3月26日

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★☆★ 現地取材レポート ★☆★
サッカー

日本代表ポーランド遠征
トルシエ監督の会見より

(ポーランド・ウッジ、ビセウスタジアム)
現地時間午後3時半から

 試合を27日に控えた日本代表、トルシエ監督が、試合会場となる前日の会見を行った。代表は4時からの冒頭15分だけを練習公開とした。なお、ポーランド戦の先発メンバーは明らかではないが、練習では、GKに川口能活(ポーツマス)と楢崎正剛(名古屋)、DFに宮本恒靖(G大阪)、松田直樹(横浜FM)、中田浩二(鹿島)、ボランチに稲本潤一(アーセナル)と戸田和幸(清水)、右サイドに市川大祐(清水)、左サイドに小野伸二(フェイエノールト)、トップ下に森島寛晃(C大阪)と中田英寿(パルマ)の2人を置いて、FWに高原直泰(磐田)と鈴木隆行(鹿島)が入り、12人のフィールドプレーヤーでボールを回していた。

    トルシエ監督の会見(会見場所の音響が悪く、聞こえない部分はカットした):

監督 もちろん明日は試合があるが、外国に出て、人間的にも知らない経験を積むことが重要だ。今回の環境というと、ピッチコンディション、寒さ、当然のことながら、十分な洗礼を受けた昨年のフランス戦の経験もあり、あの教訓をどこまで生かせるかも課題になるでしょう。
 ポーランドのチームは順調に準備を行っていて、難しい試合になるだろう。この環境の中で、我々もしっかりと準備し、どこまで私たちのサッカーが通用するか見たい。
 言うまでもなく、欧州でプレーする4人(中田、川口、稲本、小野)が、どれくらいチームの連携の中で通じるか、それも見たい。しかし彼らに特権を与えるつもりもない(指定席はないとのこと)。

──ウクライナ戦は攻撃的だったが、今回はどういう戦いをするのか
監督 2つの見方がある。ホームでのワールドカップを考えれば攻撃的なチームで挑戦をしてみて、0−4で負けてもおかしくはない。あるいはアウェーという意識で、欧州のチームと同じように勝ち点1(引き分け)を狙う、そういうスプリットも一番いいだろう。
 日本はあまりアウェーに強くない歴史がある。最近ではクラブも中国、韓国に負けている。ですからしっかりとアウェーで戦う文化をしっかり見につけないといけない。
 バランスはとても大事で、ウクライナ戦のように攻撃的に行くことはよくないが、だからといって引いて守るというのもよくない。そのバランスを考えたい。

──ポーランドの試合を見ましたか。誰が一番怖いでしょうか(ポーランドの記者から)
監督 もちろん完璧に見ている。チームの戦術はかなり守備的で中央攻撃が得意。個人なら、ナイジェリアのオリサベレがいるし、マルセイユで以前プレーしていた もいる。彼ら中盤が主にこのチームの特徴を示していると思う。

──昨日、アンリ・ミシェルが(チュニジア代表監督を)辞任したがコメントを
監督 2週間前、電話でディスカッションをしたばかりだ。ネイションズカップ、韓国との試合の結果(ともに敗戦)もあったので、電話でクビになってもおかしくない、と非常に落ち込んでいた。その現象に関しては、チュニジアにとっては監督が変わっていい刺激になるだろう。そういう風に見れば、私たちにとっていいニュースではない。私たちの挑戦は最初の2試合(ベルギー、ロシア)になる。これが鍵である。3戦目は、すでに(一次リーグを)突破したあと臨みたいので、今の話は特に気にはしない。

──欧州で活躍している4人はナショナルチームを気にしてないのか
監督 そういう風に理解してません。要するに、プロの選手としてクラブの仕事をして、クラブの時間に集中することは大事。小野は優勝争いがあるし、川口も下に落ちる可能性もある。中田もリーグで同じ危険性がある。ただし、彼らが代表の消極的な姿勢を見せているとは思いません。

──海外組4人のポーランド戦への期待は
監督 今回、コンディションはテーマではない。小野は3日間おきに試合があるし、中田は1か月試合に出ていなかった。川口、稲本は試合に出ていない。4人には試合のリズムに乗れるかどうかよりも、我々の戦術に溶け込めるか、それが課題になる。

──監督はアフリカでも欧州でも活躍していますが、日本サッカーに何をもたらしたいですか
監督 まず日本のサッカーの現状については、日本にはいい指導者もいるし、ほとんどの選手はいい才能を持っている。これからもし、もたらしたいものがあるとすれば、それは国際経験です。アフリカの選手はどこでも100%、欧州でプレーしているし、私たちのほうといえば、1人しかいない(?)。人間的にも成長するにあたって、海外に出て、つらい経験をしなければならない。その意味で日本のサッカーはまだ遅れている。確かに我々は(W杯への)最終段階に入ったが、ネガティブなプレッシャーを感じない。かなり選手は落ち着いている。今回のグループは特に人間的にいいグループだと思う。個性があるし、少しずつテンションを上げて、音がティ日なプレッシャーを感じないで成長していると思う。

──ポーランドをどの対戦国として想定するか
監督 世界の各チームは高いモチベーションを持っているし、どこかと比較するのは難しい。しかしあえて、というならベルギーかもしれない。フィジカルが強いし、ゲームの展開もベルギーに近いものがある。



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