第29話 同姓の学生




 その日、私は出席簿を忘れて大学に来てしまった。半年に一度くらい、このようなことがある(^^ゞ

 よって、そのような場合のリカバリーは、なかなか手慣れたものである(笑)
 まず、事務室に行き、クラス全体の名簿を入手する。
 外国語のクラスは、何組か合同でもあり、それだけでは、履修している学生とそうでない学生との区別がつきにくいので(たまにしか来ない学生も含めた、履修クラス全員の名前を覚えられるほど記憶力が・・(泣))、授業の最初に小テストを行い、さりげなく出席番号順にソートして、見当をつける。

 さて、問題は当たる順番であるが、そのクラスではたまたま教科書に前回の担当者をメモしておいたので、その次からということになる。

「え〜と、前回はTくんまででしたよね。それじゃ、今日はその次のNくんから・・」

 しばらくその調子で進んで行ったが、

「それじゃ、今度はAさん・・」
「え〜〜〜っ!?」

 当てられた人の驚きと、同時に、教室の一部がざわざわとなる(^_^;)

「あの〜、順番、違ってるんですけど?」
「えっ?(^_^;)手元資料では、前回はTくんまでになってたけど・・(゚゚;) (;゚゚)」
「それ、S学部のTくんじゃあ・・」

 なるほど、同姓の学生がいたのだった(爆)

「あ〜、これは私が悪かったです〜(^_^;)でも今日のところは、この順番にしてね(^◇^;)」

 というわけで、学生にもとんだ迷惑がかかった(?)忘れ物であった(笑)


(2001/07/28)