第33話 ドイツ語でなんて?




 授業が終わってから、時には授業中にも(?)、

「せんせ〜、○○ってドイツ語でなんて言うんですかあ?(^_^)」

という質問を受けることがしばしばある。

「クルミってなんて言うんですか?」「好きです、って?」「おいしいって・・?ええ?長いのは覚えられない〜」

 実は、相手が無邪気に聞いてくれば来るほど、答えに窮することもあったりするのだが(冷汗)

 そんなある日、一人の学生が質問に来た。

「せんせ、『プラダ』ってドイツ語でなんて言うんですか?」

「え・・?プ、プラダ??」

 一瞬何のことかと思ったが、すぐに彼の持っているカバン・・バッグに気が付いた。ちなみに、男子学生である。というとある種の性差別のようだが、男子学生でブランドバッグを抱えている人を見たのは、初めてだったのだ。
(正確には、初めて気が付いた、認識した、であろう)

「ええと・・プラダは、プラダなんじゃあないかな(自信なさげ)」

 後で、ネイティヴスピーカーに聞いてみた。

「『PRADA』はドイツ語で何と言うのか?」「プラダ??」「え〜、プラッ、プラダ・・バッグとか・・」「ああ、PRADA・・?バッグを持っているのか?」「いやっ、私ではなく、学生が」「学生!?」

 互いにうろたえつつ、問答を行ったが、結局プラダはプラダ、ということに落ち着いた。
(ルイ・ヴィトンもルイ・ヴィトンらしい。ルートヴィヒではなく・・汗)

 その後、お父さん世代はリストラされたりするのに学生はブランドバッグなのね、と話し合ったのであった(^_^;)


(2002/10/19)