No91・・・左利き

「天才に左利きが多い」。 そういえば、ダ・ビンチや ミケランジェロも左利きで した。 そもそも人問の体はほぼ 左右対称にできていますが、 大脳は左右に分かれていて 右脳が左半身を、左脳が右 半身を支配しています。ま た、運動や感覚などのほか にいわゆる知能の面でも右 脳と左脳とで働きが違って いることも分かってきまし た。つまり、左脳は言語や 論理的思考、あるいは「物 事を順序立てて考える能力」 に関係しているのに対して、 右脳はイメージや芸術的能 力、あるいは「ぱっと見て 理解する能力」に関すると いわれています。してみれ ば、左利きの人は右脳がつ よく、イメージやアートに 高い能力をもち、いわゆる ひらめき型が多いというこ とになります。芸術家や天 才に左利きが多いのもこう いう理由からでしょうか。 「左利きって子どものう ちに直しておいたほうがい いでしょうか」お母さんか ら時々聞かれる質問です。 確かに字を書くこと以外に も左利きの人には使いにく い道具が世の中に多く、将 来不自由しないようにとい うお気持でしょう。しかし、 元来左利きの人は右脳を使 って手足を動かすのが得意 なわけですから、それを左 脳に肩代りさせるというの は優秀な右脳を使わずにい るようなものではないでし ようか。 ところでアインシュタイ ンなどの伝記をみると天才 と呼ばれる人達が学校で読 み書きや学習で苦労したと いう話は少なくありませ ん。しかし彼等は言葉で表 わせなくても豊かなイメー ジの世界に住んでいたので あって、決して能力そのも のの問題があったわけでは ないのです。偏差値で能力 をはかる前に子ども一人一 人の個性を尊重することが いかに大切かよく分かると 思いませんか。 もし、お子さんが左手を 使い、ひらめき型のユニー クな一面を持っているな ら、まずその個性をよく認 めてあげてください。そし て自然に、自信を持って得 意な左手を使えるようにし てあげたいものです。