「全」文学史
法則から歴史まで、藤井青銅が今までに出した著書を一挙公開。
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日 本人はなぜ破局への道をたどるのか?
日本近現代史を支配する「78年周期法則」
ワニブックスPLUS新書
882円 '12年8月発売

藤井青銅、最 初で最後のノーギャグ本です。

「なんか、日本はどんどん駄目になってないか? なぜなんだ?」
という疑問の答えを探すために、日本近代の前夜「幕末」までさかのぼってみたんです。
そうすると、
「今の日本の閉塞感は、戦前に似ている」
「今の日本の混乱は、幕末みたいだ」
…と最近よく言われることの答えが、(おぼろげながら)見えてきたのではないか…と。

かつて、僕自身も「日本の近現代って、なんかもやもやしてて、難しいなあ」
と敬遠してました。
そんな「ボンクラだった高校時代の自分」に向けて、書きました。
なので、かなりわかりやすくまとめてあると思います。
右にも左にも傾かず、冷静であることにつとめました。

戦国武将や幕末の志士に萌えるのもいいんですが、
自分の国の、ここ百年ばかりのことをよく知らないのって、問題じゃないかなぁ…。

ところで、なぜ「ノーギャグ」にしたのか…にはいくつか理由があります。
一つには、この本は第二次世界大戦や、この前の東日本大震災についても触れています。
心を痛める人がいるので、笑いを封印しました。

理由はあと二つばかりあるのですが、それはナイショ。
少しぐらい秘密があってもいいでしょ?
(78年周期とか、ちょっとトンデモっぽく見えるのは、まあ、読者サービスです)


ラジオに もほどがある 小学館文庫
620円 '11年4月発売

放送作家、構成作家、脚本家、 シナリオライター、台本屋…番組において「作家」はいろんな呼び方をされます。私は、そんなのなんだっていいじゃないか…と思ってますがね。

作家にはいろんなタイプがありますが、私はプロデュースに興味があるんですね。だから、伊集院光やいっこく堂という才能が世に出るお手伝いをしたのが、楽 しかったわけです。そこらへんの記録を書いています。

小学館のサイトには、「あらゆる職種や個人に必要とされる『現代人のプロデュース論』となっている」という紹介の文章があります。
たしかに、そういう一面もあります。「いま自分がやっていることは、どこに向かっているのか?」ということを、人はつい忘れがちですからね。

巻末に、「オードリーとの対談」があります。二人は、なかなか興味深いことも語ってくれました。

もう一つ、「藤井青銅全ラジオ番組」という資料もあります。膨大な資料と格闘しつつ、(これは、私の遺書を作ってるんだろう か?)と、ちょっと思ったりもしましたが…。
これはなにも私の仕事を誇示したいわけではなく、「すべての番組にはたくさんのスタッフがかかわっている。それを記録として残すことが必要」という思いか らです。「スタッフLOVE」であり「裏方LOVE」です。
大げさにいえば、そういう気持ちが、すべての職種における「文化」というものを育てるんじゃないですかね?

→電子書籍版には、いっこく堂に書いた腹話術脚本がついてます。

メアドな 日本語「略語クイズ」 小学館
500円 '10年9月発売

ワンコイン(500円)の、お 手軽なコトバ本です。
クイズ形式で出される略語が500問あるので、「略語一つ(解説・ウンチク付き)=1円」になりますね。
たかが略語と、あなどるなかれ。どんなものが収録されているかというと…

キャミ、ワンピ、ラノベ、スタバ、フリマ……などという、カタカナ略語の三文字化

やぶへび、鴨ネギ、敵本、紀文……などという、意外に古くからある略語

東宝、DHC、TOTO、カネボウ……などという、実は略語企業名

就活、婚活、デパ地下、リア充……などという、新しい略語

現代社会でよく使われる、知ってるつもりの略語、実はよく知らない略語にスポットを当ててみました。

よくある、新奇な若者略語本(大学の先生が、学生にバイト代を払って集めた新語・流行語・略語本。実はほとんど使われていない言葉が多く、すぐに廃れる言 葉だらけ)とは違います。
ああいうのは、世の中の流れにずれてるオジサン評論家たちは喜ぶけど、世間の実態を表わしてませんからね。

