No95・・・指しゃぶり

あいちゃんは、1歳半、 診察室に入ってきて、おり こうにして診察がおわり、 お母さんと医師が話始める と、右手に人形を抱きなが ら左手の指を吸い始めます。 遊んでいる時は指を吸わな いけれど、暇になると吸っ てしまいます。お母さんは 働いていて、いつも2歳上 のおねえちゃんとお母さん の取り合いです。保育園で は、あいちゃんは指をあま り吸わないと保母さんが言 っていました。 ・指しゃぶりは発達の一つ の場面 赤ちゃんは、生まれてす ぐから、口の端にものが触 るとチュッチュと吸いつき ます。「チュッチュ」という 音に新生児室を見回すと、 生まれたての赤ちゃんが指 を吸っていることがありま す。おなかが空いているら しいです。生後6ヵ月ころ になるとおもちゃに手を延 ばして取ってながめたり、 口に持っていってしゃぶる ようになり、その後しばら くは、なんでも口に持って いく時期がつづきます。お もちゃの代わりに指や手を ながめたり、吸ったりしま すが、2歳すぎから指しゃ ぷりは減っていきます。 「幼児健康度調査」による と、指しゃぶりは2歳児約 15%、3歳児13%、4歳児 11%、5〜6歳児11%です。 ・3歳以降の指しゃぷりは 「開咬」の原因になります。 指しゃぷりをしている子 どもが3歳になったら、 「おねえちゃんになったか ら、もう指を吸うのをやめ ようね」と働きかけましょ う。指しゃぷりを続けると、 上あこと上の前歯を前に押 し出し、下面ごと下の前歯 を後ろに押しやるので、奥 歯の噛み合わせは正しいけ れど、上下の前歯の問にす き問ができる「開咬」にな ります。ひどいときには、 発音が不明瞭になったり、 食べ物を飲み込みにくくな ることがあり、菌とあこの 矯正が必要になります。指 しゃぶりを減らすには、指 しゃぷりをしかるのではな く、じゅうぷんに遊んだり、 相手になってやること、そ して指しゃぶりが減ってき たら、子どもをほめてやり ましよう