- 雨の中、石徹白(いとしろ)上在所(かみざいしょ)の神社前を出発した。林道は歩き始めるとすぐに雪が出てきた。標高850m付近からは雪面が連続するようなった。
- 雨は途中で雪に変わった。和田山牧場跡の先にある平坦地を足跡に従って薙刀(なぎなた)山を目指して進んで行った。やがて山の斜面の登りになった。林道跡に出てしばらく進んで行くと推高谷に出た。標高1250mの谷の浅くなったところで反対側に渡った。薙刀山南東の台地を目指して急坂を登って行った。雪は再び雨になった。足跡を見失い少し左寄りに登りすぎてしまったため、台地に出るまで予定より100mほど高く登らなければならなかった。木のそばの平らになった場所にテントを張った。
- 翌日は晴れだった。テントの中は-1℃だった。アイゼンを付け暗い中を出発した。すぐに薙刀山と野伏ガ岳を結ぶ稜線に出た。少し雪庇ができていた。
- 薙刀山山頂で夜が明けた。薙刀山からは足跡が無かった。地形が分かりにくい上に、最初ガスがかかっていたので磁石で方角を確認して進んだ。風が有り、指先が痛くなった。手袋から指を抜いて握って暖めている間に、今度は湿っていた手袋の指が氷ってしまった。そのまま指を抜いた状態でストックをつかんで進んだ。
- 日岸山は風が強かったので、5分程下り雪庇の下の風の避けられる所で休んだ。手袋をシャツの下に入れて暖めた。手をズボンのポケットに入れて暖めた。手のかじかみが取れるまで休んでから出発した。よも太郎山は山頂部に小さな雪庇があり、風が避けられて休むのに丁度良かった。
- 願教寺山への最後の登りは急だった。アイゼンを効かして登った。本来ならピッケルも使いたかったが、手がかじかんでピッケルをつかめなかったので、爪を引っかけないよう注意して登った。
- 山頂は霧に覆われていた。硬い雪のため予定より約1時間早く着いた。反対側から6人組が登って来た。
- 山頂からの下り始めは崖に突っ込む感じで自分の足跡がなければ躊躇する感じだった。ピッケルを使った。
- 進むに従い雪はゆるみ足は雪にもぐることが多くなった。手袋も暖かくなって来た。天気は次第に良くなり、願教寺山の雲もすっかり取れ、白山の別山も見えてきた。
- 薙刀山下の平坦地でテントを回収し、推高谷へ一気に下った。谷に出る直前で雪を踏み抜き腰まで穴に落ちてしまった。和田山牧場跡に着いたときは予定より1時間以上早かったので携帯でタクシーの予約時間を変更した。最後は林道をのんびりと上在所へと下った。