No85・・・紫斑病

大切な子どもさんの皮膚 にふと気がつくと、赤いあ さや青いあざが出ているこ とがあります。これらを透 明な物差しで押しつけても 色が消えることがない場 合、赤いあざ出血斑青 いあざ紫斑と呼んでいま す。通常は強くものにぶつ かったり、強く掻いたりし た場合に出ることが多いの ですが、何もないのにちょ っと打っただけで出たりす る場合は少し注意が必要で す。皮膚だけでなく鼻血が なかなか止まらないといっ た場合もあります。

また、血友病の場合は関 節に出血をおこして腫れた りします。普段、私たちの 体の中では@血小板、A凝 固因子、B血管の3つの因 子が力を合わせることによ って血を止める仕組みにな っています。従って原因も これら3つの要因に分けて 考えることができます。

まず一つ目は血を止める 働きをする血小板が減少し ている場合です。血小板だ けが減ってくる血小板減少 性紫斑病や、他の赤血球や 白血球も減少する再生不良 性貧血、異常な白血球が増 加する白血病等の場合が面 o、いずれの場合も入院し て池。口療する必要があります。 念のため病院を受診するよ うにしましよう。

二つ目は血友病に代表さ れるような血液の中の凝固 因子が何らかの原因で減少 する病気です。筋肉や関節 の中に出血することが多く 筋肉や関節が腫れることに よって気付かれます。

三つ目は血管性紫斑病 (アレルギー性紫斑病)と いう病気です。風邪をひい たあとに起こることが多 く、手や足の出血斑に加え 手や足の関節が腫れたり、 おなかの痛みを訴えます。 おなかの痛みは、ひどいと きは真っ赤な血便を伴うこ ともあります。多くの場合 これらの症状は、1-2ヶ 月で治まりますが、経過中 に腎炎(紫斑病性腎炎)を 起こすことがあります。い ったん腎炎が起こってしま うと治療経過も数年にわた る場合があり注意が必要で す。赤いあざ(出血斑)や 青いあざ(紫斑)は多くの 場合心配しなくて良い場合 が多いのですが、これらの 症状が続く場合は一度かか りつけ医に相談することを お勧めします。