- 小淵沢駅からのタクシーは混雑していて整理券番号10番だった。ちょうど3番が呼ばれたばかりだった。駅横の売店に入りコーヒーを飲みながら待った。
- タクシーで着いた観音平は霧に覆われていた。ミズナラなどがきれいで、気持ち良く歩くことができた。風が吹くと、木に着いた霧が雫となって落ちてきた。押手川から編笠山山頂にかけてはハクサンシャクナゲが咲いていた。
- 編笠山山頂には15人ほどの登山者がいた。霧に覆われ展望は得られなかった。編笠山から岩のゴロゴロ転がった道を下って行くと青年小屋に着いた。この日のテントは40張ほどで、なかなかの賑わいだった。
- 二日目も霧だった。霧の中を権現岳に向かった。岩場ではチシマギキョウが咲いていた。権現岳の山頂は狭かった。斜めの岩場でザックを置く場所を探すのも難しかった。幸運なことに山頂では霧が晴れ富士山が見えた。
- 権現岳を過ぎると長い下りの梯子があった。梯子が終わり、岩場を下って行くとツルネと呼ばれる平坦地でコマクサがたくさん咲いていた。
- 赤岳への登りは連続する鎖場も有って大変だった。その代わり、チョウノスケソウやキンロバイなど、あまり見慣れない花も多く、けっこう楽しめる道だった。最後のワンピッチでは雨も降ってきた。風も強く、つらい鎖場の登りになった。
- 赤岳の山頂は20人ほどの登山者で賑わっていた。幸い雨はやんだものの、霧で展望は全くなかった。風も少し強かった。風を避けられる岩陰に座りコーヒーを湧かして飲んだ。赤岳からの最初の下りでも雨が降った。
- 横岳の先までは、梯子や鎖が続き険しかった。それでも、あまり長い登りは続かないので、権現岳から赤岳までよりは、だいぶゆとりを持って歩くことができた。横岳付近にはウルップソウが咲いていた
- 横岳から硫黄岳山荘への下りになるとコマクサがたくさん咲いていた。硫黄岳山荘から硫黄岳へは、霧の中、ケルンを頼りに登った。硫黄岳の山頂部は平らでケルンがなければどこが山頂だかさっぱり分からなかった。少し赤岳鉱泉の方に行き過ぎてしまい戻って山頂に着いた。
- 硫黄岳からはジグザグに斜面を下る道だった。風が強かった。夏沢峠が近づいて樹林帯になり、ようやく風が治まって落ち着く事ができた。夏沢峠からはシラビソの森をオーレン小屋に向かった。オーレン小屋のテントは約25張りだった。
- 最終日は晴れていた。メボソムシクイとルリビタキが鳴くシラビソの森を天狗岳に向かって登り始めた。
- 箕冠(みかぶり)山を少し下ると視界が開けて来た。東側に雲海が見えた。足元にはコマクサがたくさん咲いていた。
- 鞍部の白砂新道との合流点から一登りで東天狗の山頂に着いた。展望を楽しんだ。次々と登山者が登ってきた。
- 東天狗から岩のゴロゴロした道を下って行くと、やがて樹林帯に入り中山峠に着いた。中山峠からの下り始めは急坂で鎖が設置されていた。やがて緩くなってくるとシラビソの快適な森林浴の道になった。本沢温泉からの道が合流すると、古いレールが左右に有る道になった。どうやら昔、森林軌道が有った様子だった。
- ミドリ池のしらびそ小屋前には多くの人がいた。犬を連れて散歩に来ていた家族連れはチーズケーキを食べていた。ミドリ池越しに稲子岳の絶壁が見えた。
- 稲子湯まで下り、食堂でビールを飲みながらバスを待った。バスには40人近くの乗客がいた。若い乗客が多かった。