- バスを下車して曇り空の中を歩き始めた。林道をしばらく進むと登山口で水場が有った。水筒を満タンの2.5リットルにして山道を登り始めた。初日は尾白山の手前、1278mピークで幕営した。雪は1278mピークに近づくと少し出てきた。
- 二日目は雨だった。クロジが鳴いていた。尾白山山頂標識は山名が反対側を向き、しかも倒れかけていたので見落として先に進みかけてしまった。尾白山からは登山道は無かった。
- 尾白山の西峰を過ぎると、ところどころにある雪面を拾いながら歩いた。丸山への登りは藪で苦労した。丸山山頂はテニスコートほど広さの雪面だった。丸山からは藪と雪を繰り返しながら稜線を進んだ。1526m峰への登りになるとようやく雪が続くようなって歩きやすくなった。1526m峰への最後の登りは急でピッケルを少し使った。
- 1526m峰から小手沢山へ向かう途中の小ピークは藪がひどかった。ツルが足に絡んで容易に進めなかった。小手沢山でようやく藪漕ぎから解放された。予定では、もう1ピッチ進むつもりだったが、翌日、軽い荷物で城郭朝日山に往復することも考えて、小手沢山の北側の山頂直下に幕営した。テントを張る頃にようやく雨がやんだ。携帯が通じた。夜はフクロウが鳴いていた。
- 三日目は曇りだった。重たい荷物をテントに置いて城郭朝日山に向かった。最初の下りを少し右に寄りすぎてしまい、行く手の稜線に戻るために浅い谷を渡った。デブリが有ったが、上を注意しながら渡った。稜線は、おおむね南斜面が藪、北斜面は雪を拾って歩くことができた。シジュウカラなどの鳥が盛んに鳴いていた。恵羅窪山山頂は雪に覆われていた。城郭朝日山への最後の2ピッチは藪の連続だった。
- 城郭朝日山山頂は背丈近くの灌木に覆われスッキリしない展望だった。標識は無く、三角点の頭だけが見えていた。帰りは往路をテントまで戻った。藪の中でストックの先端部1/3をいつの間にか紛失してしまった。テントに戻ったときは疲労困憊で、夕食時もほとんど無言だった。
- 四日目は快晴だった。予定では坪入山まで行く案もあったが、疲労を考慮して往路を戻ることにした。往路同様、雪を拾いながら歩いた。場所によっては雪面の中に木の生えているところが島になっていてきれいだった。藪もブナ林の場合は茂みが浅く、カタクリが咲いている所も有って歩きやすかった。タムシバもあちこちに咲いていた。最後に30mの藪を登って丸山に山頂に着いた。この日は、ここまでにして、早めにテント張って昼寝をしてくつろいだ。
- 最終日は再び雨だった。丸山山頂からの最初の100mの下りはコンパスで方角を合わせて下った。尾白山には我々の後に誰か登ってきたらしく、山頂標識が我々が来た時とは180度逆を向いていた。
- 初日の幕営地点を過ぎ、稜線を下って行くと、ミズナラの新緑が登りの時よりきれいになっていた。イワウチワ、ムラサキヤシオツツジ、咲き始めのシャクナゲを見ながら下った。登山口まで下るとようやく雨がやんだ。林道をバス停まで下り、向かいの神社で休みながらバスを待った。