- 電車で高浜に着いた時は泊行きのフェリーが出たばかりだった。次に出る興居島(ごごしま)行きは由良への小さな客船だった。興居島内を歩くことにして由良行きに乗ることにした。乗客は20人ほどだった。
- 由良港から海岸沿いの道を歩いた。砂浜ではサギが獲物を狙っていた。空にはトンビが鳴いていた。海の対岸には松山市街が見えた。船越の集落近くではセイダカアワダチソウが咲いていた。船越の公園で一休みした。暑いので上着を脱いだ。
- せっかくなので船越側から小富士山に登ることにして地形図に従って正岡子規の句碑のところで右折した。車道を登って行った。左側に溜池が有った。池には亀がいた。池の向こうに小富士山が見えた。右側に溜池を見るとすぐに稜線に出た。稜線を左に少し進み、みかん畑の中に入った。みかんはまだ青々としていた。振り返ると松山市側とは反対側の海が見えた。標高80m付近まで登ると道がなくなってしまった。引き返すことにした。
- 下の溜池のところまで下ると軽トラック横で作業をしている男性がいた。「こちらから小富士山に登る道ありませんか」と聞くと「昔は有ったが今は泊港からの道しか無い」との事だった。「溜池のところで左に曲がると泊港からの山道に出る」との事だったので上の溜池のところまで戻って一休みした。しばらくすると先ほどの男性が軽トラックでやってきた。「乗っていけ」との事で泊港からの登山道のところまで送ってもらった。
- 小富士山登山道標識のところから登り始めた。よく整備されていた。この時期に登る人は少ないらしく蜘蛛の巣が多かった。ストックで蜘蛛の巣を払いながら登った。
- 「笠石さん30m」の標識を左手に見て、しばらく登ると社の有る山頂に着いた。社の横から松山市側の展望が得られた。少し先へ進むと反対側の海の展望が得られた。蚊が多く、あっという間に5箇所ほど刺されてしまった。早々に山頂を後にした。
- 帰りは「笠石さん」に寄ってみた。大きな岩と小さな祠が有った。
- 車で送ってもらった小富士山登山道標識のところまで下りて一休みした。フェリーがちょうど出発して行くところだった。しばらく休んでから民家の間を通って港に出た。港には待合室が有るだけだった。興居島の小中学校の案内が貼ってあり、「松山市全域から児童生徒を受け入れています」との趣旨の記載がされていた。次のフェリーが入港するまで周辺をぶらぶらした。
- フェリーは出発間際に次々と客がやってきて20人ほどの乗客になった。通学の小学校1-2年の女の子が一人、先生に見送られて乗ってきた。時間になるとフェリーは音も無く出航し、流れの速い海峡を静かに進んで行った。沈む夕日の中に小富士山がきれいに見えた。