- 双六小屋のテント場で、同行者が湯をこぼし、足の甲に直径約5cmのやけどを負ってしまった。しばらく冷やすことにし、いったんは下山する事に決めた。冷やしている間に、名残を惜しむため一人で樅沢岳まで行ってみた。槍・穂高連峰がよく見えた。テントに戻ると、同行者は「診療所で包帯を巻いてもらったので、このまま登れる」との事だった。予定通り、西鎌尾根を登ることにした。
- 再び登った樅沢岳では、すでにガスが出ていて、槍ガ岳は見えなくなっていた。樅沢岳からの道はアップダウンの繰り返しだった。コバイケイソウ、ウスユキソウ、ウラジロタデなどのお花畑があちこちに有った。表銀座に比べると登山者は少なかった。時々、槍ガ岳の山頂がガスの中から顔を出した。
- 千丈沢乗越の手前から岩場の登りになった。数箇所鎖場があった。千丈沢乗越から急で単調な登りになった。時折右手から涼しい風が吹き上げてきた。ペンキマークが多くなり、やがて槍岳山荘に飛び出した。
- テントを張った後、山荘でカレーライスを食べ、ビールを飲んだ。テントに戻り、昼寝をしている間に夕立がやってきて土砂降りの雨になった。夕方、雨がやんだので山頂まで行ってみた。途中の岩場は湿っていて滑りやすかった。山頂からは大喰岳と笠ガ岳がうっすらと見えただけだった。
- 翌朝、やや曇っていたが、視界は遠くまで開けていた。山頂まで行ってみた。山頂は30人ほどの登山者がいた。360度の展望だった。歩いてきた裏銀座を感慨にふけりながらながめた。
- テントを回収し、新穂高温泉へ下山することにした。槍平への下りでは、トリカブトなどの花がたくさん咲いていた。槍平からは迫力のある涸沢岳の稜線が見えた。槍平には、この先「雨が降ると増水して危険」の表示が有った。最後、穂高平小屋からはバスの時間を気にして走ったが、結局、5分遅れで間に合わなかった。無料の風呂があったので汗を流した。