- 前日、知人に支笏湖まで送ってもらった。翌朝は約10cmの新雪が積もっていた。雪降る中、丸山遠見へ出発した。
- 最初は足跡の無い千歳川沿いの歩道をつぼ足で進んだ。T字路からは自転車道を進んだ。丸山遠見への林道入口でワカンを履いた。林道は針葉樹林帯の緩い登り坂で古いスキーの跡が有った。新雪が重くて歩くのが大変だった。
- 最後にらせん状になった林道を登りつめると丸山遠見山頂に着いた。広場の中央に木製の望楼が建っていた。老朽化のため立入禁止で、登り口はベニヤ板で閉鎖されていた。周辺は木立で囲まれていて霧も出ていた。展望は無かった。
- 帰りは近道の林道を下った。少し急でスキーの跡は途中で脇にそれていた。国道に出た後は往路を宿に戻った。行きより雪が増えていてワカンを付けたまま歩いた。結局この日だけで約20cmの新雪が降った。山中では誰にも会わなかった。
- 二日目はオコタンペ湖へ行く事にした。前日のうちにタクシーを予約した。千歳市街から来るとのことで回送料金3000円がかかるとの事だった。当日は晴れだった。迎えのタクシーに乗り込み出発した。予定のオコタンペ湖への林道入口に着くとゲートが開いていた。見張人によれば「車は入れない」との事だった。帰りの時間を予約し、タクシーには帰ってもらった。
- 出発準備中に除雪車が林道をやって来た。若い丸顔のまじめそうな責任者が下りてきて「除雪作業を今日いっぱいやります。ロータリー車が入り危険なので歩く事もできません」と言った。「タクシーを返してしまったんです」と伝えると「下まで車で送ってあげます」と言われた。車の移動だけではハイキングにならず、国道横の自転車道を歩いて戻る事にした。
- 自転車道は積雪約30cmでワカンで歩くのにちょうど良かった。山中の道は代わり映えせず、緩い下り坂は長く感じた。自転車道終点が湖畔のポロピナイ園地で眺めが良かった。駐車場にドライスーツの二人組がいた。「支笏湖を潜った」との事だった。驚いて「何が見えるんですか」と聞くと「藻しか見えない」との返事だった。「歩いているのを見ました」と言われので「オコタンペ湖分岐から支笏湖温泉まで15km歩く」と伝えると、びっくりされ「頑張ってください」と言われた。ワカンを外し、ゆっくりと昼食休憩を取った。出発時に再度駐車場を通ると、別の4人組がドライスーツを着て潜る準備をしていた。
- 湖畔の雪の無い車道を進んだ。やがて対岸に樽前山が見えてきた。やっと着いた支笏湖温泉には中国からの観光客があちこちで散策していた。ビジターセンターに寄ると火曜は定休日だった。不運な一日のとどめを刺された感がした。
- 最終日は七条大滝に行くことにした。行きは自転車道を通ると時間がかかるので除雪されている車道を経由した。
- 分岐点バス停からは2日前に通った自転車道を通った。思ったより早く七条大滝への林道入口に着いた。ちょうど二人組が大滝へ向けて出発して行った。小休止後、我々も林道を歩き出した。20cm程の積雪で車のわだちが残っていた。ハイカーの踏み跡もあって歩きやすかった。つぼ足で歩いた。朝日に照らされた木の影が、雪の上に伸びてきれいだった。
- 「七条大滝」の標識を2回見ると滝の入口に着いた。急な下りの途中で滝を見ていると、毎年来ていると言う長靴の男性が登って来た。「下から見た方がきれいですよ」と教えてくれた。更に林道入口で見た小柄な女性と若い男性が登って来た。女性が「下は氷がきれいですよ」と教えてくれた。余計な荷物を置き、軽アイゼンを付けてガリガリ言わせながら下った。最後に幅約2m、深さ約10cmの徒渉を終えると滝の下に着いた。水がツララになって下がり、日が当たってきれいだった。見とれていると寒くなってきた。上に戻って昼食休憩にする事にした。登りは慣れたせいもあり容易だった。
- 往路を林道入口まで戻ると立派なカメラを持った年配カップルの観光客がいた。「写真を撮りに行きたいんですけれど滝に行けるんですか」と聞かれた。「30-40分かかります」と言うと、あきらめて引き返して行った。