- 新穂高温泉からの林道は、時々右側の岩の間からひんやりとした空気が流れてきて気持ちが良かった。ワサビ平でテントを張った。テントは合計4張りだった。
- 夜中に降り始めた雨は、出発時には、ほとんどやんでいた。水を4リットル持って出発した。
- ブナ林の中を登っていった。時折、木からしずくが落ちてきた。2000m付近でいったん樹林がとぎれ草地の登りになった。ササユリがあちこちで咲いていた。ニッコウキスゲの群落があり、満開だった。
- 杓子平では、時々ガスが晴れて稜線が見えた。シナノキンバイやハクサンイチゲが咲いていた。
- 稜線に着いて一休みした。曇りで涼しかったために、水はここまでに1.5リットルしか飲まなかった。笠ヶ岳は最初は雲の中だった。やがて雲が取れ、はっきりと見えてきた。
- 笠ヶ岳キャンプ指定地にテントを設営した。水場は歩いて1-2分の雪渓の末端にあった。山荘でキャンプ手続きをした。テラスでビールを飲んだ。ガスが出たり、晴れたりしていた。ゆっくり休んだ後、ガスの中を山頂に登り始めた。山頂には誰もいなかった。横になって昼寝をした。時々、真上のガスが取れ青空がのぞいた。
- テントに戻り、外で夕食を食べた。この日のテント場は6張りだった。
- 翌朝、ガスで見え隠れする笠ヶ岳を後にした。稜線の西側にはミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ、チングルマが多く咲いていた。西側はハイマツでおおわれていた。
- 秩父平への下りは雪渓の横の急な道だった。雪渓が終わったところにはハクサンイチゲが咲いていた。秩父平は雪が融けたばかりの様相で、コバイケイソウの芽がたくさん顔を出していた。秩父平を下りきった鞍部には登山者が数名いた。右手には荒々しい岩がそびえていて、霧の中に見え隠れしていた。そばにいた登山者が「孫悟空が出てきそうですね」と言った。
- 秩父平から鏡平分岐にかけては、稜線東側にハクサンイチゲ、シナノキンバイ、タカネヤハズハハコなどが咲いていた。雷鳥の親子がお花畑の中を歩いていた。ガスが晴れ始め穂高連峰が見え出した。
- 鏡平分岐からは急に人のすれ違いが多くなった。鏡平では、槍ヶ岳が池に写り、きれいだった。
- 鏡平からは急ぎ足で石畳の道を下った。ワサビ平小屋の水場で、もう一度、冷たい水を飲んだ。
- 新穂高温泉からのバスで松本に行く旨を伝えると、無線で平湯温泉で接続する高山発松本行バスに連絡を取ってくれた。平湯温泉で待っていたバスに乗り換えた。松本で祝杯のビールを一気に飲み干した。