No93・・・いびき

いびきは睡眠中に弛緩し た軟口蓋が振動し、発生す る異常な呼吸音です。大人 顔負けの大きないびきをか く子どもがいますが、いび きに呼吸をしない症状(無 呼吸)を伴うか否かにより 早急な処置が必要かどうか が決まってきます。生まれ て間もない赤ちゃんで、下 顎の発達の悪い為に舌が後 退し、特に睡眠時に舌の付 け根の落ち込み(舌根沈下) が起こるといびきをかき、 呼吸ができにくくなりま す。このような赤ちゃんに は歯がまだ生えていない場 合には舌を前方に出し、固 定し、舌根沈下を起こさな いように手術をします。し かし歯が生えてくるとこの 手術はできませんので睡眠 中の姿勢を、側臥位にした り、鼻からチューブ(エア ーウェイ)を挿入したり、 まれには気管に穴をあけそ こから一時的に呼吸する手 術(気管切開)を行い、呼 吸の状態を改善し、成長を 待ちます。幼児期では扁桃 腺肥大とアデノイド増殖症 が問題になります。アデノ イド、扁桃腺が大きいと鼻 がつまりやすいので、口を 開け口呼吸をし、いびきを かきやすくなります。夜間 眠りが浅く、昼間でも眠り やすくなり、注意力が散漫 になります。また胸郭の変 形(鳩胸)も伴うことがあ ります。時には睡眠時に無 呼吸症状が出現します。無 呼吸の時間が長くなります と心臓の機能や肺機能に負 担がかかりますので、この ような子どもさんには睡眠 時の呼吸状態をモニターす る簡単な器械を装着し、無 呼吸の持続時間と回数とに より扁桃腺の摘出術とアデ ノイド切除術の適応を決め ております。私たちの病院 では全身麻酔下に手術を し、約一週間の入院治療を 行っています。またいびき をかく子どもたちの多くに 肥満傾向が認められますの で、栄養指導も行っていま す。