Y 血 管 腫

何らかの程度の血管腫は新生児の50%に認められるといわれるが,多くは自然に消失する.新生児以後まで続き,時に増悪,拡大する血管腫は次の型があり,予後の推測をして指導する必要がある.
1単鈍性血管腫 angioma simlex portwine mak,capillay hemangioma
出生時ないし生後1−2週ごろまでに気付かれる.偏側性,境界鮮明なピンク色ないし鮮紅色のあざで,表面平滑で皮膚面とも平らであり,指圧で褪色する.好発部位は前額,眉間,上眼瞼,後頭部(毛髪の生えぎわ)などで,四肢,臀部に大きいものをみとめることもある.休の成長とともに拡大するようにみえるが,母斑そのものの 増殖はない.顔面などの淡紅色の小型の斑はふつう生後1年頃まで に消褪することが多いので,放置して経過をみて差し支えない.

2苺状血管腫
naevus vasculosus,strawbey mak,immature angioma
帽針頭大から小指頭大位の境界鮮明な鮮紅色ないし紫紅色の、皮膚から隆起した母斑で,表面は苺状に凹凸のある丘疹または結節である.小児の体の成長に伴って増大するが,拇指頭大から鶏卵大位で発育が停止することが多い.外傷で出血しやすい.生後6カ月から7歳頃までの間に自然に消褪することが多い(80%)ので,当分放置して観察をつづけてよい.

3.海綿状血管腫 angioma cavernosum,matrue angioma
2.より大型で,暗赤色,瘤状に皮膚面より隆起し,蛇行状の血管が透けてみえる如き母斑撫である. この血管腫は自然治癒の傾向が少なく,切除縫合など皮膚科学的治療を必要とする.なおこの型と外観が似ていて,血小板減少を伴う稀な疾患として
Kasabach-Meritt症侯群があり,貧血出血傾向などを伴う