- 初日は晴天だった。西野谷の公園の駐車場から登り始めた。最初は林道だった。10分ほどで雪が出てきた。「かえる広場」にはフキノトウがたくさん出ていた。食べるには少し大きくなり過ぎていた。
- やがてフキノトウを少し入れた袋を持った男性が下りてきた。「あまり良いのが取れなかった」と言っていた。粟立山まで行くことを伝えると「気をつけて」と言われた。
- 大きな堰堤を左端で越えると広い雪原に出た。沢が流れていたので石伝いに渡った。
- 雪の踏み抜きに注意しながら登り、標高530mの小さな丘で一休みした。上流の二俣の先に登る予定の尾根が見えた。雪が少なく登るのは厳しそうだった。予定を変更し現在地から直接登る急な尾根に取付く事にした。目印の赤テープが着いていた。ここからはアイゼンを付けピッケルを使う事にした。
- 雪はやわらかで腐り気味だった。重い荷物を背負い雪を踏みしめながらの登りでつらかった。暑さに苦しみ大汗をかいた。尾根沿いの白いタムシバの花に心が癒やされた。雪庇が少しできていた。
- 雪庇の尾根を登って行くと5分ほどの藪こぎが有った。更に上の尾根はヤブが有って厳しそうなので、緩くなった所で尾根を離れた。スキーなら気持ちよさそうな広い斜面を横切ると林道に出た。
- 林道はゆるく山頂の東側を迂回していた。見上げると山頂直下の雪庇が大きく見えた。雪庇が見えなくなった所で林道を離れ斜面を登った。50m程登った標高1050m地点に少し平坦な場所を見つけたので幕営地点とした。雪を溶かして水を作りウイスキーを飲みながら休んだ。
- 翌朝は真っ赤な日の出だった。少し雲が多かった。アイゼンを付けテントに不要な荷物を置いて山頂に向った。夜の冷え込みは少なく雪は柔らかだった。急斜面を登り、雪庇の無いところから稜線に出た。山頂までは標高差約40mの尾根でなだらかだった。
- 山頂は尖っていて少し狭かった。一つ先に少し高くて広い西峰が見えたので、そのまま西峰に向った。鞍部は平坦でテントの適地だった。西峰の奥まで進むと木が途切れて展望が良かった。
- 下りは足跡に従って往路を戻った。テントを回収し、林道から広い斜面へ進み、尾根ではヤブを越えタムシバを見ながら下った。やがて前日の足跡は溶けて分かりにくくなった。ルートを少し外れたところで雪を踏み抜き、足を抜くのに苦労した。最後の急な斜面では3m程滑落し、ピッケルで止めた。
- けが無く無事尾根の取付に戻りほっとした。アイゼンを外し雪原をゆっくりと下った。徒渉箇所はジャンプして渡った。林道は行きより雪解けが進んでいた。
- 下山後は「道の駅あらい」に寄って山菜や野菜を購入し、寿司を食べて疲れを癒やした。