- 寒い日だった。行きの小湊鉄道車窓からは霜の下りた畑が見えた。養老渓谷駅では日向のベンチに座って腹ごしらえをした。駅から梅ヶ瀬渓谷までの道脇では、畑に霜が下り、池は凍っていて寒々としていた。これからの沢歩きが思いやられた。
- 梅ヶ瀬渓谷入口の駐車場には車が一台停まっていた、渓谷沿いのハイキング道に入り、水流をトンネルで通す「川廻し」を左に見ると最初の徒渉地点に着いた。日向の川原で準備して入渓した。
- 沢の水は冷たかった。しばらく我慢して歩いていると靴の中が体温で少し温かくなり耐えられる温度になった。水はくるぶし程度だった。深い箇所は避けて通った。
- 左に枝沢が分れた所に次の「川廻し」が有った。トンネル内は深さが膝上まで来るのでハイキング道へ迂回した。やがて膝上まで来る釜が有った。ここもトンネルではないものの「川廻し」らしかった。ハイキング道へ迂回する事にした。途中は古い川跡でぬかるみがひどかった。ふくらはぎまで泥に浸かった。迂回後に沢に戻り泥を洗い流した。釜の上まで戻り、日の当たる岩棚で休憩した。
- しばらく遡行するとハイキング道が川原を通っていた。登山者2人とすれ違って驚いた。沢の横壁には、つららが下がっていた。
- 大福山への登り口で遡行を終了した。ベンチに座ってコーヒーを飲んでいると、ハイキング道を女性が登ってきた。「登りですか、下りですか」と聞かれ、「これから大福山に登ります」と答えた。
- 少し上流の日高邸跡を往復した。この間の水流はほとんどなくなっていた。分岐に戻り大福山への尾根道を登った。照葉樹の森から植林へと変わっていった。
- 車道に出た所には日高翁の石碑が有り、休憩所が有った。先ほどの女性が来て「どこが山頂か分からない。神社には標識も無かった」と言っていたので「神社が山頂です」と教えてあげた。「もう一回行ってみる」と言って戻って行った。やがて女性が不満そうに戻ってきたので「少し下に展望所が有ります」と教えてあげると、お礼を言って下って行った。
- 展望所の下を通ると女性の姿が見えたので我々も行ってみた。あいにく展望台は老朽化のため立入禁止になっていた。周囲は木が茂り展望は無かった。それでも「大福山展望台」の標識が有り、女性に頼まれて写真を撮ってあげた。
- 車道を急ぎ足で下ったので、予定一本前の小湊鉄道に乗る事ができた。
- 今回は冬でも南房総の沢には行けることが分かり、それなりに満足した山行だった。