第15話 教室はどこ?




 いわゆる語学の授業は、前期・後期と通年で行われるところがほとんどである。
 もちろん、単位の関係で、また、最近では、セメスター制というのか、半期ごとに成績を出すこともあるが、内容的には一年間継続である。

 もっとも、夏休みをはさむと、学生側にもいろいろな事情があるようで、例えば、いつも隣同士で座っていた男女が、休み明けから離れた席に座っていることに気が付いてしまっても、もちろん、こちらは知らんぷり・・(^◇^;)
(えっ、学生たちは1学期の授業をちゃんと覚えているものかって?ううむ・・(謎))

 さて、新学期がはじまり、私も例によって、定刻からやや時間を見はからって(笑)教室へと向かった。
 前期と同じ教室では、いつものざわざわとした学生たちのおしゃべりが聞こえてくる。
 前期の試験についてのゴタクを述べたり、なんだかんだの事務用件を済ませ、また、ドイツ語の授業が始まる。平和な日常が戻って来た・・のであろうか(^^ゞ

 授業を終え、学生たちと一緒に教室を出て廊下を歩いていると、前を歩いていた学生が、ふと、言った。

「ねー、ドイツ語は時間割に501教室、って出てたよねー?」

「え〜、そーだっけ?」

 ええ、と私も耳をそばだてた。今、出て来たのは前期と同じ、601教室であったのだ(爆)

「でもねー、501に行ったらねー、誰もいなかったんだあ?だから、601でいいんだよね?」

 あとで、手元の時間割表を確認すると、確かに教室は501となっていた(汗)しかし、翌週以降もあいかわらず601教室で授業は続いている(爆)
 追い出されることも締め出されることもなく、それならまあ、いいか、と、「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」を決め込むことにした(おいおい)


(1998/10/17)