- 初日、登山口は雨だった。レインウェアを着て出発した。杉植林からやがて新緑のきれいな広葉樹の森になった。周囲は霧に包まれていた。やがて笹が出てきた。梯子が有り、ブナの木が有った。
- 保井野の別れからは木が無くなり笹原になった。ようやく雨はやんできた。最後に分岐から脇道に少し入ると電波反射板の建つ山頂に着いた。霧で展望は得られなかった。堂ヶ森から避難小屋への下りでようやく霧が晴れてきて周囲の山々が見えてきた。愛媛大学の堂ヶ森避難小屋はきれいで快適だった。水場はチョロチョロで3人分を汲むのに20分程かかった。
- 二日目は曇りで周囲の山々が見えた。最初は笹原の登りだった。笹に付いた水滴で下半身と靴がずぶ濡れになった。五代の分れからの巻道が終わると道は刈払いされていて歩きやすくなった。時々霧が出てきた。二ノ森では霧で展望は得られなかった。二ノ森からは木の根を掴む急な下りだった。
- 西冠のコルを過ぎると北側斜面の霧が晴れてきて正面に目指す石鎚山が見えた。稜線は誰もいなくて快適だった。岩場にはアケボノツツジがきれいに咲いていた。
- 面河(おもご)からの道を合わせ、やがて三ノ鎖の下に出た。登山者が増えた。鎖を迂回する階段を一登りすると山小屋の有る弥山山頂に着いた。霧の晴れ間を待って、最高峰の天狗岳に向かった。
- 岩場の道はアケボノツツジがきれいだった。以前使われていた岩の下の道は植生保護のため閉鎖され、岩の上を行く道だけになっていた。以前よりも難しくなっていた。天狗岳山頂には小さな祠と賽銭箱が有った。弥山への帰りは慣れたせいか行きより楽に感じた。
- 弥山から二ノ鎖の下まで階段を下った。ウグイスが鳴いていた。土小屋への尾根道に入るとアケボノツツジやムシカリが多く咲いていてきれいだった。この日は土小屋の国民宿舎に宿泊した。
- 三日目は朝から本降りの雨だった。雨の稜線を風に吹かれながら瓶ヶ森へと縦走した。子持権現山分岐付近はアケボノツツジがきれいだった。瓶ヶ森の登り口まで来ても雨は降り続いていた。瓶ヶ森山頂はあきらめ、水浸しの笹原を通って避難小屋へ直行した。避難小屋はきれいだった。レインウェアを脱いで濡れた衣類を乾かし、スープを飲んで体を暖めた。
- 下りは東之川に向かった。最初の急斜面では、アケボノツツジやムシカリがきれいだった。斜面が緩くなるとヤマシャクヤクの群落が有った。清楚なたくさんの白い花に感動した。
- 雨は次第に小降りになり、登山口に着く頃にはやんでいた。帰りの西条駅までのバスの乗客は我々だけだった。