これは、小学館が誇る「日本国語大辞典」編集部と一緒に作ったので、ご安心ください。
詳しい解説と、略語をめぐる日本人の心理考察が読みたければ、前に出した「略語天国」の方も、あわせてお読みください。
1時間でパッとわかる  なるほど現代世界史 静山社
680円 '10年6月発売

この本は、大学とか高校のある、いわゆ る学生街にある本屋さんで売れているようです。
日本人はみんな、内心「学校で近・現代の歴史を教えてもらっていない」という不安があるからだ、と思います。

これは学生が悪いのではなく、現在の日本の学校のやり方では、現代史をうまく教えられないからだ、と思います。意地の悪い言い方をすれば、「あえて、あま り教えないようになっている」とすら言えます。

偉そうに言ってますが、実は私も近・現代史にはコンプレックスをいだいていました。
そこで、かつての私ならこんな本があれば嬉しく思うだろう、という気持ちで書きました。

これまで、日本史については何冊か本を書いてきましたが、世界史については初めての本です。

笑ふ戦国史 芸文社
1500円 '09年10月発売
  

この本の前書きは、なぜか織田信長が語っています。
が、その内容は「超日本史」でも「歴史Web」でも書いてる同じこと。

「権力が欲しい」「金儲けがしたい」「我が子が可愛い」…なんていう心理は、戦国時代だって今だって同 じ。そのためにやってることも、今とたいしてかわってない。4〜500年前も今も、やってることはだいたい同じ…という主旨です。

歴史上の人物や出来事を、あんまり神格化し、特別視しない方がいいんじゃないか…というのが、僕の基本的スタ ンスなんですね。
誰も彼も超人的なヒーローに仕立てあげるのが最近の流行りですけど、へそ曲がりな僕は、つい「そうかあ?」と思っちゃうんですね。

ここではコント(マンザイ)形式で、戦国武将たちがドタバタを演じています。が、もちろん僕のことですから、史実をいかに面白く変換するか、ということを 楽しんでます。
「浅井朝倉マンザイ」「山内一豊と千代夫婦のデュエット」「備中高松城水攻めでの、間者のダジャレ」「毛利元就と武具商人の会話」「加藤清正と虎との哲学 的な会話」…なんてあたりを「ギャハハ、バカだな…」と笑ってもらえればいいんです(こうして項目を並べただけで、かなり無茶な本だということがわかりま すが)

この本で、ややこしい歴史的出来事を、「ああ、あれはそういうことだったのか!」と理解してもらえれば嬉しいなあ。

→これが電子書籍「戦国つぶやき合戦」になりました。
あんまりな名前 扶桑社
1200円 '08年7月発売

植物に、ずいぶんあんまりな名前のものがあるな、とは以前から思っていた。
海の生き物の、とくに深海の生物もそうであるな、とも思っていた。
昆虫にもあるぞ、と思っていた。

それぐらいなら、まあ、誰でも感じることだ。なにも私が本にすることはない。
が、「ラフォーレ原宿新潟」という名前を知った時、「むむむ!」と思ったのだ。
その連想で「原宿シャンゼリゼ会」という名前と「山口東京理科大」という名前を思い出した時、植物や昆虫の名前と併せて「これは私の仕事かな」と 思ったんですね。

路線的には「略語天国」の流れです。

ここで「コトバの博物学」というキーワードが浮かびました。
博物学というのは、いささか時代遅れの、素人芸っぽいガクモンですね。
日本だと本草学。ひたすら収集と分類をしてるだけ。

