上座部仏教

上座部仏教では、現世の行いがよいと、次の生ではたとえば王にうまれます。悪い行いがおおいと貧民・賎民にうまれ苦労すると信じられています。
日本仏教では、この輪廻の考えは弱いように思います。たとえば浄土系では、地獄におちるか西方浄土へゆくかのどちらかの運命が強調されて、人間界の階層・階級のなかに生まれ変わってよりよい暮らしになるか、ひどい生活になるかは、あまり問題にされません。日本人の人生は一回かぎりのもので、次の生でよい暮らしができるかどうかはあまり意識されないように思われます。

「もっとよくなるはずだ。しかし現実の世界、いま生きているこの世ではそれは実現しない。それは前の世で自分が善い行いをしていなかったからだ。つぎはもっとよくなりたい。そのためにいまの世でよいことを積み重ねよう。」 こう考えるのが仏教です。タイの人たちが善行(ブン)をつむことを大切に考えるのはこの発想です。
因果応報の発想はヒンズー教もおなじです。インドでは仏教はヒンズー教の分派ないし異端の一つとみなす考え方もあります。

仏教の要旨はつぎのようです。
人間の苦悩には、生老病死の4つある(四苦)。苦の原因は誤った見方にある。(怒り、むさぼりなど)。人間の欲望が苦しみをもたらす。したがって欲望を断ち切ることが人間の苦悩を除き人間の救いとなる。
欲望を断ち切るためには正しい行いを実践しなければならない。正しい行いには8つある。(八正道) この道を行うことで悟りに導かれる。

仏教の基本的な発想は、欲望を制御することにあります。


more about Teravada Buddhism : http://sunsite.au.ac.th/thailand/religion.html#4

copyright Eiji Takeuchi, 1995
Your comments and suggestions to : mv4e-tkuc@asahi-net.or.jp

return to eiji-home