No103マイコプラズマ感染症

マイコプラズマは細菌の一種で、この微生物によって起こった肺炎がマイコプラズマ肺炎です。小学生以上に多く見られ、4年毎に流行すると言われていましたが、最近はいつの年にも季節にも関係なく見られるようになりました。家庭内で流行する場合もあります。マイコプラズマ肺炎では咳がめだち、しかも頑固で長期にわたるものが多いようです。発熱もほぼ全員に見られます。その他下痢や嘔吐などの胃腸症状や発疹が出たりすることもあります。また髄膜炎や脳炎を起こし重症になることが稀にあります。胸の音は咳のわりに悪くないことが多いため、小児科医は小学生位の小児で発熱と頑固な咳が続いているときはマイコプラズマ肺炎を疑い検査や治療を行います。マイコプラズマ肺炎の診断はレントゲン検査と血液検査で行いますが、血液検査では、ほとんどのケースは白血球は正常か少し増加する程度で、炎症反応もそれほど強くありません。マイコプラズマ抗体の上昇が見られて初めてマイコプラズマ肺炎と確定することができます。。療はマクロライド系といわれる抗生物質の飲み薬を用います。症状が強いときは入院。療が必要となることが有りますが、この場合は点滴で抗生物質を用います。その他に安静、水分を十分に摂取すること、痰が出にくくなるのを防ぐため部屋の乾燥にも注意することなども大切なことです。また治療を受けていても頭痛や嘔吐が出てきたり、全身倦怠感が強い場合、発疹が多く目も充血しているような場合はマイコプラズマによる合併症が起こっているかもしれません。できるだけ早くかかりつけ医に相談しましょう。マイコプラズマ肺炎は症状が無くなってもレントゲンの影がなかなか良くならない場合があります。この場合も時間はかかりますが影が残ることはありませんのであせらずに治療を受けてください。