振り返ってみると、「TV・マスコミ『ことば』の真相」「団地になった男」「略語天国」「あんまりな名 前」…というラインは、コトバの博物学なのかもしれない。

歴史Web 日本文芸社
1200円 '08年1月発売

「お前はいったい、何がやりたいんだ!?」
と言われれば、それはそうなんでしょうね。なにせ、前作「ラジオな日々」の次が、この大ケレン本なんですから…。

「『超』日本史」に次いで、二冊目の歴史本です。
実は、どっちの本のまえがき(あとがき)にも、同じことを書いてるんです。
「歴史は、『歴史上の人物』が作ったのではない。権力が欲しかったり、金儲けしたかったり、女にモテたかったり、愚痴ったり、他人をねたんだり……という 『私たちと同じ人間』が生きてきた蓄積が、結果として歴史になっただけ」

念のため言っておきますが、Webへの書き込みをまとめて本にしたのではありませんよ。
すべて本のために、あらたに作ったものです。

これもまた、「面白がり方の提案」ですね。歴史の。

全国の学校の先生へ……
この「ホームページ学習法」とでも言う遊びは、いい勉強の方法になりますよ。
「さあ、あなたも歴史上の誰かになったつもりで、ホームページかブログを作ってみましょう」
という課題を出してごらんなさい。「どんなタイトルにするか?」「何を訴えたい?」「どんなコンテンツを並べる?」「リンク先の友人は誰?」「どんな書き 込 みがありそう?」……などなど、ページを一つ作るだけで、歴史的事実の総合理解が進みますよ。お薦めです!

ラジオな日々−80s RADIO DAYS− 小学館
1600円 '07年4月発売

実話に基づいた小説です。この本に登場する有名人は、松田聖子、大瀧詠一、伊藤蘭、横山やすし、小林信 彦、吉村達也、星新一…その他多くの声優のみなさん(敬称略をお許しください!)。一見、ギョーカイ内幕小説のようです。そう思って読んでもらっても構い ません。

「夜のドラマハウス」、「夢で逢えたら」という番組や、ヤマト、ガンダム、ナウシカ時代の「オールナイ トニッポン・スペシャル」の話も出てきます。当時を知っている方は、懐かし本として読んでもらっても構いません。そういえば最近、80年代が再評価されて ますからね。

「ぼく」という主人公が、放送作家兼作家になっていく話です。作家志望者、放送作家に興味ある方が、そ のノウハウ本として読んでもらっても構いません。ドン上野という実在の人物(凄い名前でしょ?)にシゴかれて育つのですから、これは教育本としても読め るかもしれません。

ところで、
「何かになりたいけれど、自分が何になれるのかわからない」というのは、
多くの人が青春期に抱く悩みではないでしょうか? 
この本の「ぼく」の場合は、それがたまたま作家だった。
他には、ミュージシャンの場合もあるでしょう、漫画家の場合も。あるいは料理人かもしれないし、花屋さんの場合もあるでしょう。銀行マンや、なにか製品の 開発者、お医者さん、学校の先生……などなど数限りなくある。

そういった、誰にでも、いつの時代にもある「愚かで、一所懸命で、世間知らずな青年期の物語」になって いれば嬉しいな、と思っています。
表紙と本文中にもある、木内達朗さんのイラストが素敵ですよ。


略語天国 小学館
1200円 '06年7月発売

辞書の後ろの方に「IMF」や「ASEAN」といった略語のオマケ辞典がついていることは、よくある。 そういうお勉強チックなのじゃなく「セクハラ」「泥縄」「デパ地下」などといった、日常使う略語の辞典はないのか? と思ったのが、この本を書くキッカ ケ。

なかったのだ。意外なことに。
で、例によって前人のいない分野だと燃える性格なので、書いてしまった。
もっとも、辞書ではなく、略語エッセイのようになったが。ついでに略語検定も作り、長年不思議だった略語成立の理由まで考察してしまった。

たぶん、「若者カタカナ略語の3文字化」を、はじめて指摘した本です。
これでぼくは、略語界の金田一となった!(のか?)

