- 落合からの車道の登りではエゾハルゼミがたくさん鳴いていた。新犬切峠先の展望地では奥秩父主稜線の山々が見えた。三ノ瀬からは未舗装の作業道になった。ミツバツツジがあちこちで咲いていた。将監(しょうげん)小屋まで登り幕営した。他のテントは3張りだった。赤ワインを飲んでくつろいだ。
- 二日目、余分な荷物をテントに置いて出発した。竜喰山(りゅうばみやま)は針葉樹に囲まれていた。1999m峰付近はシャクナゲがたくさん咲いていてきれいだった。所々咲くシャクナゲを見ながら進み、最後の岩場を登ると大常木山(おおつねきやま)に着いた。展望が良く、北には和名倉山が見えた。
- 将監峠に戻り、今度は西御殿岩を往復した。こちらも山頂手前の岩場にシャクナゲが咲いていた。山頂は展望が良く、和名倉山が見えた。この日、登山中には誰にも会わなかった。テントに戻り焼酎を飲みながらくつろいだ。テント場は我々だけだった。夜になって雷雨になった。
- 三日目は快晴だった。テントを撤収して和名倉山に向かった。山ノ神土(やまのかんど)から和名倉山への稜線に入ると、少し笹が被り歩きにくかった。笹には水滴がたくさん付き、ズボンや靴が濡れて不快になった。やがて道は良くなり快適になった。右手奥には富士山も見える良い天気だった。
- 西仙波(にしせんば)付近ではたくさんのシャクナゲが見頃だった。東仙波では尾根を間違えて東に進みそうになり気がついて北への尾根に戻った。東仙波北の1990m峰付近はダケカンバの新緑がきれいだった。ゆっくり歩いていると健脚の男性単独行者が抜いて行った。
- 川又への分岐を過ぎ、二瀬分岐近くまで登ると先ほどの男性単独行が下山して来た。「山頂には誰もいない」との事だった。二瀬分岐からは若木の多いカラマツの森になった。新緑がきれいだった。
- 山頂は針葉樹に囲まれていた。高く上がった日が差して心地よかった。休んでいると男性単独行者二人がやってきた。一人は愛想の良い人で、「二百名山、三百名山を登っています」と昼食のトマトをくれながら自己紹介してくれた。しばらく山の話をしてから「お気を付けて」と挨拶して山頂を後にした。
- 二瀬分岐に戻り秩父湖への道に入った。しっかり踏まれていて歩きやすかった。北のタル付近は苔がきれいだった。水場への途中で単独行者二人とすれ違った。誰も来ないと思っていたので驚いた。水場からはトロッコ跡の水平道だった。緑を楽しみながら歩いた。反射板跡からは急な下りになった。
- 秩父湖にかかる長い吊橋を渡り車道に出た。ゆっくりと秩父湖バス停に向けて歩いていると、車に乗った人に声をかけられた。地元の役場の人だった。和名倉山に登ってきた事を伝えると、「最近、人気が有って問い合わせが多いんです。今度、行ってみなければならないと思っています。」と話していた。