- 夏は沢登りばかりだったので、今回の権現山への山行は、久しぶりの本格的登山だった。バスを終点の浅川で下車した。他の乗客は単独行者1人だけで我々より少し先に出発していった。
- 曇り空の中、落ち葉の多い林道終点から山道へと入った。尾根を登って行くと浅川峠だった。先行の単独行者の鈴の音は我々の進む方向とは反対側の扇山方面へと向かっていた。
- 権現山への尾根は、植林と広葉樹の混ざる森からコナラ、ミズナラの森へと変わっていった。足下にはドングリが落ちていて秋の気配が感じられた。
- 稜線の分岐点から少し右へ進むと権現山山頂に着いた。誰もいなかった。南側、北側それぞれの展望が有った。時々雲が取れて雪を少しつけた富士山が見えた。
- 分岐まで戻り稜線を、まっすぐ西へと進んだ。左側が広葉樹林、右側がカラマツ林だった。次第に天気が良くなり、木漏れ日を楽しみながらの歩きになった。麻生山付近はミズナラやクリなどの広葉樹の森でクリのイガがたくさん落ちていた。
- 稜線は次第に狭くなっていった。鋸歯状の尾根を進んで行くと3-4mほどの下りの岩場に着いた。足場を確認するには少し身を岩場から乗り出さなければならなかった。結局、4人全員が順番に通過するのに10分近くかかってしまった。下りてみて振り返ると、登る場合はそれほど難しい岩場には見えなかった。
- 細かい上り下りを繰り返す稜線を進み、ようやく三ツ森北峰に着いた。権現山以降で久しぶりに展望が開けた。ここまで時間はだいぶかかっていたものの、まだ少し余裕があった。シートを広げてくつろぐ事にした。おにぎりを食べた後、差し入れのコーヒーと梨をおいしくいただいた。
- ヤマボウシの赤い実を足下に見ながら進むと大寺山に着いた。尾根は広くなり歩きやすくなった。小寺山付近は林道が通っていて少し分りにくかった。GPSで現在地を確認しながら進んだ。
- 林道跡の下りからやがて踏み跡の道へと入って行った。鹿ネット横の道になると少しヤブ気味になった。うるさい枝を手でよけながら下っていくと西原(さいはら)峠に着いた。
- 西原峠からの下りは植林が多かった。急なジグザクの道を通り、最後に斜面をトラバースして進むと小寺の人家の横に出た。
- 小寺からはバスで猿橋駅へ戻った。駅では、次の電車まで30分近くあったので、自動販売機でアイスクリームを買い、ホームのベンチに座って食べながら充実した山行を振り返った。