結局のところ、ぼくが一貫してやってきたのは「面白がり方の提案」なんだな。東洋一もそうだったし、ギャル文字、芳賀ゆいも……と今さらにして気付いたわ けです。


誰もいそがない町 ポプラ社 1300円 '05年11月発売
誰もいそがない町

ショートショート集……とは言い切れない。いわゆるショートショートと、童話と、詩と、なぜかマンザイ をミックスしたテイストを狙って書きました。
編集者と話し合い、こだわったのは「手元に置いておきたくなる本」です。
内容はもちろん、フォントも、編集者があえて古いデザインのものを指定しています。実は、ひらがなのフォントと漢字のフォントは別のものから持って来て 使っているんだとか。
紙質にもこだわって、手に持つとしっくりと肌になじむ感じ。ずっと、触っていたくなる本です。

ま、最近の青銅節とは違いますが、こういう部分もまた、青銅印です。

自分でも驚いたのは、あえて離れた方向に進んで来たつもりだったのだけど、星新一さんから受け継いだも のがけっこう自分の中にあったんだなぁ、ということでした。

→これに加筆し、分冊にして電子書籍「これはみんな、きみの話」になりました。


東洋一の本 小学館 1300円 '05年4月発売
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「また藤井青銅がヘンなものを見つけた……」と我ながらあきれていたのだが、これが実は深く大きなテー マだった。なんと言っても、日本人なら誰でも知っている「東洋一」という言葉が、実は日本の主要国語辞典のすべてから抜け落ちている! という事実の発見 には驚いたね。
「東洋一」は、言葉のエアポケットだったのだ。

あなたはどこまでが「東洋」だと思います? 日本に、「東洋一」はいくつあると思います? 「東洋」と 「東洋一」についての多くの発見がある本となりました。

この本をキッカケに、日本国語大辞典(精選版)に「東洋一」の項目が採用された。藤井青銅は「日本の国語辞書 に東洋一を載せた男」となりました!

団地になった男
図らずも歴史に名を残しただいたい60人の男とほぼ5人の女たちの物語
朝日新聞社 540円 '02年9月発売
団地になった男 なんだかショートショート集のようなタイトルで すが、そうではありません。
当初は「あなたの名前は歴史に残るか?」というタイトルを考えていたことから、その内容はおわかりでしょう。
この手の語源本、雑学本はすでにたくさんあるが、どれも資料としていいかげん。あまりに無責任な記述ばかりなので、自分で調べて書いてしまったのがこれ。
大変でしたが、おかげで類書のない本ができました。

→これに加筆して電子書籍「語源にされた人々」になりました。

TV・マスコミ「こと ば」の真相 メディアファクトリー 952円 '01年3月発売
TV・マスコミ「ことば」の真相 連載時から、いつもより少し辛口にしようと思っ て書いていました。毎回載るのは少しずつだったから気付かなかったのだけど、こうしてまとまってみるとけっこうホンネが出ていて、なんだか、自分で自分の 首を締めているなぁ、と弱ってしまった企画です。
★★読者レビュー

実に6年振りの新刊、非常に楽しませてもらいました。さすが青銅印の本、無駄な知識に加え今回は毒舌も 混じって、ダン池田のように芸能界を追放されないよう心配しています。連載は終了しましたが、是非第二弾も出版してほしいです。

(あおち)

初めて読んだ先生の作品です。
本屋でいろいろ探したけど、見つからなく、図書館でやっと見つけたのを覚えています。

(いすゞ)


「超」日本史 扶桑社 485円 '96年1月発売
「超」日本史 驚くべきことに、出版から8年もたって、急に売 れ始めた。これは出版界の奇跡なのか? くすぐりがずいぶん古いのは、そういう理由なので勘弁してもらいたい。けれど内容に関しては、当然、影響はない。 2000年の歴史に比べれば、8年なんてどうってことないのだ。
超日本史 扶桑社 1100円 '95年2月発売
超日本史 古舘伊知郎さんに書いたカセットブック(そんなジャンルがあったので す!)「とんでもなくよくわかる日本史」が大元。それを原作に始まったのが「古舘伊知郎のトーキングブルース」です。
で、トーキングブルースの第二回用に書いた台本が「ストレスの昭和史」。
以上二つを合わせて、この本になったのです。
★★読者レビュー

