No105・・・じんましん

時間外の患者さんからの 電話の内容で案外多いの が、じんましんです。じん ましんは体に何らかの原因 が加わった時にアレルギー 反応が起こり、血管内の血 漿成分が組織の中に漏れ出 て赤く浮腫状(膨疹)とな ったものです。子どもの場 合、ほとんど一過性ないし、 急性じんましんで、1か月 以上も続く慢性じんましん はほとんどありません。し かし最近は、環境の悪化か、 1〜2か月位くりかえすケ ースが多くなっているよう に思います。じんましんの 原因はというとお母さんは 食品や薬と思われることが 多いのですが、現実には、 不明の場合が多いようで す。もちろん摂取した直後 に腫れてきたといった場合 はあきらかです。いつもは どうもない食品でも病気、 疲労が加わってじんましん がでることもあります。診 察室では、熱、咽頭痛など 上気道炎に伴ってじんまし んを見ることもしばしば で、細菌による場合も多々 あると思います。物理的刺 激によるじんましんもしば しばみられます。プールや 風呂から上がった時、寒い とき、外から室内へ入った 時にでるのは、寒冷じんま しん、温熱じんましんと名 づけられます。1〜2か月 位くりかえす慢性的なじん ましんの原因は分かりにく いのですが、なんらかのア レルゲンに気候の変化、感 染、体調の変化等が加わっ て続くのではないでしょう か。それに精神的ストレス も関係するようです。試験 や試合の前になると、かゆ くなる。お母さんが「こん なのわからないの」と叱る とポッポと赤くなるといっ たことも本当にあるので す。又、違う話ですが、仮 面アレルギーといってアレ ルギー反応ではないのです が、かゆみをおこす物質を 大量に含む食品もありま す。二通りあって、末梢性 のかゆみを起こす物質を大 量に含む食品(サバ、エビ、 ホウレンソウ、トマト、イ カ、タコ、タケノコ等)と、 かゆみの原因であるヒスタ ミンを遊離する物質を多く 含む食品(チョコレート、 イチゴ、卵白、シイタケ等) です。 治療は急性の場合は抗ヒ スタミン剤、慢性の場合は 抗アレルギー剤の内服、塗 り薬。重症の場合はステロ イドの内服、または点滴を します。