- 奥只見丸山スキー場のリフトを二本乗り継ぎ、ゲレンデ横を歩き出した。この付近の地形は複雑で少し分かりにくかった。標高1205mの丘を越え、雪庇の切れ目から1260m峰に登った。快晴で展望が良く、日帰りでここまで登ったとしたら絶好のスノーハイキングのコースになると思った。
- 1260m峰右端の雪が落ちて岩の出ているところを通過すると、後は日向倉山の分岐までずっと雪面だった。日向倉山分岐に近づくと稜線を未丈ヶ岳へ向かう2人組が見えた。日向倉山分岐には、日向倉山からのトレースが有った。日向倉山分岐にテントを張った。
- 翌朝は冷え込んで雪は硬くなっていた。アイゼンを履いて未丈ヶ岳を目指した。途中の鞍部付近は雪庇が巨大だった。雪庇の端から20mほど左側を歩いた。山頂手前の藪のところで、単独行に追いついた。2泊3日で毛猛山を経て大白川に下山する予定との事だった。浅草岳まで3泊4日で行く二人組が先行しているとの事だった。
- 藪はすぐに終わり、未丈ヶ岳山頂に着いた。雪面が広がり、前回来たときとは比べものにならないほど広々とした山頂だった。
- 未丈ヶ岳北側は広々とした快適な斜面だった。鞍部が近づくと巨大な雪庇が多くなった。雪が少しゆるんできたのでアイゼンを外した。鞍部からは中間部の雪が崩れて壁になった赤柴山が見えた。先行の二人組が雪の壁の下で行きつ戻りつしていた。すぐ上の壁を容易に登れない様子だった。最後は、左手のクレバスの中へと進んでいった。我々は、相談の上、右側の稜線を登ることにした。
- 赤柴山への登りになると急な斜面になった。ピッケルを先頭のI氏に貸してしまったので、とても緊張した。振り返るとあきらめて引き返す単独行が見えた。急坂が終わると、今度はクレバスになった。直接は渡れないので左へナイフエッジになったクレバスの端を6-7m進んだ後、幅30cmのところを渡った。クレバスは深さ7-8m有った。更に雪稜を登っていくと、再びクレバスで雪稜が途切れ先に進めなくなった。右の斜面に迂回して進むことにした。キックステップで慎重に進んだ。山頂近くになると右からトレースが合流し、二人組もうまく通過することができたことが分かった。赤柴山山頂でようやく緊張感から解放された。
- 大鳥岳、三ノ沢山を経て二ノ沢山までは、快適な雪面が多かった。二ノ沢山から一ノ沢山までは藪が少し多かった。一ノ沢山は幕営にも良さそうな平坦地が有ったが、まだ時間が早いのでもう少し進むことにした。