『学生時代、必死に年号を覚えたのに…全く頭に残っていない』という大人向けの本。軽妙な青銅節で日本 史がすらすらわかります。社会人の教養書としてぜひ一読を。

(まさゆき)


宇宙の法則2 3Dス テレオコラム集 徳間書店 1300円 '93年6月発売
宇宙の法則2 第二弾を出させてくれたということは、前作がそ こそこ売れたんだろう。
パート1をあげたら、大瀧詠一さんがわざわざ「面白いよ」と電話をくれて、とても嬉しかったなぁ。
で、図々しくもこの本では、その大瀧さんをはじめ、前作を面白いと言ってくれた有名人からもらった法則を載せてます。
このパート2が出て半年ばかりたったころか、「マーフィーの法則」が出ましたね。
むこうは大ベストセラーに。おかげで、ぼくの方が便乗本扱いされてしまった・・・アハハハ。ま、勝てば官軍とはよく言ったものだ。
み〜んながやってる宇 宙の法則 徳間書店 1165円 '91年1月発売
宇宙の法則 書き下ろしのエッセイ集というのは、初めての経験でしたね。
このテの企画は、番組のコーナーに向いている。だから実は、これを思いついた時「番組に使おうかどうしようか」と迷ったものです。
で も結局本にして、そのあと、ニッポン放送で番組にしてもらうという「一粒で二度おいしい作戦」にした。この番組が、すごくよかったのだ。だってこの本の文 章を読んでくれるんですよ。森本レオさんが、森山周一郎さんが、ニッポン放送一ナレーションが上手いうえやなぎアナが。これは感動モノでしたね。
★★読者レビュー

僕が読んできた本の中で最高傑作と言っていいほどの一冊(いや、二冊 か)「放送作家というのはここまで細かいところまで観察するのか」と衝撃を受けた僕には『マーフィーの法則』ごときはなんの感銘も受けませんでした。当時 は藤井青銅ファンとしてとても歯がゆかったです。しりあがり寿さんとのコンビも最高でした。これからも藤井さんには元祖法則作家としていろんな法則を生み 出してほしいです。

(あおち)


笑う20世紀 実業之日本社 760円 '94年3月発売
笑う20世紀 ショートショート集なのに、ノベルの判型で出し たせいか、おそらくあまり売れてないと思う。
ところが、これをNHKFMのラジオドラマにしたところ、人気に。以来、書き下ろしドラマで、パート2,パート3・・・と続き、FMでは人気シリーズに なってしまった。
パート5ぐらいまでやって、世紀が代わって今も「踊る21世紀」シリーズとなって続いているのだから、世の中わからんもんである。
★★読者レビュー

NHKの青春アドベンチャーでの笑う20世紀で、恐怖の駅前商店街を聞いたとき、思わず「あっこ!」と 叫んでしまったおいら・・・
しかしこういう人も多いでしょうねぇ〜@笑
ところで、笑う20世紀の本は絶版と言うことで手に入らない@涙
どこかで手に入りませんかねぇ〜?絶版で絶賛発売@謎

(笑って許して!)

この本買いたいんですけど、絶叛らしくかえないなんて〜涙
誰か譲ってください!!

(hiro)


クールボイスでささや いて 徳間書店 390円 '92年8月発売
クールボイスでささやいて このイラストを書いてくれた赤井孝美さんが、の ちに画集をお 出しになった時、 ここでの絵も入れていた。その時のコメントとして、主人公の設定がトンデモない小説、とあったんですね。ぼくとしては少し変わっている程度だと思っていた のだが、「トンデモない」と言われて、ガーン!「ぼくの感覚は世間の常識とズレているのか・・・・」と、フクザツな気分でした。友情出演として、死人にシ ナチクシリーズのキャラも、チラッと登場しています。
★★読者レビュー

