No89・・・父親の役割

゛タバコを食べてしまった一 ゛といってあわてて来院され る乳児は少なくありませ ん。お母さんは目分の不注 意と不安で動揺していま す。ところでどれだけの量 を食べたのか確かめて下さ い。乾いたタバコの葉をな めた程度では問題を起こし ません。 異物を誤飲した時どうす るのか、まずは誤飲した物 や量によって治療が異なる ことを知っておいて下さ い。吐かせるといった動作 (催吐)は誤飲の基本的対 応ですが、家庭で上手くで きるでしょうか。

灯油や漂 白剤の誤飲では催吐の際に 誤って化学性肺炎を起こす ことがあり催吐はするべき ではありません。解毒目的 に牛乳を飲ませることはい ろんな理由で逆効果のこと もあります。まずは適切な 医療機関、または日本中毒 情報センターに連絡をとり 正しい指示を仰ぎましょ う。 誤飲は大半が2歳以下の 乳幼児で占められていま す。誤飲内容はタバコが最 も多く、次に医薬品、防虫 剤や乾燥剤などの家庭用化 学製品、硬貨、体温計、ボ タン電池などと続きます。 タバコ一本あたりのニコチ ンの毒性は乳幼児の致死量 に相当します。誤飲後30分 から数時間以内に嘔吐、下 痢、興奮といった症状が出 現します。ただし速やかな 胃洗浄が必要なのは灰皿の 底にたまったタバコの浸出 液を飲んだとき、タバコを 2p以上飲み込んだとき、 飲んだ量が不明のときです。 防虫剤や乾燥剤などの化学 製品の場合は内容種類を確 認して連絡をとりましょう。 硬貨の場合は入っている位 置をX線検査で確認します。 体温計水銀は問題ありませ ん。ボタン電池の場合は医 療機関で速やかに摘出しま す。小児の誤飲事故は床で 生活する日本は欧米に比べ 多いといわれており、家庭 での誤飲事故防止のための 生活配慮が必要です。胃洗 浄をはじめ誤飲の処置はと ても苦しいものです。今一 度乳幼児に危険はないか生 活パターンを考えてみて下 さい。 日本中毒情報センター 大阪中毒110番0990-50-2499(ダイヤ ルQ2有料、365日、 24時間対応)。タバコ誤飲専 用ダイアル06-6875-5199