- 小海駅から予約のジャンボタクシーに乗り込んだ。今回は9人のグループだった。稲子湯の奥の「みどり池入口」には車が10台停まっていた。数日前の新雪が30cmほど積もっていた。出発準備をしている間に更に車が4台到着した。
- カラマツの森を登り始めた。良い天気で木の影がきれいだった。道は良く踏まれていて歩きやすかった。途中で4人の外国人グループに抜かされた。
- 周囲はやがて針葉樹の森になった。斜めに坂を登っていくと平坦な道に出た。すぐに「しらびそ小屋」に着いた。ベンチに積もった雪を払って座って休んだ。みどり池の向こうに雪を抱いた天狗岳が見えた。時々日が当たって影ができると迫力が有った。
- 「しらびそ小屋」からは足跡が少し減った。中山峠への道を分けると足跡は更に減り、5-6人が通っただけになった。つぼ足では歩きにくかったのでワカンを付けた。途中で雪が降り出した。本降りになった頃に外国人のカップルが下りてきた。降る雪を眺めながら「良い天気ですね~」と挨拶をされた。どこから来たのか聞くと、男性はオーストラリアで女性はカナダからとの事だった。「遠くからですね」と言うと「今は八ヶ岳でいっしょだ」と言われた。
- 本沢温泉に着いた時は本降りの雪だった。小屋に入る前に服に付いた雪を同行者に払ってもらった。夕食後には雪はやんでいたので風呂に入って暖まった。本沢温泉の宿泊は約30人だった。
- 翌朝は晴れだった。小屋の外の気温は-12℃だった。小屋番氏の情報によればトレースは夏沢峠の手前までとの事だった。予定の夏沢峠から天狗岳へのコースは無理と判断し、いったん、みどり池近くまで戻り、天狗岳を迂回して中山峠に行くことにした。出発すると、すぐにテントが2張り有ったので驚いた。みどり池手前の分岐まではワカンを付けた。
- 中山峠への道はよく踏まれていた。標高2150m付近まで登ったところでアイゼンを付けた。雪が降り出した。時々下ってくる人がいた。中山峠が近づくと急になった。小さい雪崩の跡を見ると、直線的な登りになった。夏道はジグザグに付けられている様子だった。
- 最後の急坂をピッケルを使って登ると中山峠に着いた。急に風が強くなった。寒いのですぐに出発し、黒百合ヒュッテの前まで来て一休みした。本降りの雪だった。10人ほどの登山者が休んでいた。小屋の玄関の温度計は-7℃を示していた。天狗岳方面はガスで見えなかった。
- 黒百合ヒュッテからの下りもアイゼンは付けたままにした。すれ違いが多かった。やがて少し降りが治まってきた。暑くなってきたのでフリースを脱いだ。
- 渋ノ湯前には登山者が10人ほど休んでいた。入浴組と待機組に別れる事にした。雪が降り続き、待機組はすっかり体が冷えてしまった。駐車場のトイレだけは暖房が効いて暖かく快適だった。