- 初日、上高地バスターミナルのバス待ちの大勢の登山者を見ながら小梨平まで歩いてテントを張った。小梨平のテントは30張り程度だった。
- 翌朝、テントに余分な荷物を置いて、暗いうちに出発した。明神に着く頃には、すっかり明るくなった。明神には猿の群れがいた。明神橋を渡り、養魚場跡から木橋を二つ渡って登山道に入った。
- 最初はコメツガの森だった。9月の台風のせいらしく、幹の直径が80cm近く有る大木が2本倒れいていた。やがて涸れ沢の登りになった。右手に白ガレを見た。
- 涸れ沢は10cm位の石の多い道で歩きやすかった。ペンキマークが付けられていた。正面には明神岳がそびえていた。次第にカラマツの黄葉がきれいになっていった。宮川のコルが近づくと、小さな崩れやすい小石が多くなった。登りにくなった。
- 宮川のコルで、ケルンと石に巻いたテープに導かれて涸れ沢を離れ、右に曲がった。斜面を横切る道になった。
- 岩と草地の斜面を横切って進むと、岩稜が近づいてきた。岩稜手前で少し下ってからダケカンバの生える道を岩稜に沿って登っていった。
- 少し登ると明神岳での遭難者のレリーフが3つ埋め込まれた岩壁に出た。地面が少し平らになっていたので一休みした。
- レリーフからはまっすぐにひょうたん池の有る鞍部を目指して登った。鞍部にはダケカンバが生えていたので目標にした。岩のゴロゴロした草地の道だった。
- ひょうたん池は長さ10m余りのひょうたん形の小さな池だった。薄氷が張っていた。落ち葉が氷の間に閉じ込められていた。池のすぐ上の鞍部が10m四方ほどの平坦地になっていたので荷物を下ろして休んだ。空気の澄んだ日だった。見上げると明神岳の岩峰が迫っていた。少し右手には前穂高の三本槍が見えた。すぐ南の霞沢岳の山頂近くは、うっすらと雪が付いてい白くなっていた。1時間ほど休んで帰る頃になると、ひょうたん池の氷は溶けていた。
- 帰りは往路を下った。宮川のコルでは少し風が吹いていた。宮川のコルからの下りは足元から小石が崩れて歩きにくかった。カラマツの黄葉を楽しみながら下るうちにコメツガの森に変わり、やがて養魚場跡に出た。
- 明神には観光客が多かった。ベンチに座って生ビールで乾杯した。大休止後、小梨平まで戻りテントで宿泊した。
- 最終日、夜の間降っていた雨は朝にはやんでいた。濡れたテントをたたんで上高地バスターミナルに戻った。