- 権現橋のゲートでタクシーを下り、登山届けを記入してから林道を歩き出した。黄葉の盛りだった。林道終点の登山口に着く直前に雨が降り出した。あわててテントを張った。小降りになったときに少し先の水場まで行った。数年前に比べ水場までの林道は崩れ方がひどくなっていた。
- 二日目は快晴だった。道はしっかり刈り払いされていた。標高1900m付近でいったん展望が開け恵那山が見えた。2214m峰との分岐に荷物を置き中ノ尾根山を往復した。途中の笹原からは富士山が見えた。中ノ尾根山山頂は、数年前と同様、樹林の中にひっそりとしていた。分岐に戻り2214m峰を経て南に向かった。踏み跡ははっきりしなくなった。2095m峰では肩程の高さのヤブで、けもの道だか踏み跡だかはっきりしないところをかき分けながら進んだ。黒沢山まで行き幕営した。
- 三日目も快晴だった。黒沢ガレまでは踏み跡がはっきりせず、磁石で方角を定めて笹藪を泳ぐように下った。1762m峰への途中は笹原の中の紅葉がきれいだった。踏み跡も割としっかりしていた。鹿や猿が時々姿を現した。1762m峰に近づくと笹藪がひどくなった。笹をかき分け、倒木を乗り越えの悪戦苦闘になった。磁石で方角を確認し、高い木を目標にひたすら笹をかき分けて進むことの繰り返しだった。
- ひどい笹藪も1762m峰を過ぎると踏み跡がはっきりしてきて歩きやすくなった。六呂場峠の急な下りではリスがいた。六呂場山を越えると針葉樹が少し増えた。少しヤブ気味で樅の葉が背中に入りチクチクした。
- 笹ノ平が近づくと笹原になった。しばらく笹原を登ると広々した笹ノ平に着いた。先着のテントが1張り有った。テント設営後、水場に向かった。最初は赤テープを目印に笹藪を下り、最後は涸れ沢を下ると左手からの流量の多い沢に出会った。テント場からは下り120mだった。
- テントに戻って一休みの後、不動岳に向かった。踏み跡ははっきりしていた。明るい西日を受けての笹原の登りは快適だった。立ち枯れの木が多く展望が良かった。山頂からは遠く聖岳方面まで見えた。
- 夜、鹿の鳴き声でテントから顔を出すと、満天の星空のもと、鹿が何頭もシルエットになって見えた。
- 最終日は曇りだった。鎌崩ノ頭からの下りは黄葉がきれいだった。戸中川林道の中小屋まで下山したら居合わせた人が水窪ダムまで送ってくれ、車道歩き2時間を省略できた。