計約100

0基。ICBMのうち、約950基はミニットマン2、3型。残り50基はMX。潜

水艦発射弾道ミサイル(SLBM)としてはポセイドンC3、同C4計約370基、

トライデント240基など。

◆000030 (T920531M03--10)

米戦略空軍、あした改編 46年の歴史に幕

92.05.31 朝刊 3頁 3総 写図無 (全205字)

 米ソ冷戦時代の米国の核戦略の主役だった米戦略空軍(SAC)が6月1日で46

年の歴史を閉じ、新設の米戦略コマンドが任務をひきつぐ。

 米戦略空軍は米国の戦略核3本柱のうち、戦略核爆撃機と大陸間核弾道弾を担当し

てきた。新設の米戦略コマンドはこのほか米海軍が担当していた潜水艦発射の戦略核

ミサイルを加え、米国の戦略核を一本化して管理・指揮する。空軍と海軍が共同で運

営し、司令部はネブラスカ州オファット空軍基地に置く。