「シナチク」と同路線でアニメージュ文庫から刊行された作品です。
今度は藤井青銅さんのホームステージとも言えるラジオ局へ舞台を移してのお話です。
リアルかパロディーか分からない業界の皆さんと真面目なのか不真面目なのか分からない裏社会の皆さんに囲まれた,(電波に乗れば)クールボイスの高校生が 繰り広げる冒険?活劇です。
「シナチク」に続いてシリーズ化が期待されてましたが,我々読者のPUSHが弱かったのか残念ながら二作目は刊行されませんでした。
「シナチク」とも微妙にリンクしておりますし,「あの雰囲気が気に入った!」という方はぜひ読んでみてください。
もちろん,今回も素敵な替え歌の数々が収録されております。

(可押)

今でもふとした時、本書に収録されている『ラブストーリは突然に』のパロディ歌詞を思い出し、笑いが込 み上げてきます。

(てけてけ)


アロワナ・ガール 徳間書店 390円 '92年4月発売
アロワナガール 当時、まだ徳間書店にいた鈴木敏夫編集長が「藤 井さんに、これまでとちょっと毛色の変わったものも書いてもらえ」とおっしゃったとかで、これを書きました。シナチク・シリーズとは別の色で、ぼくは楽し かったんですが、読者はとまどったみたいですねえ。
★★読者レビュー

タイトルとイラストを見て,「同姓同名の別人の作品なのか?」と考え込まされた作品です。
でも,中身を読めば一読瞭然な藤井さんの作品でした。 業界の裏話的なエッセンスを交えながら語られるストーリーと,その中に感じられる暖かさは藤井青銅さんの作品に共通のものです。
シナチクシリーズと同じアニメージュ文庫から刊行されてますが,ヤングアダルト向けの内容と結末ですので,静かに活字を味わいたい20歳前後の方にお薦め です。
ちょっと一味違った藤井青銅さんの作品を読んでみたい方もいかがでしょうか。

(可押)


超能力はワインの香り 富士見書房 460円 '88年12月発売
超能力はワインの香り ちょうどこの本を書いている時、一緒に番組を やっていた斎藤由貴ちゃんにあげたらいたく気に入ってくれ「面白い。これ、ドラマになったりしないんですか?」と言われたなぁ。
もちろん僕の心の中では「あなたがどこかで、やりたいって言ってくれれば実現するのに」と思ったんですけどね。当時は僕も慎み深かったから、そんなこと口 に出して言えなかったけど。
これは、出版社のお金で某ホテルに館詰めとなって書きました。でも夜中、一人で書いていると、なんだか不気味な感じがした。あとで聞くと「そこは荒俣さん が帝都物語を書いた部屋です」とのこと。本当かどうか知らないが、妙に納得したね。
★★読者レビュー

私も青春アドベンチャーで知った口です。面白かった。最近小説を手に入れたんですがラジオドラマ版とは 少しストーリーに違いがある気がします。ラジオドラマのほうを録音できなかったので定かではないですが。

(ばふんうに)

NHK−FMの青春アドベンチャーでラジオドラマ化されたものを聞いたとき、なんておもしろいんだろ う、と思いました。その後、藤井さんのいろいろな作品を聞きましたが、この作品を越えるものはないのではないか、とまで思っています。

(常磐 金成)

数年前(結構前です)青春アドベンチャーで知ったのだけれど、ホントおもしろかった。本が今買えないの が悔しい。

(たろう)


プリズム・ショット 徳間書店 420円 '88年11月発売
プリズムショット ショートショート集。ちょっと甘いもの、センチ メンタルなものを集めてます。
中に「春風のドレス」という話があって、これが人気が高い。タイトル通り、藤井青銅らしからぬ甘く美しい話なのですが、実は僕も、この話が好きなのです。
★★読者レビュー
 

