- 桜坂登山口の駐車場には他に車が1台駐車してあるだけだった。霧雨が降っていた。レインウェアを着て出発した。
- 新緑の道を登って行った。しずくの音だけがする静かな登りだった。4合目への登りではタムシバやムシカリが咲いていた。5合目を過ぎると残雪が出始めた。6合目付近は夏道右手の雪の急斜面をピッケルを使って直登した。夏道と合流した1400m地点で一休みした。
- 7合目へは雪面と夏道の混ざる登りだった。雪面の足跡は最初は登りの一つだけだったのが、いつの間にかすれ違ったらしく、7合目手前では下りの足跡も混ざっていた。
- 7合目からニセ巻機山までは夏道が出ていた。森林限界を超えた階段の登りだった。最後に少し木道を通るとニセ巻機山に着いた。風も有り少し寒かった。手もかじかむほどだった。霧で視界が30m程だったので、コンパスを避難小屋の方角に合わせて出発した。
- 避難小屋の1階は雪の下で出入口は2階の窓だった。窓の雪囲いの板を外すと扉が現れた。扉の高さは胸のあたりで、よじ登って中に入った。中はきれいだった。雪を溶かして水を作った。トイレのたびに窓をよじ登るので少し不便だった。他の宿泊者はいなかった。
- 夜間は少し風が吹いていた。明け方は冷え込み室温は3℃になった。晴れだった。小屋に余分な荷物を置き、アイゼンを履いて出発した。
- 最初の登りは夏道も出ていた。アイゼンでも歩きやすい雪の上を選んで登った。急な登りもアイゼンがよく効くので快適だった。
- 稜線の分岐点には「巻機山」の標識があった。右手へ夏道と雪面の混ざる所を緩く登ると小さなケルンの有る最高点に着いた。空気が澄み360度の展望で、北アルプスも見えた。
- 帰りは夏道を避けずっと雪の上を歩いた。景色を楽しみながらの快適な下りだった。
- 小屋に戻り、部屋を掃除し、雪囲いの板を元通り取り付けて、お世話になった小屋を後にした。出発前に早くも登山者とスキーの人が登って行った。
- ニセ巻機山まではアイゼンを付けて歩いた。ニセ巻機山からの下りでは次々と登山者40人ほどとすれ違った。7合目への下りでは下山してきたスキーの男性に抜かされた。
- 6合目付近は登山道近くの緩い所を下った。斜面を横切る箇所でピッケルを使った。
- 無事下山し、麓の清水集落で山菜のたっぷり入ったそばを食べて打ち上げをした。