「もっとよくなるはずだ。しかし現実の世界、いま生きているこの世ではそれは実現しない。それは前の世で自分が善い行いをしていなかったからだ。つぎはもっとよくなりたい。そのためにいまの世でよいことを積み重ねよう。」
こう考えるのが仏教です。タイの人たちが善行(ブン)をつむことを大切に考えるのはこの発想です。
因果応報の発想はヒンズー教もおなじです。インドでは仏教はヒンズー教の分派ないし異端の一つとみなす考え方もあります。
仏教の要旨はつぎのようです。
人間の苦悩には、生老病死の4つある(四苦)。苦の原因は誤った見方にある。(怒り、むさぼりなど)。人間の欲望が苦しみをもたらす。したがって欲望を断ち切ることが人間の苦悩を除き人間の救いとなる。
欲望を断ち切るためには正しい行いを実践しなければならない。正しい行いには8つある。(八正道)
この道を行うことで悟りに導かれる。
仏教の基本的な発想は、欲望を制御することにあります。