No 98 ことばの遅れ

1歳頃になると多くの子 どもが、「マンマ」「ブーブ ー」と意味のあることばを 話すようになります。しか し、3歳を過ぎてもことば が出ないなど、ことばを話 すことや理解する力が同年 齢に比べて遅いことを「こ とばの遅れ」と言います。 けれども、ことばが遅いと 言ってもその内容はさまざ まです。ことばの問題だけ でなく、ウロウロしていて 落ち着かない、人が話しか けても知らん顔をする、子 ども同士で遊ばせようとし ても中へ入っていこうとし ないなど、日常生活の行動 面での問題が見られる場合 もあります。ことばの発達のためには、 身体の発育、聴力、知能、 発声器官(舌、声帯など) の働きが年齢相応に発達し、 その他にも、社会性や対人 関係が十分に発達している ことも必要です。 では、ことばはどのよう に習得していくのでしょ う。ことばは、人問なら自然 に覚えるものと思われてい る方も多いかもしれません が、決してそうではありま せん。ことばは、親子のふ れあいや生活の中で子ども が必要を感じ学習していく ものなのです。ことばは人 と人の関係の中で育ってい くものなのです。赤ちゃん の頃から人と触れ合い、楽 しむ経験を通して、人と一 緒にいることの楽しさや共 感し合う喜びを知ります。 これがコミュニケーション の土台としてとても大切で す。そして、子どもがお母 さんのそばにいたいと伝え たいと思い、真似をしてこ とばを覚え始めるのです。ことばを育てるために は、子どもが意思を伝え、 やりとりをしたいと感じら れるような環境作りが大切 です。ことばを無理強いし たり、絵本を見せながら教 え込むのではなく、お母さ んが子どもの話しを良く聞 き、子どもが伝えようとす る意欲を伸ばしてあげるこ とが大切です。なお、ことばの遅れにつ いて、心配がある場合には、 早い時期に近くの保健所や 保健センターや専門機関に 相談してください