- 羽後朝日岳から和賀岳、真昼岳を経ての縦走も四日目の終盤になった。真昼岳の先の兎平分岐からは行く手に最終目的地の女神山が三角形に尖った山容を見せていた。予定では真昼岳付近で幕営のつもりだったが、天気が持ちそうなので女神山まで足を延ばす事にした。
- 兎平分岐の先で夏道は雪に隠れ雪面の歩きになった。女神山へはいったん左側に進んで谷を回り込み。今度は右手の稜線を目指した。少しぽつりぽつりと雨が降ってきた。稜線への最後の登りは急でキックステップで足場を作りながら登った。
- 稜線に出てから一登りすると女神山山頂に着いた。積雪は20cm位で標識が雪の上に出ていた。はるかかなたに通ってきた和賀岳が見えた。標識と一緒に記念写真を撮った。
- 女神山からは、しばらく幅広の雪の尾根を下った。尾根は左へ緩やかに曲がっていたので、途中で引き込まれないよう右手のブナ林の斜面に入った。勾配の少し緩くなった標高840m付近にテントを張った。テントを張り終わるやいなや雨が本降りになった。
- 夜間の雨は朝にはやんでいた。テントの外に出ると一面の霧に覆われていた。テントを撤収して霧の中を出発した。
- 同じ標高を北西方向に進めば尾根に出るはずだったが、少し登りすぎてしまい尾根を行き過ぎてしまった。30mほど下ってから逆方向に進み目的の尾根に乗ることができた。尾根は最初は雪に覆われていたが、やがて夏道が出てきた。霧が晴れてきて真昼岳が木の間に見えてきた。ブナ林の中ではクロジが鳴いていた。
- 正面に山が見えたところから尾根を左に外れブナ林の雪の斜面を下った。再び尾根に乗ったところがブナ見平で木に付けられた目立たない標識が有った。ブナの新緑が次第にきれいになってきた。
- 斜面を下っていくと「降る滝」の下部に出た。降る滝からは沢沿いに右岸を少し下った後、スノーブリッジで左岸へ渡り、夏道を見つけた。
- 左岸の夏道を下った。女神山の直登コースが合流した後、支流の沢をスノーブリッジで渡った。白糸の滝を上から眺め、デブリを渡った。ところどころに雪の斜面のトラバースがあった。支流の沢を徒渉した先で林道終点に出た。
- 林道はところどころ雪に覆われていた。ヘアピンカーブのところから女神山が見えた。いい加減に疲れ、本流を橋で渡ったところでj一休みした。橋から先は雪は無かった。下前集落手前に冬期車両通行止めのゲートがあった。下前集落でタクシーを呼んだ。
- ほっとゆだ駅では次の列車まで約3時間の待ち時間が有った。風呂に入り、向かいの食堂で天ぷら定食に舌鼓を打った。