愛と青春のサンバイマ ン(文庫) 徳間書店 400円 '89年4月発売
資料なし サンバイマンのギャグは、SFアドベンチャー掲 載時→新書版→文庫版と、流行ものを取り入れて微妙に進化しています。
ぼくをこの世界に入れてくれた故・星新一さんは世相風俗を扱わないことで作品の寿命を延ばしました。
ヘソ曲がりなぼくは師とは逆に、この作品にはわりと世相風俗を意識して入れてみました。
というのは、古い作品は世相風俗こそが面白い、という見方もあるからです。
愛と青春のサンバイマ ン 徳間書店 680円 '87年11月発売
愛と青春のサンバイマン 笑わせるという点についてみれば、今までのところ一番レベルが高いのがこ の本でしょう。
これは、前回のアニメブーム(つまりヤマト、ガンダム)が終わりかけた頃、連作で書かれたもの。
それから15年たった今回のアニメブーム(エヴァンゲリオン)でも、
世間ではその時とまったく同じドタバタが繰り返されていたことに、大笑いです。
その意味で古びてないわけで、われながら驚きです。
ちなみにこの本は、入手困難王・藤井青銅の中でも、最も手に入りにくいもののようです。
★★読者レビュー

NHK-FMのサウンド夢工房(現・青春アドベンチャー)での放送に 運良く遭遇、その歌に度肝をぬかれ原作を探しはじめました。数年後、運良く「サンバイマン」を数冊持っている知人から文庫版を1冊譲り受けることが出来、 それ以来、サンバイマンの虜です。読み終えたあとには、麻雀で「坊や〜よい子だチョンボしな〜」と歌わずにはいられない1冊。

(かゆう)


楊大人の野望 徳間書店 390円 '90年8月発売
死人にシナチク3 これがシリーズ第三弾。初の長編です。
前二作より、少し対象年齢を上げました。ジュラシックパークより先に恐竜ものを書いてしまった。とはいえ、コナン・ドイルをはじめとする先行作品がいっぱ いあるのは承知の上ですが。
これを橋渡しに、シリーズをもう少し大人向け離陸させようと試みた作品です。
修学旅行狂躁曲 徳間書店 420円 '88年2月発売
死人にシナチク2 前作に気をよくしての第二弾。今度は書き下ろし。
気分を盛り上げようと、銀座のホテルに館詰め(自費)になってみたものの、はしゃいじゃって仕事にならず、えらく手間取ってしまったのを覚えている。
が、これはぼくの書く世界の、ある意味ひながたになっていると思う。
死人にシナチク 徳間書店 420円 '87年7月発売
死人にシナチク1 記念すべき、藤井青銅最初の本。それが、こんなふざけたタイトルでいいの か・・・・という問題はあるが。これ、ポンポンと増刷がかかり、わりとよく売れました。
「なんだ、本なんてものはけっこう売れるんだ」と思ってしまったのが運のつき。
以来、私の本は、ご存知のように、一部の方には大変評価されるものの、バカスカ売れるとはいえないですねぇ。
★★読者レビュー

アニメージュ連載当時はあまり気にとめていなかったのですが、単行本で読んだとき笑い泣きしたのを覚え ています。それ以来青銅ファンになったのは言うまでもありません。「天才虚弱王」青銅ここにありの必読の名作です。

(まさゆき)

当然?ながら私が藤井青銅さんの名前を知った初めての作品です。
当時からオタクな学生だった自分は,ある雑誌を介してこの作品と出会ってしまったのが運の尽きで,そのままズルズルと藤井青銅さんの世界に引きずり込まれ てしまい今に至ってます。
こう書くとオタクな小説のようですが,時事オタクネタこそあるもののその根底にあるのは「海底二万海里」等ジョブナイル小説の精神です。(と信じてます)
「十五少年漂流記」や「神秘の島」にワクワクした気持ちをもう一度味わいたい方はぜひ手に取って読んでみてください。年齢など関係無く楽しめる作品(シ リーズ)です。
でも,オタク知識がチョッピリ?は必要かも・・・。

(可押)

僕も藤井青銅さんを知った初めての本です。それ以後狂ったかのように古本屋を回り藤井青銅さんの本を探 しまわったのを覚えています。

(正光)