W 先天性股関節脱臼,斜頚

 開排制限がみとめられた場合,生後3カ月 までは経過を追い,なお開排不良ならばX線撮影を行い,先天性脱臼ないし亜脱臼をみとめた際整形外科的治療を行う.脱臼がなくとも3カ月までは開排が不充分な場合があるからであるが,治療は4カ月までに開始すベきである.開排制限がなくとも脱臼の例があるとの報告もあるが,股関節X線撮影は生殖腺への被ばくを無視できないので,必要最小限にとどめたいし,撮影に際しては生殖腺の防護を行う.乳児全例にX線検査をすることは絶対にさける.

斜顔 は向きぐせとの鑑別を必要とし,胸鎖乳突筋に腫瘤をふれる場合に診断する.マッサ−ジ療法を主とするが,自然治癒率が高いので事情によっては母親にマッサ−ジ法を教示して自宅で実施さ,時々受診させることもできよう.骨性斜頚は稀である.